旧街道めぐりのススメ


旧東海道の野村の一里塚 朝明川堤の常夜灯 四日市宿の道標

☆道の思い出

 旅に出て、なにげなく歩いていたら、とても印象に残る道があった。そういうことがありませんでしたか。松並木の並ぶ街道だったり、古い町並みの続く小径だったり、田舎ののんびりとした田んぼ道だったり、知らないで歩いていたけど実は歴史のある道だった。なんてことが‥‥‥。道端の道祖神、追分(道の分かれるところ)の石の道標や常夜灯、古ぼけた松の大木などにほのぼのとしたものを感じるのではありませんか。そういう昔ながらの道を歩いてみると、旅人の思いを彷彿とさせることができるのでは‥‥‥。


☆街道について

 大昔から道は産業上も軍事上も重要視され、物資の輸送、人の往来のために使われてきました。江戸時代になると、五街道(東海道、中仙道、日光街道、奥州街道、甲州街道)が整備され、それ以外の脇往環も整えられました。そこには、1里(約4Km)ごとに旅の目標となる一里塚、一定の距離毎に宿場が設けられ、人馬の引き継ぎをおこなう問屋、大名、公家等が泊まる本陣脇本陣、一般の旅人が泊まる旅籠木賃宿などがありました。また、街道脇には松や杉などの並木が続き、追分(道の分かれるところ)には石の道標や常夜灯、峠や川端などには茶屋が設けられていました。この街道筋は行き交う人でとても繁盛していました。しかし、明治時代になって、交通の主役を鉄道に奪われると、街道を行き来する人も段々と少なくなり、いつのまにかこれらの街道は忘れ去られるようになっていきました。宿場町は寂れ、並木は枯れたり、切り倒され、自動車用に道幅が広げられたり、舗装されて昔の街道の面影を残すところも少なくなってしまいました。そのような中で近年「歴史の道」が選定され、昔の街道を保存し、整備しようとしています。喜ばしいことだと思います。宿場の雰囲気の残っているところや、並木道や一里塚などが整備され往時の姿をうかがえるようになれば、旅の楽しみも増えることでしょう。


☆私の好きな街道三題

 私は、今までにいろいろな街道を歩きました。その中から、私の好きな道を三つご紹介しましょう。

 その1は、中山道の中で長野県木曽郡に当たる部分、地元では木曽路と呼ばれている所です。ここは江戸時代の街道の面影を残しているところが随所にみられます。「歴史の道」に指定されているところも多く、奈良井宿、妻篭宿、馬籠宿などは昔の宿場の様子を良くとどめています。鳥居峠や、馬籠峠の周辺はハイキングコースになっていて、江戸時代の旅人の思いで歩くことができます。

中山道妻籠宿 中山道奈良井宿

 その2は、東海道の三河(愛知県東部)から遠江(静岡県西部)にいたる所で、ところどころに昔の街道が残されています。御油の松並木、二川宿の本陣、新居の関所、舞阪宿の脇本陣、大井川の渡しの跡など飛び飛びではありますが、見るべきものが残されています。赤坂宿には江戸時代から営業を続けている旅籠があって今でも泊まることができます。

東海道新居の関所 御油の松並木

 その3は、日光街道の栃木県宇都宮市から日光市にいたる部分で、いわゆる“日光杉並木”とよばれているところです。樹齢300年にもおよぶ巨木が両側にびっしりと並び、昼間でも暗くなるような独特の空間を作りだしています。今でも、大名行列が通りそうな雰囲気さえします。

日光街道の杉並木 日光の神橋

 その他にも歴史を感じさせる街道がいくつか残されています。機会があったらぜひ歩いてみることをお勧めします。


◎さてそれでは少し旧街道を旅してみませんか?

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