| 「平家物語」の旅 |
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「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響きあり。」で始まる『平家物語』は、平清盛を中心とした平家一門の栄華から滅亡までの源平合戦を描いた軍記物語です。歴史的事実を描いた反面、フィクションも盛り込まれていまが、軍記物語中の最高の作品で、日本文学の中でも重要なものです。著者は信濃前司行長で、鎌倉時代前期の成立とされていますが、はっきりしません。盲目の琵琶法師による平曲(平家琵琶)にのせた独特の語りによって、世間に流布され、広く国民の中に浸透していったのです。
『平家物語』は平家一門の栄華から筆を起こしていますが、その後の源平合戦が話の中心で、これを巡ることは必然的に、源平の戦跡を回ることになります。前半の源氏の挙兵から京の都へ攻め上るところも興味深いのですが、平氏が都を落ち延びる後半の部分に哀惜があり、西日本にその場面を訪ねて旅した時にとりわけ、「盛者必衰の理」を感じ取ることができます。一ノ谷、屋島、壇ノ浦と平氏が次々と負けて敗走していく情景が走馬燈のように浮かんでくるのです。
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| 屋島寺(香川県高松市) | 屋島の古戦場(香川県高松市) |
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| 赤間神宮(山口県下関市) |
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| 平家一門の墓(山口県下関市) |
私は、今までに、『平家物語』の足跡を訪ねる旅に何度か出ていますが、その中で西日本中心に、心に残った所を5つ、ご紹介します。
その1は、屋島(香川県高松市)です。那須与一が、船上の扇の的を射抜いたことで有名な所ですが、屋島からは瀬戸内海と古戦場が一望でき、屋島寺などに遺跡や遺品が残されていて、この物語の情景を思い浮かべるには最適の場所です。
その2は、壇ノ浦(山口県下関市)です。1185年に平家滅亡となった最後の一戦が戦われたところで、幼い安徳天皇は母の平徳子と共に船から海に飛び込みましたが、徳子だけが助けられました。下関市には安徳天皇を祭った赤間神宮あり、この合戦で亡んだ平家一門の墓があります。有名な耳なし芳一の話もここを舞台にしたものです。また、隣接して、安徳天皇阿弥陀寺稜もあり、毎年、5月2日の安徳天皇の命日より3日間に亘って、先帝祭も行われています。
その3は、寂光院(京都市左京区)です。安徳天皇の母である建礼門院平徳子が平家滅亡後に営んだ草庵でこの物語の末尾に描かれています。そこに佇んでいると諸行無常の鐘の音が聞こえてくるようです。しかし、2000年に放火によって、本堂と本尊地蔵菩薩が焼失してしまいました。現在、本堂再建中ですが、拝観は出来るとのことです。
その4は、一ノ谷(兵庫県須磨区)です。言わずと知れた源平の古戦場で、須磨海岸の波打ち際での平敦盛と熊谷直実一騎打ちによって打たれた敦盛の話は、「平家物語」中でも最も悲しく哀れを誘う場面として有名です。須磨寺には敦盛愛用の青葉の笛、合戦時に弁慶が安養寺から長刀の先に掛けて担いできて陣鐘の代用にしたという弁慶の鐘などの宝物があります。また、境内には、敦盛の首塚、義経の腰掛け松などの史跡があり、古来から「平家物語」を偲んで文人墨客が訪れている所です。それを示すように松尾芭蕉、正岡子規、与謝蕪村、尾崎放哉などの句碑や歌碑が建てられています。須磨浦公園には、敦盛塚や源平合戦800年記念碑などあって当時の合戦を思い出させてくれます。
その5は、厳島神社(広島県宮島町)です。平家の氏神としてあがめられ、平清盛によって、1168年(仁安3)ころには社殿が造営されました。この社殿群は、平安時代の寝殿造りの様式を取り入れた優れた建築景観をなしていて、現在では、国宝そして世界文化遺産にも登録されています。平家一門の権勢最盛期を象徴する建造物で、平家の栄華の一端を見る思いがします。有名な、舞楽が始まったのもこの時代からといわれています。また、ここに収められている「平家納経」は長寛2年(1164年)厳島神社に平清盛が奉納した全32巻の経典で、それに清盛の願文を加えた33巻が完在し、国宝となっています。
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| 須磨寺本堂(神戸市須磨区) | 須磨浦公園の敦盛塚(神戸市須磨区) |
| 西日本の「平家物語」探訪マップ |
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| この作品を読んでみたい方は、簡単に手に入るものとして、現在、『平家物語』が、講談社文庫(上・下)、講談社学術文庫(全12冊)、岩波文庫(全4冊計3,200円)他から出版されています。 |
| ◇赤間神宮 | 壇ノ浦の合戦場の前にある安徳天皇を祭った赤間神宮の公式ホームページです。 |
| ◇厳島神社 | 宮島町の公式ホームページの中にある厳島神社についてのページです。 |
| ◇屋島 | 屋島山上観光協会の公式ホームページで、屋島寺や源平の古戦場についてのページもあります。 |
| ◇須磨寺 | 須磨寺の公式ホームページで、一ノ谷の合戦についてのページもあります。 |
| ◇寂光院 | 寂光院の公式ホームページで、その歴史について詳述してあります。 |
| ◇「平家物語」流布本テキスト | 『平家物語』流布本のテキストで、荒山慶一さんの作成したものです。 |
| ◇「平家物語」 | 古典文学の部屋というホームページの『平家物語』のページで、物語全体をまとめてあります。 |
| ◇平家物語歴史館 | 高松市にある平家物語歴史館の公式ホームページで、クイズや掲示板もあります。 |
| ◇平家の物語 | 湯西川温泉「はたご松屋」の公式ホームページの中の『平家物語』に関するページです。 |
| ◇平家物語を熱く語る | 『平家物語』専用の掲示板で、いろいろな意見が掲載されています。 |
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