あした出逢った少女


シナリオ 7点 工夫
音楽 7点 システム
エロ 3点 総合 6点


シナリオ 7点

一部で支持を集めている呉氏の作品で、 田舎舞台、記憶喪失モノとして物語はスタートします。 主人公の失った記憶とは、 橘高姉妹それぞれが持つ葛藤とは、橘高親子の関係は、 郊外にある精神病患者のための別棟、など様々な謎が提起される 本格寄りのサスペンスADVです。 本格と書くにはオチが微妙な感じだとは思いますが。
シナリオはほぼ一本道のシナリオで、メインヒロインである冬香以外の ヒロインの個別エンド以外での実質的な分岐はありません。 さらに、冬香以外のヒロインの個別エンドは描写が簡潔で (悪く言うとなげやり)、発売後には倫ファンや美里ファンの 怨嗟の声も多く聞かれました。
と言った具合に、賛否両論の分かれる構成になっているのですが、 個人的にはこの構成でよかったんじゃないかと思います。 サブヒロインのシナリオでも綺麗に決着をつけようとして シナリオの整合性が取れなくなってしまった作品の例は過去にも数多くありますし、 本作の場合、冬香以外のシナリオで 決着を着けなければならない必然はなかったと思います。 勿論、個別エンドが薄い事に対する擁護ではありませんので、 個別エンドはきっちり書いて欲しかったと思います。
テキストに関しても全体を通して伝わる陰欝な雰囲気、電波・狂気の描写は 個人的には好みでした。
トゥルーエンドを見終わった後にもう一度OPを見直すと、 ようやく製品コピーで紹介されていた 「だから僕は、消えていこうと思う。――あした逢えることを願って」 の意味も分かるようになり、読後感もバッチリです。


音楽 7点

田舎舞台モノの音楽はどれも似たり寄ったりだとは思うんですが、 主題歌の『夏の羽音』が秀逸です。今でも初回特典に同梱されていた OSTをたまに聴いたりします。


エロ 3点

なんというか、一枚絵、立ち絵ともに質が低いです。 エロ目的でこのゲームを買ったわけではないんですが、 それでもはじめはびっくりしました。 開発途中で原画家が失踪したという噂もあったんですが 実際のところはどうだったんでしょうね。


工夫

シナリオ構成の工夫は○で、演出も悪くは無かったんですが、 冬香以外のヒロインのためのサブエピソードをメインシナリオとは 切り離して(例えば好感度フラグなどで)作れなかったものか、と思います。


システム

サーカス時代から健在のシナリオ回想は便利ですね。 これさえあれば、セーブ箇所が多くなくても問題ないです。


総合 6点

色々歯痒く思ってしまう所は多くあるんですが、それでも 買って良かったと思える佳作だったと思います。
発売後1ヶ月程度でこのゲームに関する話題も一旦は無くなってしまったんですが、 最近また欝ゲーや心に残るバッドエンドなどで話がちらほらと出てくるようになり、 安心(何のだ)しています。
また、冬香さんのスクール水着姿という貴重なショットは サーカス発売の『すくみず』に登場します。
メーカー自体はこれまた迷走しているようで、とりあえず 管理人は今月発売の『妹 わたし、どんなことだって…』は様子見です。


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