お久しぶりのangle流リポートです。今回は6月26日にさいたまスーパーアリーナで開催された『PRIDE GP 2005 ミドル級トーナメント 2nd ROUND』です。この大会は当日時間差ながら地上波中継があったため、そちらをご覧になった方も多いでしょう。ですので、このangle流リポートでは、例の如く地上波中継では見られなかった部分や、ほかのメジャーニュース系サイトさんなどでは紹介されない部分を中心にお送りします。

 スタジアム・バージョンになったたまアリには大会開始前から多くの観客が詰めかけた。最近サッカーの日本代表がワールドカップ出場を決め、多くの日本国民が熱狂したが、その興奮をPRIDEでも味わおうと、会場には桜庭Tシャツや中村Tシャツを着た観客が多く見かけられた。
 オープニングセレモニーではいつものように高田統括本部長がリングに上がり、前口上を熱く語るが、観客からは待ちきれないとばかりに「出てこいやー!」などの声が聞こえる。すると本部長は苦笑い混じりに「ちょっと待ってよ。忘れちゃうじゃん!」と突っ込みが入る。最近の本部長は客いじりも堂に入ったものだ。まるでどこかの総統みたい。
 統括本部長の「出てこいやー!」の雄叫びと共に、花道に姿を現した出場選手。青コーナー側にいた中村カズは笑顔で、しきりに観客に手を振っている。赤コーナー側には桜庭と田村がノゲイラを挟んで並んでいる。しかも2人とも赤いTシャツ……。

 第1試合からいきなりハリトーノフ登場。しかも相手はUFCの猛者・ヒーゾ。ヒーゾが実力者なのは格闘技ファンなら知るところだが、一応この試合はPRIDEでの“査定試合”となるだろう。しかし、ひと昔前のPRIDEは新参者の「査定試合」といえば、“門番”グッドリッジや“初代PRIDE GP王者”コールマンあたりが務めていたが、最近はミルコだったり、この日のハリトーノフや、ナツラの相手を務めたノゲイラなど、超トップ選手が自ら務めちゃうのだからスゴイ。
 それだけに査定試合でいきなり大物食いをしてしまえば、一躍PRIDEトップ戦線に食い込むことができるわけだが、ミルコ、ハリ、ノゲイラはことごとく新参者を退けていく。「新参者にヒョードルへの挑戦権を渡してなるものか!」という意地もあるのだろう。
 試合前、おでこをくっつける程のにらみ合いをしたハリトーノフとヒーゾは、激しい打撃戦に。ハードパンチャーのヒーゾだが、いいパンチをヒットされることができない。逆にハリトーノフのパンチは的確にヒーゾを捉える。そしてアッサリハリトーノフが勝利。強すぎ。

 第1試合終了後、花道の横を藤田和之がバックステージへと下がる姿を見つけた。藤田がPRIDEの会場に来るのも久し振りだな。最近総合の試合をしていないし、HERO'Sがミドル級戦線が中心のため、藤田のPRIDE復帰もあるのだろうか?

 第2試合のホジェリオvsショーグンはテレビ中継でご覧いただいた通り、かなりの接戦。ボクシングテクニックではやや上回っていた感のあったホジェリオだったが、十字やスピニングチュークを失敗。3Rには左フックをもらって倒れたホジェリオに、すかさずショーグンが顔面を踏みつけていく! ホジェリオの関節を何とか逃れながら、ショーグンがお得意の攻撃パターンに持って行き、その結果ショーグンが顔を腫らしながらも判定で辛くも勝利した。試合後ホジェリオは「ショーグンはすごく研究していた」と評した。

 第3試合のボブチャンチンvsアリスターはボブチャンチンのロシアンフックが爆発する前に、アリスターがベウフォートを下したフロントチョークでボブチャンチンからもタップアウトを奪った。

 ヒョードルへの挑戦権がことある事に遠のくのを、マイレージが溜まっていくことに重ねて紹介されたミルコは、“レッドデビルからの刺客”マゴメドフに圧勝。今まではあと一歩のところでポカをしてきたミルコだが、今回ばかりは抜かりはないか。
 面白かったのは試合後。ミルコと、マゴメドフのセコンドに就いていたヒョードルは笑顔で抱擁を交わし、ヒョードルは退場。その後、マイクを取ったミルコは「発表したいことがあります。高田さん、リングに上がってください」と言うと、高田統括本部長に8月26日にヒョードル戦を“決定”してほしいと直訴。これを受けた本部長は「ヒョードル選手呼んできて。あと(ヘビー級の)ベルトも」と答える。すると、アリーナの奥からベルトを肩にかけ、笑みを浮かべながらヒョードル登場。この姿を見て、統括本部長から8.28 PRIDE GP決勝ラウンドで両者のタイトルマッチ正式決定が発表された。
 この一連のやり取りは、まるで往年のプロレスを見ているようだった。「猪木さん出てきてくれ!」「やってやるよ、コノヤロー!」という“プロレス的”やりとり(お膳立て)がPRIDEのリングで蘇った……


 第5試合の田村vs瀧本は、まず吉田戦では観客をスカすように入場テーマ曲を変えてきた田村だったが、今回はいつも通りの『FLAME OF MIND』で入場。瀧本も紹介VTRで「知らないですから。なんとかダブリュー……」と、UWFの頑固者に対して挑発的な言葉。いい緊張感に包まれて試合開始。
 地上波中継では1Rがカットされていたが、田村は吉田戦の時に見られた感情的な部分を極力抑え、終始ロー、前蹴り、パンチのみで攻撃。瀧本に蹴り足を捕まえて寝技に持ち込むことを許さない。しかも深追いもしない。田村のこの勝ちにこだわるあまり、ポイント重視とも取れる戦法に、徐々に場内からはブーイングが……。3Rには瀧本もジレたのか、パンチを振り回し突進! チャンスシーンも作ったが、残念ながら判定負けを喫した。う〜ん、期待した割に後味の悪い試合だった。
 試合後、珍しくマイクを取った田村は「吉田選手、吉田道場とU-FILEの対抗戦をしませんか? 大将同士で僕らが(やって)」と提案。あくまでも田村の望みは吉田へのリベンジ。それだけにこの日の瀧本戦は落とせなかったわけだ。

 休憩明け、先頃PRIDE参戦を発表した西島洋介がリングイン。テレ笑いを浮かべながら花道を歩いてきた西島は、リング上でもテレまくり。マイクを握って挨拶しようとするが、テレるあまりなかなか言葉が出て来ない。ポケットから挨拶文が書かれていると思われる紙を取り出して読み上げようとするが、それでもテレてしまって言葉が出ない。最終的に出てきたのは、蚊が鳴くような声で「総合の練習をしてがんばります」とひと言だけ。う〜ん、やっぱり変わったキャラクターだな。この照れ屋さんが実際にリング上で試合をするとき、どう豹変するのか楽しみではある。

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