*自然を訪ねる旅(5) <鍾乳洞めぐり>

洞窟探検 鍾乳洞について 特選鍾乳洞八題 鍾乳洞めぐりクイズ

☆洞窟探検

 旅先で洞窟に入ったことはありますか。夏でも涼しく、暗い洞窟に冒険心をかきたてられたなんてことは?洞窟の中でも規模も大きく、美しいものは鍾乳洞です。暗いトンネルの中を進んでいったら眼前にホールが開け、すばらしい石灰岩の造形にしばし足を止めて見入ってしまったなんてことも‥‥‥。こういう場所にも旅先で立ち寄りたいものです。私は、今までに日本全国を旅する中で、30ヶ所以上の鍾乳洞に入洞しましたが、ほんとうにすばらしいところも結構ありましたよ。
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☆鍾乳洞について

 日本列島には石灰岩地帯が多くあります。その主成分炭酸カルシウムが水に溶けて何千年という、時の流れを経て、徐々に空洞が出来、ツララのような鍾乳石やタケノコ状の石筍などを造形します。それらが、地底に独特な世界を造りだすのです。長いものは何kmにもおよびビルが建てられるような広大なホールになっているところもあります。川が流れ、滝があったりしてまさに地底の別世界の観さえあり、独特の生物が生息していたりします。


☆特選鍾乳洞八題

特選鍾乳洞地図

 私が、日本全国を旅した中で、入洞した鍾乳洞の中から、気に入った所を8つ、特別に選んでみました。

 その1は、秋芳洞(山口県)です。日本三大鍾乳洞の1つとして知られ、高さ30m、幅20mの巨大空間が延々と1q続きます。両側に土産物屋がびっしりと並んだ通りを歩いていくと、鍾乳洞の入口です。学生時代にも一度来たことがありますが、大きな洞口が開き、清流がとうとうと流れ出しています。中に入っても洞内は広く、みごとな鍾乳石や石筍がみられます。ただ、観光客も多く、ぞろぞろと歩いていく様はとても洞窟探検といった趣ではありません。しかし、この洞窟の規模はたいしたもので、数階建てのビルがすっぽりと入ってしまうほどのものだそうです。そこを巡っていくと、百枚皿、洞内富士、千町田、千畳敷、黄金柱などの見所が随所に展開していて、目を見張らせます。最奥の黒根新洞まで足を延ばして、戻ってきましたが、結構な距離を歩いたことになり、少々疲れました。この上部はカルスト地形の秋吉台となっていて、独特の景観をつくっています。

秋芳洞(山口県美祢郡秋芳町)の百枚皿と黄金柱

 その2は、入水洞(福島県)です。一番奥まで行くには、ローソクと案内人が必要です。途中からは暗闇の中を腰まで冷水に漬かり、時には四つばいになって進み、最奥まで行ければ感動もの。しかし半分は脱落するとか。ほんとうの洞窟探検ができます。

 その3は、大滝鍾乳洞(岐阜県)です。郡上地方の石灰岩地帯には多くの鍾乳洞がありますが、その中でも規模が大きく、700メートルに及ぶ鑑賞コースがあって、見所がたくさんあります。特に洞内に流れ落ちる落差30mの大きな滝と鍾乳石のすばらしさには感激します。

 その4は、満奇洞(岡山県)です。中国山地深くにあり、昔は「槙の穴」と呼んでいました。しかし、歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻が1929年(昭和4)10月に訪れたときに 、晶子が「満奇の洞 千畳敷の 蝋の火の あかりに見たる 顔を忘れじ 」と詠んだところから、その後満奇洞と名付けられたそうです。入口前に、与謝野夫妻の歌碑が立てられています。また、野村芳太郎監督の映画「八つ墓村」(1977年松竹作品)のロケが洞内で行われたことでも有名です。総延長は450m、最大幅25mで、30分ほどで巡ることが出来ます。洞内の美しいことで知られていますが、特に、竜宮、夢の宮殿などと命名された地底湖の造形美はみごとなものです。水と鍾乳石の織りなす美しさには目を見張り、まさに、地中の竜宮城といった趣があります。しかし、洞内は天井の低いところがあり、背をかがめないと進めない箇所もありました。

満奇洞(岡山県上房郡北房町)の鍾乳石や地底湖

 その5は、玉泉洞(沖縄県)です。全長約5qで、日本第2位の長さを誇りますが、観光洞として公開されているのは、そのうち890mです。東洋一の景観を誇るといわれています。比較的新しい、1967年(昭和42)に発見されたため、洞内の保存状態も良く、約100万本といわれるみごとな鍾乳石が見られます。洞内は広く、岩窟王、黄金の盃、槍天井、絞り幕など見所も豊富です。

玉泉洞内の石筍岩窟王と黄金の盃

 その6は、安家洞(岩手県)です。この洞窟は延長12,000メートル以上で、日本最長と言われています。この鍾乳洞のあるあたりは、かつて日本のチベットと呼ばれた交通隔絶の地で、最初20数年前に訪れた時は海岸線から未舗装の狭い道を延々と曲がりくねりながら車で走った記憶があります。その時よりも、格段に道路が整備されたようで、快適に車を走らせて、龍泉洞から20分ほどで安家の集落に到着しました。洞内にはいると、以前来たときより、施設が整えられ、ずいぶん奥の方まで入洞できるようになっていました。しかし、日曜日ながら龍泉洞の観光客の多さとは裏腹に、閑散としていてほとんど人がいません。人気のない巨大洞窟の中ほど不気味なものはないのです。昔のことですが、この洞窟に閉じこめられて、一晩を過ごした人がいると聞きました、どんなに心細かったでしょうか。たまに、人とすれ違うと、ああ、まだ人間世界にいるのだと不思議な気持ちが湧いてきます。水流もなく、みごとな鍾乳石や石筍・石柱などの造形は地底世界の幻影を見ているようにも思えるのです。往復で1時間以上を経て、地上に出てきたときはなにかしらホッとしたような感じさえしました。

安家洞内のみごとな鍾乳石や石筍

 その7は、龍泉洞(岩手県)です。日本三大鍾乳洞の1つとして有名で、20数年ぶりに再訪しました。洞内には、紺碧の地底湖があり、日本一と言われる透明度で、底の方まで澄んでいます。なんともいえない、実に美しいエメラルドグリーンをした水を湛えているのです。階段上から、眺めていると湖底に吸い込まれていきそうな感じさえします。しかし、自然の創りだす造形は見事なものです。鍾乳石や石筍など何千年の時を経て、すばらしい空間を現出させています。感動を胸にして、出てきてから、向かい側にある「龍泉新洞科学館」で、その成り立ちや洞窟生物、発掘された石器・土器などについて学びましたが、ここも小さな鍾乳洞を利用した施設なのです。

紺碧の地底湖 石筍と鍾乳石

 その8は、龍河洞(高知県)です。日本三大鍾乳洞の1つとして知られ、パンフレットには、「海中より隆起して1億7500万年の歳月が神秘的な石の芸術、ファンタジックな自然の造形として今日に伝わる。」と書かれています。しかし、洞内の天降石、玉簾の滝、万象殿などの鍾乳石や石筍を見ていると、どうしてこんなすばらしいものを自然が造り出したんだろうと感嘆してしまうのです。龍河洞は、山口県の秋芳洞ほどのスケールはありませんが、石の造形はみごとです。特に、出口近くにある“神の壺”は、2000年余り前の弥生人が残した土器が、石灰華に包まれたもので、ほんとうに神々しい感じさえします。

玉簾の滝 神の壺 奥の千本
龍河洞の公式ホームページへ

・・・鍾乳洞めぐりクイズ・・・

 以下の鍾乳洞の名前は?
1)岩手県にあり、日本一の透明度といわれる大きな地底湖がある鍾乳洞は。
2)福島県の入水洞の近くにあり、高さ30mの滝根御殿などスケールが大きくてみごとな鍾乳洞は。
3)高知県にあり、入口は原始人の住居となり残されて石灰化した「神の壺」で有名な鍾乳洞は。
4)川下りで有名な球磨川沿いにあり、迷路のような洞内で、延長4.8qと九州一の大鍾乳洞は。
5)群馬県の上野村にあり、 1,200年前から知られていた、関東一の洞穴は。

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