離島めぐり(5) <菅島・神島を訪ねて---三重県>
2005.12.30−31

インデックス

菅島 神島
菅島へ 菅島灯台 監的哨跡 遊歩道 神島へ 八代神社 神島灯台 監的哨跡 ニワの浜 「山海荘」 朝の散歩 神島を出る


*2005年12月30日(金)  鳥羽→菅島→神島

・菅島へ

 帰省途中に、菅島・神島を訪ねてみようと思い、榊原温泉に1泊した後、国道42号線に復してさらに東へ走り、離島へ渡る連絡船乗り場のある佐田浜へと至った。窓口で菅島行きの出航時間を確認したら、まだ1時間弱の余裕があるので、離島の旅館指定の市営第1駐車場へ車を入れ、鳥羽駅周辺の土産物屋をのぞいて時間をつぶすことにした。
 佐田浜港発11時35分発の市営定期船に乗り、菅島へと向かったが鳥羽湾内の波は穏やかで、とても風光明媚だ。20分弱で到着し、下船後港の前の軽食喫茶で昼食をすませ、菅島灯台へと遊歩道を歩いていった。

菅島漁港の風景
菅島灯台

・菅島灯台へ至る

 最初は海岸縁を巡る平坦路であったが、途中から急な上り勾配となり、アップダウンしながら、先端へと向かっていった。この島は東西約4kmの細長い島で、菅島灯台はその東北端に立っている。1873年(明治6)7月に初点灯したレンガ造の現役では、日本最古の洋式灯台で、かの“灯台の父”と呼ばれる英国人技師ブラントンの設計・建設によるものだ。「日本の灯台50選」にも選ばれている日本を代表する灯台で、歴史的文化財的価値が高いので、Aランクの保存灯台ともなっていて、以前から一度来たいと思っていた。
 岬の尾根筋に小さな門があり、その奥に、ヨーロッパの古城を思わせる白亜の美しい灯台が見えてきて、あまりのすばらしさに息を飲んだ。国産の白色レンガを使っており、竣工式には、西郷隆盛など当時の政府高官が多数列席したという由緒あるものなのだ。無人化によって使用されなくなった退息所(灯台職員官舎)は、国指定重要文化財となり「明治村」に移築保存され、以前見学したことがある。ここからは大築海島や神島、伊良湖岬から太平洋まで望むことが出来、はとてもすばらしい。感激しながら、灯台や周辺の景色を何十枚もカメラに撮し込んだ。

北方向(大築海島)を望む 南方向(黒崎)を望む

・監的哨跡からのすばらしい眺望

 その後、遊歩道を巡り、監的哨跡(旧陸軍の施設で砲弾の着弾点を確認するための監視所)へも登ってみたが、ここからみる景色もすばらしかったのだ。廃墟となっているコンクリート造建物の屋上からは360度の眺望があり、鳥羽湾から答志島、伊良湖水道そして神島、伊良湖岬まで見渡せて感嘆の声を上げた。もちろん写真を撮りまくったことは言うまでもない。

監的哨跡 神島と伊良湖岬を望む

・遊歩道を巡る

 撮影後、尾根路を西へ歩き、役行者の石碑のあるところから港への急坂を下っていった。港の前に菅島小学校があるのだが、校舎の一部に灯台がモチーフされていて興味を持った。そして、市営定期船乗り場へと戻ってきたんだけど、神島行きまでには少し時間があったので、待合室で待っていたが、出航時間が近づいても、殆ど人が現れない。まあ、この島から神島へ行く人も少ないんだろうけど...。

菅島灯台をモチーフにした菅島小学校 鳥羽市営の定期船

・神島へ着く

 鳥羽から来た定期船は、ほぼ定刻どおりに港へ入ったが、帰省客で混み合っていて、通路にまで、人と荷物が溢れていた。それに乗り込み、14時20分に神島へ向けて出航したが、ここからは外海に出ることになるので、少し波が高くなり船が揺れていた。しかし、ほぼ定刻どおり15時前には神島港へと入っていった。
 神島は伊勢湾の入口に浮かぶ、周囲約4km、人口500人余の小さな島で、標高170mの灯明(とうめ)山を中心として全体が山地状で、集落は季節風を避けるように北側斜面に集まっている。そして、なによりも三島由紀夫の小説「潮騒」のモデルになったことで、有名で昔から一度来たいと思っていたのだ。

・八代神社の階段を登る

 神島へ着いて、今日の宿「山海荘」に荷物を置くと、さっそく島一周の散策に出かけた。ほんとうに急斜面にへばりつくように人家が密集して建っていて、歩道が急勾配でアップダウンしながらその間を縫っていた。まず、集落の東側にある八代神社へと行ってみたのだが、真っ直ぐ伸びた214段もの階段を登らなくてはならず、閉口した。ここで、元旦の夜明けにゲーター祭りと呼ばれる奇祭が行われるという。夜明け前にグミの木で太陽をかたどった直径2m程のアワと呼ばれる白い輪を島中の男たちが竹で刺し上げ、落とす神事で、県指定無形民俗文化財になっていると聞いた。

八代神社の階段 ゲーター祭りが行われる八代神社
神島灯台

・シラヤ崎の神島灯台へ

 社殿参拝後、時計回りに島を一周しようと、裏手の遊歩道を上っていったんだけど、勾配がきつく、断崖絶壁になって海に落ち込むような細道を進んでいく。しかし、伊勢湾、伊良湖岬から太平洋の景色はすばらしいのだが、神島の東側は「安房の鳴門か 音頭の瀬戸か 伊良湖度合いが恐ろしや」と船頭歌に歌われ、日本三海門の一つと言われる伊良湖水道で、昔から海の難所とされてきたところだ。
 しばらく行くと、シラヤ崎に至り、神島灯台の門が見えてきた。この灯台は、1909年(明治42)に灯台の建設が始まり、翌1910年(明治43)5月1日に初点灯した歴史を持ち、「日本の灯台50選」にも選ばれている。また、小説「潮騒」の中で、新治、初江が灯台職員宿舎(退息所)を訪ねるシーンが印象的だが、退息所は無人化に伴い撤去されていて空き地となっていた。その奥に白亜の灯台が立っていて、小説「潮騒」の案内板があるが、そこからの眺望はすこぶるよく、小説の場面を彷彿とさせるのだ。また、灯台についての描写は特に秀逸で、新治、初江の前途とも重ねて描かれていて、脳裏に思い浮かべながら、見上げていた。この小説は、青山京子、吉永小百合、山口百恵、堀ちえみ等の主演により5回にわたって映画化されているが、灯台周辺でのロケもあった。その映画の場面も思い出しながら、しばしたたずんでいた。

伊良湖岬を望む 小説「潮騒」に描かれている灯台職員宿舎跡

・監的哨跡へと至る

 さらに、遊歩道を進むと木製の階段となり、アップダウンしながら監的哨跡へと至る。ここは、旧陸軍省が砲弾の着弾点を観測した施設で、小説「潮騒」では、主人公とヒロインがクライマックスを迎える場所であり、映画の情景を思い浮かべながら見学した。コンクリート造の2階建となっており、屋上に上ることも出来て、眺めもすばらしいのだ。おりしも、西に夕焼けが広がっていて、その幻想的な雰囲気に何十回もシャッターを切った。

監的哨跡 監的哨跡からの夕焼け

・ニワの浜を経由して一周する

 さらに歩いていくと、神島小中学校のあるニワの浜へ出るが、風が吹き抜けていて冷たい。ここは、小説「潮騒」で海女が集まって漁をしていた所で、そのダイナミックな景色と共に印象に残った。その後も、祝が浜、古里の浜と巡って港へと戻り、2時間弱の散策を終えた。

・旅館「山海荘」へ戻る

 旅館「山海荘」に戻って、散策の汗を流すために風呂へと向かったが、ここのは、4階にあって、港から伊勢湾まで見渡せる展望浴場なのだ。ゆっくりと浸かりながら、旅の疲れを癒した。 浴後、部屋で休憩していたら、1階食堂での夕食となったが、食卓には、刺身(スズキ、タイ)、サザエつぼ焼、エビ、タコ煮物、ガシ2尾煮物、スズキ切身焼物、など新鮮な海の幸が並べられ、酒も2合注文して、美味しく頂いた。
 食後は、部屋に戻って、テレビを見ていたが、季節風が強く、ガラス戸を揺らすのが気になった。あまり風が強いと、波が高くなり、定期船が欠航するんじゃないかと...。そうしたら、どうしようなどと考えていたら、眠くなってきたので、床に就いた。

☆旅館「山海荘」に泊まる。<1泊2食付 9,450円(込込)>

旅館「山海荘」のデータ
標準料金 1泊2食付 8,400円〜(込込)
宿泊定員 鉄筋コンクリート造4階建 和室11室 
住所、電話 〒517-0001 三重県鳥羽市神島町75 TEL(0599)38-2032
交通 鳥羽佐田浜港より鳥羽市営船で50分、神島港下船後徒歩1分
特徴 島一周の探勝に便利、魚介類中心とした島の味が美味。
旅館「山海荘」の外観
旅館「山海荘」の夕食 旅館「山海荘」の朝食

*2005年12月31日(土)  神島→鳥羽

・朝の散歩に出る

  朝起きて、明るくなり始めた7時頃からカメラ片手に散策へ出かけた。風が強く、とても寒いので、防寒に注意して出かけたのだが、吹きっさらしの所へ行くと飛ばされそうだ。神島灯台から朝焼けの海の写真でも撮ろうと思ったんだけど、途中の遊歩道が強風のため危険だと思い、引き返してきた。しかし、この風で市営定期船は来るのだろうか?一抹の不安がよぎった。
 宿に戻って、一服してから朝食となったのだが、女将さんから「船は欠航しないようだ」と聞かされ、安心した。食後手早く荷物をまとめ、8時45分発に乗るために船着場へと向かった。
 港の防波堤には、大きな波が打ち寄せて、砕け散っている。そんな中を定期船が入港してきたが、左右に大きくローリングしていて、心配になった。

朝の神島港 神島港へ入る定期船

・神島を出る

 大晦日の朝のこととて、乗船客も少なく、数人を乗せて出航したんだけど、港を出ると前後左右に大きく揺れて、気が気ではない。大波をくらったら転覆するんじゃないかと...。祈るような気持ちで、外海を見つめていたが、鳥羽湾へはいると揺れも少なくなって、ホッと胸を撫で下ろした。菅島へ寄港後、ほぼ定刻通りに佐田浜港へ到着し、駐車場から車を出して、パールロードの方へと走っていった。


はるかなる離島を訪ねて
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