中山道旅籠案内  伊勢屋(民宿) <奈良井宿>


雪の残る伊勢屋 伊勢屋の玄関 レトロな内部の階段

*伊勢屋(民宿)

標準料金 1泊2食付 8,000円(込込)
住所、電話 〒399-62 長野県木曽郡楢川村奈良井 TEL(0264)34-3051
街道と宿場 中山道奈良井宿
建物 現在6代目で、160年前(天保年間)の建築
特徴 出梁造り、袖卯建に特徴があり、江戸時代は下問屋兼脇本陣だった

<宿泊記録>

 1996年11月30日(土) 1泊2食付 8,000円(込込)で泊まる。

高野槇の浴槽

 仕事を終え、松本駅から中津川行きの普通列車に乗って、木曽路を目指した。塩尻を過ぎ、木曽谷に入りかけた頃、暮れかけた空から雪が降り出してきた。車窓から眺めていると、どんどん積雪が増してくるようだ、無人駅に降り立つ、学校帰りの女子高校生たちが足を取られないように気をつけながらホームの雪を踏みしめている。私が下車する奈良井駅に着く頃はまだ5時を少しすぎたばかりだというのにあたりはすっかり暗くなっていた。晩秋の山間の日暮れは早い、ホームに降り、ふりしきる雪の中を歩き出したが、まさかこの時期に雪になるとは思っていなかったので、用意もなく滑りやすい革靴で歩かなければならない。旧中山道の昔ながらの宿場の家並みの中を注意しながら進むが、それにしても寒さもこたえる。やっとのことで、目指す「伊勢屋」にたどり着いてホッと胸をなで下ろした。

 聞きしにまさる昔ながらの旅籠の造りで、この構えはすばらしい。とにかく、中に入って案内を請うと、女将さんが出てきて、通りに面した古い部屋に通してくれた。旧中山道の往来の声が聞こえてきそうな部屋でとても気に入った。先ず、風呂へと向かうが、この湯船が高野槇で作ったもので、木曽路 に来たという感じがしてこれも気に入った。木の香りをかぎながらのんびりと湯に浸かって出てくると、裏庭にはほどよい積雪があって、その灯籠や植え込みに白くかぶってなかなか良い風情だ。部屋に戻って、しばらくしてから夕食となったが、古びた座敷に泊まり客全員の夕食が並べられていた。今日の同宿は常連のような初老の男性3人連れと若いアベック、それに私の総勢6人だった。食卓には山菜や川魚など地元でとれた物が出されていて、とてもおいしい、地酒「杉の森」を飲みながら、女将さんにこの宿のことを尋ねてみると、建物は、160年前(天保年間)の建築で出梁造り、袖卯建に特徴があるとのこと。現在6代目だが、かつては下問屋兼脇本陣だったと話してくれた。同宿者との会話もはずみとても楽しい晩餐だった。後は部屋に戻って、少し本を読んでから床につく。

 翌朝は恒例の朝の散歩に出ようと思ったが、雪も積もっていて寒そうなので宿を出立してから宿場を巡ることにして、しばし部屋で本を読むことにした。8時頃になって、夕食と同じ部屋でそろっての朝食となったが、これもまたおいしかった。とても満ち足りた気持ちになって、荷物をまとめ、宿を出るときに聞いたら、「宿場を巡るのにじゃまでしょうからその間預かってあげます。」との女将の親切な言葉、厚意に甘え、手ぶらで街並みを回ることにした。しかし、この宿はとても印象深く、機会があったらまた訪ねてみたいものだと感じた。

伊勢屋の夕食 伊勢屋の朝食

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