| HOME > カラ兄弟+α > アリョーシャと一緒にプリンを食べよう | 戻る |
■ 原卓也訳 ■ 新潮文庫 (下) P491,P496
「なんだか変ですよね、カラマーゾフさん、こんなに悲しいときに、突然ホットケーキか何かが出てくるなんて。わが国の宗教だとすべてが実に不自然なんだ!」
「鮭(さけ)の燻製(くんせい)も出るんだって」 トロイの創設者を見つけた少年が、突然、大声ですっぱぬいた。
「僕はまじめに頼むけどね、カルタショフ、ばかみたいな話で口出ししないでくれよ、特に君と話してるんでもなけりゃ、君がこの世にいるかどうかさえ知りたくもないような場合には、なおさらのことさ」 コーリャがその方を向いて苛立たしげにきめつけた。
《略》
「さ、それじゃ話はこれで終りにして、追善供養に行きましょう。ホットケーキを食べるからといって、気にすることはないんですよ。だって昔からの古い習慣だし、良い面もあるんだから。」 アリョーシャは笑い出した。
…プリン?
| 新潮文庫 | 原卓也訳 | ホットケーキ |
| 金の星社 | 米川正夫・鎌原正巳訳 | プリン |
| 岩波書店 | 米川正夫訳 | 薄餅 (ふり仮名:プリン) |
| 河出書房新社 | 米川正夫訳 | ブリン (薄餅) |
| 講談社 | 北垣信行訳 | 薄餅 (プリン) |
| 筑摩書房 | 小沼文彦訳 | パン・ケーキ |
| 中央公論社 | 池田健太郎訳 | ブリン |
| 集英社 | 江川卓訳 | ブリン (ホットケーキふうの薄焼きの菓子) |
| 角川書店 | 中山省三郎訳 | 揚煎餅 |
… これではなかったのですね(笑)
◎ блин [ブリーン] (白水社 / パスポート 初級露和辞典 より)
(ロシア風の)クレープ、ブリン(ジャム、スメタナ [サワークリーム] 、溶かしたバターあるいは酢などで供する)。
■ 江川卓 訳 ■ 集英社 世界文学全集19 P875
古いスラヴの祭りにマースレニツァがあり、これは西欧の感謝祭、カーニバルに当たるが、このときにブリンを焼いて食べる習慣がある。このマースレニツァはもともと春を迎え、農耕の開始を告げる祭りで、そのために太陽に似た形のブリンを作るのだという説もあるが、このエピローグの文脈では、キリスト教が入って以来(異教的要素も残っている)、マースレニツァの第一日に両親の霊を供養するしきたりができたこと との関連で考える方がよいだろう。ブリンの最初の一枚は物乞いに与えるしきたりもあった。同時に一月六日からこのマースレニツァまでは結婚式がもっとも多く行われる時期で、子孫繁栄を願う祭りの意味もあった。
そこまで分かると、今度はアリョーシャと一緒にそのブリンを食べて「ウラー、カラマーゾフ!」と叫んでみたくはなりませんか?
《 材料 》 ※ 約4人分(左の写真は半分の量です)
薄力粉 … 350cc
牛乳 … 300cc
卵 … 1 個
砂糖 … 大さじ 1
塩 … 小さじ 1/2
サラダ油・重曹(無くても可)・酢 … 適量
溶かしバター … 適量
※ その他、上にのせるトッピングを色々用意
《 作り方 》

1.牛乳を湯煎して人肌程度に温め、そこに薄力粉を少しずつ振るいにかけながら混ぜていく。
ダマにならないように注意!

2.1に塩・砂糖・サラダ油、酢で溶かした重曹を入れ、ラップをして10分ほど置く。
※ 重曹は、スプーン(写真は小さじ)の上で耳かき1杯程度の量を僅かなお酢で溶かし(泡が出て
来る)、1に入れる。

3.熱したフライパンに油を薄く塗り、クレープのように薄く焼く(両面)。
※ フライパンを回しても生地がのびない場合は牛乳や水で薄め、逆に生地がゆるい場合は小麦
粉を追加して生地を固めにし、最初の数枚を焼きながら生地の調整をとると良い。
>重曹の発酵具合によって毎回違ってくるので。

4.仕上げに溶かしバターを両面に塗って、少し焦げ目をつければ出来あがり!
2004年6月5日、ブリヌイがどのような食べ物であるのかを確認するために、新宿にあるロシア料理店「スンガリー」 に食事に行ってきました。
マリーノブナヤ・ケタ (ロシア式フレッシュサーモンマリネのブリヌイクレープ包み)
フレープ (自家焼きライ麦パン)
グリヴィー・ヴ・スミターニェ (マッシュルームとホワイトアスパラガスのつぼ焼きクリーム煮)
ビーフストロガノフ (牛フィレ肉と茸の煮込み、香り豊かなサフランライス添え)
ロシアンティー (バラジャムとグリオットジャムを添えて)
■ マリーノブナヤ・ケタ ロシア式フレッシュサーモンマリネのブリヌイクレープ包み ■
まず最初に、今回の目的だったブリヌイの登場です。最初に生地と中身を別々に持ってきてくれて「中身をお包みしましょうか?」と聞いてくれるのですね。
…この瞬間、先日私が半信半疑ながらも作ってみた「ブリヌイもどき」は正しかったのだ、と確認が取れました (笑) 見た目が一緒。 > これで、一安心。
包んできていただいたのが左の写真ですが、中にはサーモン・オニオン・ピクルスのマリネとサニーレタス、サワークリームあたりが入っていました。生地も、クレープではなく、ホットケーキでもなく、という柔らかさと薄さで口当たりがいいです。サーモンとの相性もばっちりで、美味しい〜! 友人と共に大満足ゥ
これを食べる機会を与えてくれてアリョーシャの一言に大感謝です(笑)
■ フレープ 自家焼きライ麦パン ■
次にライ麦パンが来ました。ライ麦パンらしく、しっとりと重く、そしてぱさぱさしていました。私たちは意味もなく「…ロシア的だよね」とこれまた感激(笑)
実際、全体的な料理の量が多かったのでこちらのパンは半分残してしまったのですが、お店の方が持ち帰りように包んでくれました。
■ グリヴィー・ヴ・スミターニェ マッシュルームとホワイトアスパラガスのつぼ焼きクリーム煮 ■
今回の2番目の楽しみだったつぼ焼きが来ました。上のパン(パイ?)部分を割って食べるイメージがあるのですが、こちらはパカッとはずしてくれます。
つぼの大きさが大きすぎず、小さすぎずと可愛いのです。
気になるお味は… 文句なし! ちょっと濃い目のチーズ風味のクリーム(最初は熱々なので注意が必要)を口に入れた瞬間、ふわ〜っ
ときのこの風味が広がるのです。パンを入れて一緒に食べても、これまたいい具合に合いますね〜 美味しかったなぁ。毎日でも食べたいです(笑)
■ ビーフストロガノフ 牛フィレ肉と茸の煮込み、香り豊かなサフランライス添え ■
実は、ここまでの料理で私たちはお腹がいっぱいになっていました(笑)
でも次がメインディッシュ・ビーフストロガノフです。
美味しいのとお腹がいっぱいなのと入り混じりながらもお互い完食。
食べながら、次に来る時は単品で頼み、「メインディッシュ+デザート」か「サイドメニュー数品+デザート」という組合せにしよう、と考えていました(笑) もう、デザートが頼めなかったのが残念で残念で…
■ ロシアンティー バラジャムとグリオットジャムを添えて ■
あとはロシアンティーを飲んで終わりかぁ、と単純に思っていた私は甘かった(笑)お楽しみはここからだったのです。最初に写真右側のトレイだけが来ました。
…?
紅茶の中に入れるジャムをここから選べってことかなぁ、と言いながら紅茶が来るまでスプーンでジャムをすくったりしながら眺めていました。
◎ ここで第一の興奮。
真ん中のジャムは桜んぼ 正確にはブラックチェリーでしたが)が入っていたのです!
―― 普通、カラ兄弟を読んだ方はここで興奮しますよね? (しますよね!)
アリョーシャの大好きな桜んぼのジャムです。そして、これから紅茶が来ます。魚スープはないけれど。これはもう、飲み屋《 都 》 にいる気分でした。第五編プロとコントラ です。
(注:私は決して怪しい人ではありませんので、どうかここで退かないでください、笑)
そして、マトリョーシカ風のポットに入れられて紅茶が来ました。ジャムの内容は (正確な名前は忘れましたが)、イチゴとオレンジ、ブラックチェリー、薔薇の3種類でした (当然ながら、砂糖の存在は私たちは無視してました)。
◎ 第二の興奮。
「 お代わり自由ですので何杯でもどうぞ 」
本当〜?! 親切にも限度ってものがあるのよ! …なんて、大喜びで3杯いただきました。
ジャムはお皿に取って、舐めながら紅茶を飲んでもいいし、紅茶にそのまま入れて飲んでもいいそうなのです。ブラックチェリーのジャムはとても甘いのですが、実を紅茶に入れて柔らかくすると甘さといい、食感といい、丁度良くなりました。