いやはや面白かった! 面白かった!
 PRIDE史上でもトップクラスの満足度だったんではないだろうか、この『PRIDE GP 2004開幕戦』。何と言っても全試合KOまたはギブアップ決着! しかもノゲイラvs横井以外、すべて1Rでの決着だ。ダレた部分がほっとんどない、ハイスパートかつ緊張感のある大会だった。
 当初はK-1 MMA『ROMANEX』との選手の争奪戦や吉田秀彦のGP辞退により、“史上最高のヘビー級戦士16名”が集まるか心配された部分があったが、蓋を開けてみればどの選手もモチベーションが高くて非常に中身の濃いGP一回戦を見ることができた。
 会場はとにかく異様な盛り上がり具合だった。さいたまスーパーアリーナは最大限に広げたバージョンだったが、とにかくそこらじゅうに人が溢れていた。この日はノアの武道館大会(小橋vs高山のGHC戦)をはじめ、女子も含めて日本全国で13興行行われたいたため、PRIDEのビッグマッチの割にマスコミの数は思ったより多くはなかったが、お客さんはとにかく暖まっていた。
 オープニングではいきなりリング上にある照明装置のさらに上に、ゴンドラに乗って高田統括本部長が登場! 『男祭り』の際はたまアリの天井に現れたが、“高いところが好き”キャラを定着させたいのだろうか? そんな高田本部長の紹介を受け、花道に出場選手がズラリ集合! これだけに観客は「ウオー!」。さらにリング上にはGPのロゴマークにもなっている人差し指を立てた拳のオブジェが……。そのオブジェが上に上がると、リング上にはヒョードル、ノゲイラ、ミルコ、小川の4選手が! これでさらに観客は「ウオー!」。相変わらずオープニングの演出だけでもいちいち豪華だ、PRIDE。

 オープニングマッチはパンクラスの高橋vsヒーリング。髭も金髪にして気合い十分の高橋のセコンドには、ケンドー・カシンもいた。対するヒーリングは入場花道の階段でいきなりコケそうになり苦笑い。でもテンガロンハットを取ると、今回の髪型は青に染めたモヒカン。観客はこれにも「ウオー!」。試合は高橋が健闘したものの、やや輝きを取り戻しつつあるヒーリングが意地で勝利した。ヒーリングとしては、このGPはトップ3との差を縮める最大のチャンスだ。高橋もまたPRIDEに参戦してほしい選手。インタビュースペースでも「PRIDEで全部やり直したい」と発言しているので、次戦に期待したい。

 「試合結果を国際電話でお母さんに知らせる」で有名なニンジャだが、今回の紹介VTRによると最近彼女ができたらしい。よかったね、ニンジャ。しかし相手は「このGPの大穴はこの選手!」と言われているハリトーノフ。
 試合は終始スタンディングでの殴り合いに。そしてハリトーノフの右フックにニンジャがフラッとなってロープ際に追い込まれると、そのままパンチの連打でKO! つ、強いぞ、ハリトーノフ。コマンドサンボの選手なのに、打撃だけでシュートボクセのニンジャを倒しちゃったよ……。これは、マジにハリトーノフがGPの台風の目になるかも。個人的には2回戦か準決勝あたりで、RTTを出て行ったヒョードルとの因縁対決が見たいなぁ。

 第3試合には注目の戦闘竜(「せんとうりゅう」ではなく「せんとりゅう」)が登場。セコンドには高田道場勢が就いた。対するシルバにはエル・ソラールがセコンド。すごい風景だ。戦闘竜はコールの際、四股を踏んで大いに沸かした。
 試合は戦闘竜がいきなり突っ張りを見舞い、シルバをコーナーに追いつめるとタックルからテイクダウンを奪う! そして上からボディや顔面にパンチを見舞いながら、隙を見てパスガードでマウントを奪いにいく……「おぉ、きっとスゴイ練習したんだろうな。いい動きだ」と思った瞬間、何とシルバが下から戦闘竜の腕を取ってアームロックの体勢に。手が長いこともあって、ガッチリ決まっているのか戦闘竜が動けなくなってしまう。そのまま絞り上げて、戦闘竜は無念のタップアウト。何とも勿体ないというか、惜しかった。でも本人も「デビュー戦としては満足」と言っていたが、また試合が見たいと思わせるものはあった。シルバの勝利は、フジテレビ的には万々歳か?

 第4試合には急遽参戦したシュルトが登場。シュルトはPRIDEは久し振りだな。大晦日にはイノキボンバイエに参戦し、ジョシュとキング・オブ・パンクラス戦で対戦。その後はK-1 MMAに参戦という話もあったが(実際、インタビュースペースで「イグナショフと試合をする話があった」と言っていた)、ギリギリでPRIDEにカムバック!
 対するマッギーはサバイバルマッチでヒーリングに敗れたものの、なかなかの実力者だったことは分かった。体の大きさもシュルト相手に驚くほどの差もなく、打撃戦ではやや優勢だった。会場が沸いたのはマウントを取っていたマッギーが下からシュルトのパンチを受けて鼻血を出し、体が離れた瞬間、シュルトが寝た状態からユラ〜と蹴りを出していったシーン。惜しくも命中はしなかったが、なかなかの迫力だった。最後は元パンクラス王者らしく、シュルトが逆十字を決めて勝利。マッギーはいいところまでいくが、なかなか勝ち星に恵まれないな。

 そしてそして、ついに注目の第5試合。まずはレコが入場。紹介VTRではレコが「K-1を代表して参戦。この試合はK-1 vs 柔道だ」とK-1のVTRをバンバン使って煽りまくり。続いて小川入場。「オ・ガ・ワ! お・が・わ!」のコールから始まる新テーマ曲! 入場ゲートに小川の姿が見えると、観客から「ウオォォォォォォォ!」という大声援! 久し振りに見る小川の青いオープンフィンガーグローブと、灰色のスパッツ姿(前から思っていたがなぜに灰色?)! 着ているTシャツには「3、2、1、ハッスル! ハッスル!」の文字が!

 いや〜、しかしやってくれたわ、小川。ゴングと同時に打撃のラッシュで、レコが面食らって倒れるとすぐさま覆い被さる。レコも必死に逃げようとするが、さすがは元柔道家! そう簡単には逃がしやしないし、そのまま体を密着させて肩固めで一本勝ち! 
 吉田秀彦がPRIDE参戦したばかりの頃のように、まったく相手に付き合うことなく(いわゆる遊びナシで)、自分の得意分野(寝技)に持ち込んで一気にフィニッシュという完璧な勝ち方。あまりに鮮やかだったので、一部には「もしかして?」と疑っている人もいるようだが、まったくレコの打撃に付き合うことなく一気に勝負をつけたというのは、試合内容よりも勝ちにこだわった証だと思うし、勝つためにここ数年封印していた“元柔道家の小川”“格闘家の小川”を出していったように見えた。
 その分、試合後は“プロレスラーの小川”を全面解禁し、久し振りの飛行機ポーズから、ホーガンばりの耳あてポーズ。そしてマイクを持ち、「しゃべっていいすか〜(中略)あくまでハッスルを極めるためにコツコツとやっていきます。PRIDEも面白いけど、5月8日横浜アリーナでハッスル3があります。ぜひお越しいただければ幸いです。試合終了後にチケットも売っていま〜す」とハッスルを猛アピール! 最後は「3、2、1、ハッスル! ハッスル!」ポーズまでやってみせた。まさに1人ハッスル広報部長といった感じだ。
 奇しくも同日行われたノア(日本武道館大会)でのGHC戦に出場した高山選手が(vs小橋)、「なぜGHC戦を選んでのか?」という質問に対して、「俺はプロレスラーだからな。そこに出るのが務めだ」と語っていたが、小川は小川なりにプロレス復興(=ハッスル普及?)のためにPRIDE GPという場を選んだと考えてしまうのは、私がプロレスファンだからだろうか。

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