1回目は“PRIDE実験室”みたいだった『PRIDE武士道』だが、今回の2回目は何となく日本人選手活躍の場となってくれそうなカードが揃った。時同じくして『K-1 JAPAN』も(沖縄で)開催されているのも因縁めいているが、日本格闘技界にとって「強い日本人スター選手の発掘」は永遠の課題。こういう大会は日本人が主役を取ってこそ、大会自体が成功となる。

 会場は横浜アリーナ。あまり武士道っぽくないな。前回はたまアリだったが、武士道なら日本武道館とかがいい。いろいろ問題があってダメなのかもしれないが、初期のPRIDEのようにたまには武道館でも大会をやってほしいものだ。
 試合開始は午後3時だったが、会場の埋まり具合は7割程度といったところ。両国で新日本プロレスが(社運を賭けたような)ビッグマッチを開催していたことを考えると、武士道としては大健闘ではないだろうか(最終的には1万1147人・満員/主催者発表)。

 武士道はまずオープニングセレモニーが行われる前に“武士道挑戦試合”というダークマッチみたいなものが組まれている。両者が同時に入場し、サクッと試合を始めるのだ。
 いまや世界トップクラスのMMAイベントとなったPRIDEは、演出面でも毎回豪華絢爛だが、こうした地味に行われる前座らしい前座の試合は個人的に結構好きだったりする。
 例えば試合開始が午後3時なら、午後2時くらいから3〜4試合挑戦試合をやって、見たいお客さんは早めに会場に入るっていうのも面白いと思うのだが。

 挑戦試合が終わると、オープニングセレモニー。前回同様、入場ゲートのステージには合戦の場のようなセットが組まれ、雪まで降らす演出。太鼓の演奏に乗って、出場選手が紹介されるシーンは、ナンバーシリーズより凝っているくらい。ラウンドガールも微妙に和風の衣装だったりする。
 ちなみにこの日のパンフレットは、シウバが刀を持ち、黄色の地に黒文字。もろに『KILL BILL』。こちらは微妙に武士道っぽくない。

 第1試合には滑川康仁が登場。最近元リングス勢が活躍しているだけに、滑川にもこういった大舞台でぜひとも活躍してほしい。
 相手はリングス時代に一回負けているヴァラビーチェス。こら強敵だと思ったら、開始早々滑川が飛びついていき、フロントネックロックを決める! そのまま締め上げてタップを奪ったのだからスゴイ! 文句なしのオープニングマッチ。
 また、試合後には「師匠の前田日明目指して、PRIDEでリングスの強さを証明してみせます!」と、リングスファンには涙もののマイクアピール。セコンドに就いていたTKと金原も祝福していた。

 第2試合には上山龍紀がPRIDE初登場。レガース姿(しかもUWFの3文字入り)でMMAの試合をするのは意外と珍しい。ちなみにセコンドには田村もいた。
 相手のショーン・シャークはタックルが早い。倒されて下になることが多かった上山もしなやかな動きで返そうとはするが、スタンドになるとシャークのタックルが決まりまくり、グラウンドになってもシャークがヒザ蹴りを落としたりして終始圧倒。結局、上山が判定0-3のストレート負け。シャークはかなりの強豪選手なので、次の試合も楽しみだ。

 第3試合はベンチッチのセコンドにミルコが就き、マリオのセコンドにノゲイラが就いたことで、選手よりもセコンドに注目が集まっていたような感じ。
 しかし開始早々マリオがベンチッチをKOしてみせたことで、セコンドばかりにいっていた目を自分に向けてみせたマリオの意地を見た。ミルコの総合用のコーチであるベンチッチよ、お前は一体……

 第4試合に出場した高瀬は、入場曲の前奏に松浦亜弥の曲と平井堅の『大きなノッポの古時計』を使用。男祭りの時も似たようなことをしていたが、何が狙いなのかわからん。本人曰く「笑わせようとした」らしいのだが、無愛想なキャラクターがついているので、無理があるだろう。ちなみにセコンドには吉田が就いていた。
 試合も高瀬が有利に攻め、1R終了間際にはクルックヘッドシザースのような三角絞め(下の写真)で、一本勝ちまであと一歩のところまで追い込みながら時間切れ判定という不完全燃焼なものに。高瀬は判定で勝利したものの、アンデウソンに勝った頃の勢いに比べると、どうも失速気味。入場曲も含めて空回りしている印象だ。

 ここでリングサイドから全試合を観戦していた戦闘竜が、リング上に呼ばれPRIDE参戦の挨拶を行った。
 「ノゲイラ、ヒョードル、ミルコ、全員と闘う準備はあります。PRIDE GPで、リボーンした戦闘竜をお見せします」と挨拶。曙に続き、花田勝(若乃花)まで格闘家転身の噂があるだけに、戦闘竜ここに在り!という試合を見せれるかどうか注目だ。

 第5試合には桜井マッハが登場。↑THE HIGH-LOWS↓の曲に乗って入場してくるシーンは、さすがに大物の雰囲気だ。
 対するホドリゴも『キン肉マン』の主題歌に乗り、またもケビンマスクの仮面を被って入場。この姿もPRIDEファンにはすっかり認知された感じ。全然グレイシーらしくないのだが、セコンドにヘンゾとハイアンがいることで、グレイシーの臭いを感じることはできる。
 試合は入場とは逆にシリアスな攻防が続いた。マッハが足関節を狙ったりするのだが、取れそうで取れない! 体格差もあってホドリゴがマッハの攻撃を封じ込んだ感じで判定勝ち。マッハは武士道日本人選手のエース的存在なだけに、同階級の選手との対戦が見たいところだ。

 第6試合は山本の“GP出場権追試試合”のミルコ戦。ちなみにミルコからセコンドの要請があったと報道されていた桜庭選手は、山本側のセコンドに就いていた。
 紹介VTRではケアー戦のDDTがフューチャーされていたが、山本はミルコの前でも自信満々の様子。ところが、そんな態度が気に食わないのか、山本がゴング直後に拳を合わせていくと、いきなり蹴りを放つミルコ……。しかしこの日の山本はひと味違った。ミルコのいかにも強烈なローを食らっても「効いてない」とばかり蹴られた足をパタパタと払い、ニヤリと笑ってみせる。しかも続いて高速のミドルキックが飛んでくると、何と蹴り足をキャッチ! これには場内がどよめいた。
 「もしかしたら……」
 そんな空気が一瞬場内に流れ出した瞬間、ミルコのパンチの連打が山本の顔面を襲う! マットに崩れるも、すかさずカメの状態になる山本。そこへしっかり頭を狙って蹴りつけるミルコ。【訂正】山本のタックルから素早く脱出したミルコはカメの状態の山本の頭を狙ってサッカーボールキック! ウォーターマン戦の再現か、非情なりミルコ! 「こりゃ堪らん!」とばかり何とか立ち上がった山本だが、またも顔面にミルコがパーンチ! ノックアウトー! ボクシンググローブでサップの顔面を砕いたミルコが、あんな薄いオープンフィンガーグローブでパンチってスゴイ強烈そう。PRIDEでは蹴りの印象が強かったけど、パンチを出されたらどうしようもないな。
 ミルコはインタビュースペースで「俺はあんな挑発はしない。常に相手に敬意を表す」と、やはり山本の挑発行為にややご立腹気味だったようだ。
 対する山本は、立ったままインタビューに挑み、「(蹴りは)効いてないから叩いてたら、余計蹴られちゃいましたね。1つ1つの攻撃が早いです。カットしなきゃいけないんですが、反応できなかった」と、ミルコの強さにお手上げ状態。途中、すっごく盛り上がったことは確かだし、大健闘ではあったと思うのだが、榊原社長曰く「(山本のGP出場は)基本的にはないですね。頑張ったと思いますけど」と、残念ながら追試合格ならず。

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