海からくるもの
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シナリオ |
8点 |
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工夫 |
○ |
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音楽 |
7点 |
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システム |
○ |
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エロ |
4点 |
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総合 |
7点 |
生贄の教室で巻き起こったKeNショックという名の暴動から数ヶ月。
荒川工FS退社の噂も(結局正式に退社してしまったようだが)飛び交う中
ひっそりと発売された作品。
有名スタッフの参画にも関らず「本当に9/5に出るの?」という不安すら
湧いてくるくらい宣伝活動も殆んど無かった本作だが、
発売日に店に行くとしっかり鎮座しておりました。
さて、シナリオの方ですが古代文明ネタという使い古されてはいるものの、
最近ではとんとお目にかからなくなってしまった舞台設定です。
ですが、古代文明や超科学に関しては細かい描写はされていませんので、
あくまでこれはスパイスと捉えるべきでしょう。
おおまかには、人外の力を求める者、人外の力に弄ばされる者、
力持つ者を惑わし導く者、被害者たち、という構図で物語は語られます。
人外の力ネタに良く見られる、力持つ者が狂気に侵されていく様子が
生々しく、しかしあくまでも淡々と描写されていて狂気欝好きには
たまりません。また、被害者が狂気に走ったりする描写も
上手く描かれています。
シナリオの構成も上手くまとまっている印象でした。
一部バッドエンドを除くとストーリー上の実質的な分岐は
シナリオ後半にしか存在しないので、シナリオのボリューム的には
この手のゲームとしては可も無く不可も無い程度なのですが、
整合性が上手く取れていました。また、演出も良かったと思います。
このゲームは難易度が高く、普通にプレイしているとトゥルーエンドより先に
バッドエンドが全回収出来てしまいそうな勢いなのですが、
これも製作者側の思惑の内でしょう。唯一多少の救いがあるトゥルーエンド1は
バッドエンド続きで苦しめられてきたプレイヤーの心を幾らか和らげてくれます。
初回プレイから攻略サイトを見ながらトゥルーエンドを達成しても
決してこの充実感は得られないでしょう。
シナリオと良くマッチした音楽です。特にオープニングテーマは必聴と言っても
過言ではないレベルです。
よく、感動系のゲームで「音楽は大切」という話が出ますがこれは欝ゲーにも
当て嵌まることだということを改めて実感しました。
教室シリーズなどでの実績がある、という点を差し引いても
決してシナリオを邪魔しない、だけど音楽単体でも作品の質を想起させる楽曲だと思いました。
作風とのからみもありまして、エロも描写が痛々しいです。
加えてどうしても生贄シリーズと比較をしてしまいますので、
エロシーンの実用度は特定嗜好を持つ人以外では苦しいかと思います。
正確に数えたわけではないんですが、喘ぎ声よりも叫び声の方が
多かったような気がするのですよ。
教室シリーズなどで培われた、多数視点でのストーリー進行は
本作でも健在です。
単なる恋愛モノなら主人公視点のみでの進行で問題ないと思うんですが、
やっぱりこういう作品では多数視点でないと
被害者の描写が薄くなってしまい、作品のクオリティを下げてしまうと思うんですよ。
いつものFSと言ってしまえばそれまでなんですが、
特に足りないような機能は無かったように思います。
発売してすぐに「海からくるもの面白い」という旨の書き込みを
某掲示板でしたところ、FS社員の宣伝か、などという邪推をされてしまい
これだけの良作(名作とは言えないと思うけど)が
ほとんどの人に知られること無く埋もれていくのは惜しいと思っていたのですが、
CROSS†CHANNELのヒットで本作にも多少陽の目が出たようで、
ホッとしている反面、「マイナーな」良作じゃなくなってしまって残念という
気持ちもあって複雑な気分です。
痛々しい描写を多く含みますので、合わない人には徹底的に合わない、
と言うか受け付けないのでしょうが、個人的にはかなり好きです。
強いて不満な点をあげるとするなら、バッドエンドに味が無くあっさりしすぎている
という点でしょうか。もちろん、それは
作風を重視すると言う製作者の意向でもあるのでしょうが。
あと、SF設定も結局適当にスルーされてしまっているので、
物語の本質で無いと言うことは分かっているんですが、
もうすこし具体的な説明が欲しかったです。