2003年の大晦日で、DSE主催の大晦日興行を取材するのも3回目だったりする。2002年は年越しイベントではなかったこともあって、取材はしたものの年越し自体は、かなり私的な場所でまともにできた記憶がある。
 さて2003年はというと、名古屋でも神戸でも格闘技イベントが行われているという非常事態の中、DSEはさいたまスーパーアリーナでPRIDEのスペシャル版『男祭り2003』を開催することになった。しかもイベント自体は年越しだ。テレビも地上波で生中継だし、このリポートもあまり意味ないような気もするが、せっかく超望遠デジカメを導入し、リング上の写真も撮れるようになったので、写真をふんだんに使ってお送りすることにしよう。

 まず駅を出てたまアリに向かって歩いていくと、長蛇の列が。噂の男神社に“参拝客”が並んでいるじゃないか。う〜ん、まだ時間もあるし、2003年はロクなことがなかったから拝んでいくかと、私も参拝することに。しかし、この男神社、近くで見ると意外とショボイ。本当に時間がなかったのだろうな。
 いざお賽銭を入れて拝むときに気づいたのだが、PRIDEのベルトが奉納されている。ありがたいのかどうか微妙だが、とりあえず拝んでおいた。

 その後、会場に入ってみると、たまアリが2002年のINOKI-BOM-BA-YE同様に最大限開放バージョンになっていることに気づいた。しかし、この時点ではかなり空席が目立っていた。ところが、試合開始となる午後6時にはほぼ満員となり、最終的には3万9716人(主催者発表)までの観客を集めたのだから大したものだ。
 オープニングイベントでは、リング上に浅草キッドのお二人と、アヤパン&ウッチーの女子アナコンビが登場。そしてビジョンには、なんとたまアリの屋上にいる高田統轄本部長が映し出された。開始の合図はもちろん、本部長の音頭による「お前ら、男だ!」のコール。ところが観客の声もイマイチ小さい。すると本部長、「しょっぱいよ。お前らは島田か?」と突っ込む。やや受け。

 第1試合にはいきなり注目の美濃輪選手が登場! さすがはプロレスラー美濃輪、総合の舞台ではめっきり見れなくなったショートタイツ一丁! 手には日本国旗を持って、猛ダッシュでリングイン。ただ、やはり相手が悪かった。絶好調ランペイジ・ジャクソンである。体重差もあり、上に乗られてのニーを思いっきりアゴに受けTKO負け。
 しかし、これには美濃輪選手も猛然と抗議! 確かにちょっとあっけないというか、ストップも早いかなという印象だった。ランペイジとも睨み合いになったが、ランペイジが試合後「(ストップが早いという点は)同感した。だけど1Rにはもう(俺の指の骨が)折れていたんだよ」と語った。なんとランペイジは指を骨折! 試合後も病院へ直行し、インタビュースペースに現れたのも、病院から帰ってきてからだったため、メイン終了後だったのだ。

 第2試合には大巨人・ジャイアント・シルバが登場。アンドレと同じテーマ曲に乗り、ルチャ軍団を従えて入場。対するヒーリングも序盤はかなりやりずらそうで、ブンブン手を振り回してくるシルバから逃げる逃げる! しかし最後はきっちりスリーパーを決めて、PRIDE戦士のメンツを保った。

 第3試合は注目の日本人対決。高瀬選手は両膝にテーピングを巻いており、タイツの色こそ変えたが、ますます桜庭選手のようになっていた。対するマッハ選手は、大きな会場にピタリとハマる↑HIGH-LOWS↓の曲で入場。セコンドには一時猪木祭り参戦の話もあったグラバカの菊田選手がついていた(右の写真は菊田選手がPRIDE参戦時に何かと話題になった島田さんとニアミス)。
 試合は日本人対決らしい意地の見える打撃戦。高瀬選手は得意の寝技に持ち込もうとするが、マッハ選手はそれを許さない。高瀬選手を打撃でグラつかせたマッハ選手が判定勝ち。大会終了後、榊原社長が「こういう日本人対決を世間がテレビを通じてどう思うのか興味がある」と言っていたが、皆さんはどう思いましたか?

 そしてここで「爆勝宣言」に乗って、橋本&小川のOH砲が登場。高田統括本部長もエプロンまで上がり、舌戦を展開する。小川がマイクを取ると、おなじみの「格闘技ファンの皆さん、目を覚ましてください!」というセリフ。すると本部長は、ゴールドバーグをリングに呼び込む。
 ゴーバーと小川がにらみ合うと、お互い上着を脱ぎ捨て乱闘状態に! 破壊王も高田に襲いかかり、セコンド陣が止めに入る!
 ハッスル1へのプロローグではあるのだが、この乱闘劇を見て皆さんはどう思われただろう? 新しいプロレス? メジャープロレスの復興? う〜ん、正直まだ見えてこない。もっと言ってしまえば、レッスル1の時に見られたサップとホーストの小競り合いとどう違うのだろうか? この乱闘も「男祭り」というお祭り的イベントだったから許されることだが、通常のPRIDEでやったらどうなることやら。とりあえず4日のハッスル1をこの目で見てから判断しよう。

 第4試合にはお祭りの舞台が似合う小路選手が、鉢巻き&大漁旗というあまりも似合いすぎる姿で入場。しかしニンジャの猛ラッシュの前に秒殺されてしまった。
 ちなみにニンジャ選手は、インタビュースペースで「お母さんにはもう電話したよ。でもネットを見て、もう僕が勝ったことを知ってたよ」とすっかり定着した“母親思いキャラ”全開のコメントを聞かせてくれた。

 第5試合は因縁の対決、吉田vsホイス! ホイス選手は花道でセコンドのグレイシー軍団と円陣を組み、気合いを入れる。手には木彫りのお守り(?)を持っている。この辺は田村選手にも通じる武士道精神が見えて俄然盛り上がる。吉田選手も気合いの入った表情を見せていた。

 ゴング前に、なんとホイス選手が道衣の上着を脱ぎ捨て、上半身裸となる。これにはびっくり! そのせいなのか、吉田選手はほとんど攻めることができず、試合は終始ホイス選手が攻めている感じ。ヒールホールドや三角絞め、胴絞めスリーパーなど、観客からも「うわ! 吉田ヤバイよ!」という声が聞こえてきた。結局、グレイシー側の主張で判定なしのルールだったため、時間切れドローとなったが、もし判定アリだったらホイス選手が勝っていただろう。ある意味、ホイス選手はもったいないことをした。

 しかしインタビュースペースでもホイス選手はもう上機嫌! 下の写真を見てもらえばわかるが笑みを浮かべながら「ようやく決着をつけることができた」とコメント。すかさずマスコミから「今日は引き分けですが」と質問されると、いきなりムッとした表情になったが、その後半笑いで「確かにドローだが、試合を見てもらえばどちらが勝ったか分かると思う。溜飲が下がったよ。試合が終わったあとに、吉田選手に敬意を表しますと伝えた。これで安眠できるよ」と余裕しゃくしゃくだった。
 ちなみに上着を脱いだのはセコンドからの指示で戦略だったとのこと。また、「残念ながらここには来ていないが、ヒクソンは間違いなくグレイシーナンバー1だ」と、まるで初めてUFCに出たときのようなコメントをしていたのが印象的だった。

 第6試合のグッドリッジvsフライの一戦は、グッドリッジの引退試合。グッドリッジといえば、かつて桜庭選手がコラムで「出会うと必ずいいことが起きる」と書いた幸運を呼ぶ男だ。そのグッドリッジが引退かと思うと寂しい気になっていたのだが、何と試合は開始早々グッドリッジのハイキックが塾長の顔面に炸裂! あのドン・フライを秒殺KOしてしまった!
 これには塾長も「(今日は)まったくダメな試合だった。嫌になったよ」とションボリ。しかしグッドリッジの引退に関しては「自分自身4回くらいリタイヤしてるんで、また彼には戻ってきてほしい」と言っていた。恐らく今後のグッドリッジはハッスルシリーズには参戦するだろうし、展開次第では武士道あたりに“門番”として復帰もあり得そうな気もするな。

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