外国作品のやっかいな点は、登場人物の名前がごちゃまぜになること! メモしない限り、大抵の登場人物は途中でこんがらがってしまうよね。「罪と罰」 も例外ではありません。むしろ 「カラマーゾフの兄弟」 よりも大変だと思います。
カラマーゾフの兄弟では、アレクセイはアリョーシャ、ドミートリイはミーチャ、グルーシェニカはアグラフェーナ… 位が分かればだいたい大丈夫。でも罪と罰は、ラスコーリニコフをロジオン・ロマーヌイチと呼んだり、ロージャと呼んだり。ドゥーニャがアウドーチヤ・ロマーノヴナだったり。
… そうなの。「 ・ 」 が付いて、やたらと呼び名が長い のです (きっと名前の並びの意味などがわかれば混乱はしないのだろうけれども)。プリヘーリヤ・アレクサンドロヴナとアウドーチヤ・ロマーノヴナって、どっちが母でどっちが妹なのか(汗) 未だにメモを見ながらでないと区別がつきません。スヴィドリガイロフはビーフストロガノフみたいな名前だし。セミョーン・ザハールイチって誰よ?! とか。
そして、登場人物たちは部屋を間借りなどして、同じ建物の隣の部屋に住んでいたりします。その位置関係が話のキーワードになったりするから、頭の中はさあ大変! 名前と住まいとを把握していかないといけないのです。
… そこら辺も踏まえて人物相関図を作ってみました。サイズが大きくなりましたが、読む手助けになれば大変嬉しいです。
「罪と罰」 は心にグッとくる言葉が多くて、無意識のうちに私の本は傍線で埋まっていきました。自分では考えたこともないことを、ここでは登場人物たちが当たり前のように考えたり、語ったりしているのです。そのパワーに圧倒されたのかも。
最初に読んだときに傍線を引いた部分のいくつかをご紹介。今思うと、本題とあまり関係の無い言葉ばかりなので可笑しいです。でも、好きなんだなぁ〜 (ちょっと暗めの言葉かもしれないけれど)
** 新潮文庫・工藤精一郎 訳より **
第一部
貧は罪ならず、これは真理ですよ。しかし、貧乏もどん底となると、いいですか、このどん底というやつは ―― 罪悪ですよ。
どんな人でもよく知るためには、ゆっくり時間をかけて注意深くつきあってみなければならぬものです。さもないとまちがいや偏見にとらわれてしまって、あとになってそれを直そう、消そうと思っても、なかなかできるものではありません。
《 言葉はまだ行ないじゃないわ 》
第三部
自分の知恵で嘘をつく―― このほうが他人の知恵オンリーの真実よりも、ぜんぜんましですよ。
良心がある者は、あやまちを自覚したら、苦悩するでしょう。これがその男にくだされる罰ですよ、 ―― 苦役以外のですね
第四部
ぼくはきみに頭を下げたんじゃない、人類のすべての苦悩に頭を下げたんだ。
第五部
ぼくはさとったんだよ。権力というものは、身を屈 (かが) めてそれをとる勇気のあるものにのみあたえられる、とね。そのために必要なことはただ一つ、勇敢に実行するということだけだ!
ぼくは婆さんじゃなく、自分を殺したんだよ! あそこで一挙に、自分を殺してしまったんだ、永久に!