1995年へ。 1997年へ。
-全鑑賞List-:日本映画/外国映画
      1. 27.(Sat)
  − SEVEN − ららぽーとプラザ
    またもブラッド・ピットには魂の救済はなく、 モーガン・フリーマンが静かに見つめ  
  るだけ。 雨のシーンに冷徹な躍動感があり、 殺人現場の室内は無遠慮でドライな肌触り。
  あまりにリアルな脚本、 絵空事ではない、 恐らくこれは95年NYの個人の内面にある
  潜在的で無方向な暴力的現実。その上表現手法はあくまでアート。
1. 28.(Sun) BeRLiN 渋谷SPACE PART3 おだやかな眼差しのカメラ。 モノクローム(現在進行)とカラー(過去)の印象パズル。 あめくみちことダンカン、 この2人の演技が魅力的。 結局、 メッセージはずっと最初の 部分から続いているのが、 最後になってわかった。 「忘れない、 思い出せなくても。」 − 南京的基督 − CINE AMUSE EAST 富田靖子を初めてスクリーンで観た。 アフレコで声が吹替えになっていたのが本当に 残念。 でも演じる金花の他の誰でもないその存在感は貴重だ。 木や帽子の象徴的な演出 による肌理細かさが、 東洋的と感じた。 間接的だが、 現在のエイズ問題を匂わせている。
2. 24.(Sat) − Shall we ダンス ? − ららぽーと東宝 周防演出は、 ミスマッチのマジック。 ヘンなリアリティの感動。 味わい深いキャスト。 役所広司の実直な会社員、 幸せな妻であり母である原日出子は「マディソン郡」の影響が よくわかる。 傍観では終わらない柄本明の探偵。 この着眼点、 そしてこのタイトル。 英国式娯楽喜劇青春中年日本映画初の作品の感動。
2. 25.(Sun) −HOW・TO・MAKE・AN・AMERICAN・QUILT(キルトに綴る愛)− ららぽーとセントラル2 迷ったり混乱したり、 後悔したりひどく打ちのめされたり、 年齢を重ねる毎に深く刻 まれる様々な思いは、 「自分のもの」だからこそ大切である。 強く感じて心に残したもの は結構捨てたもんじゃない。 シーンの中の小さな「もの」に対する愛情が女性ならではの 丁寧な演出。 その小道具に頼らない前向きなメッセージの確かさがある。
3. 22.(Sat) − DEAD MAN − シャンテ・シネ2 ジャームッシュ監督ジョニー・デップ、 体裁はウェスタン。 奇妙な死せる男の意識 は沢山の死を引き連れて歩いてゆく。 滲むモノクロームと沈み込む暗転の美しさは、 生  の一部としてのまどろんだ死を匂わせ、 遠のく意識には祖先が浮かぶ。 やがて次の旅へ  と魂は海に向きあう。
3. 24.(Sun) − DANGEROUS MINDS − 新宿武蔵野館 カリフォルニア版の「はいすくーる落書」にはラップが似合う。 これが実話であるから こそルアン先生役のファイファーは自然で懐の深い演技、 涼しげで軽快だ。 生徒たちは 殆ど演技経験もない中(いやそれ故)実に個性的。 このあっさりしたラストには満足。 − ( ハ ル ) − 新宿文化シネマ3 深津絵里の表情や仕草(ほとんど黙ったまま)があってこその(ほし)。 映画館という 環境で、 あんな風に観客全員がじっと{画面を読む}なんて。 森田芳光監督はこれだけ 実験的に作り込みながらあのセピアモノクロームのラストを用意しているのが凄い。
4. 20.(Sat) − JUMANJI − ららぽーとミラノ I.L.M.の映像技術と格闘し、内面の複雑な役を楽しむロビン・ウィリアムズ。 脚本 よりもまずは娯楽作である点を優先してクールな情熱を注ぎ込む(でも演出力は確か)、 これは95年度最高峰バカ映画(これは褒め言葉)。 素直に共感できる「男の子もの」映画 である。 明快なメッセージ、 特撮の遊びのテンポはさすがルーカス配下技術畑の出身。
4. 28.(Sat) − CASINO − ららぽーとプラザ スコセッシ演出に特殊技術はいらない。 脚本のドラマ性、 モチーフとしての独自性、 そして溢れ出す膨大な情報量の短いカットの集積。 アメリカ映画史101年目の古典、 それでも無冠の監督は異端としての価値ある作風。 これは娯楽作ではない。
5. 2.(Thu) トキワ荘の青春 テアトル新宿 何より、 あの相撲をとるシーンが好きだ。 市川準監督がこだわる東京、 日本の景色。 この脚本の柔らかい切なさは前作「東京兄妹」と共通する。 静かで豊かな情感。 手触りは ある種インディペンデントないつもの風格。 何といっても淡々としたこの作品の地味さ 加減がいとしい。 オープンセット舞台となるアパート「トキワ荘」の風情がたまらない。
5. 6.(Mon) − COPYCAT − 銀座シネパトス2 セブン程ではないが後味は決して良くない脚本。 90年代も後半、 アメリカの現実で あることは間違いない。 ホリー・ハンターとシガニー・ウィーバーのこの大胆で逆説的  な配役は成功である。 ただ、 サスペンスのわかり易さに物足りなさを感じたことは確か。
5. 10.(Sat) Things To Do In Denver When You're Dead(デンバーに死す時) 詩のある死に様こそ男子の本懐。 また志半ばの犬死にもしかり。 最期はボートで乾杯。 品格二の次、 大切なのは勝手な思込み。 パイナップル・アーミーかマスター・キートン の作品世界。 アンディ・ガルシアの気高さに満ちた表情こそが‘聖人’。 − MR. HOLLAND'S Opus(陽のあたる教室) − ららぽーとスカラ リチャード・ドレイファス版フォレスト・ガンプ。 故にアメリカでは特定世代に支持 され興業成績をあげたらしい。 丁寧で深みのある脚本だし監督も確かな演出力だがこの エピソードの量は消化不良気味の印象。 さりげない特殊メイクが自然に見られた。
5. 26.(Sun) HEAT − Let's シネパーク(GREEN SPOT) ヴァル・キルマーが素晴らしい。 マイケル・マン監督独特の無常感溢れる乾いた映像 美。 こだわりの極致のNYロケーション。 闇と欲、 破滅を共有しながら正反対の結論へと 向かう両雄デ・ニーロパチーノ二人の顔が初めて同じフレームに登場するのがラスト の二人を導いた逆説的な光と闇の中。 自らの掟を堅く守り続けた男の詩的な孤高の死が 空港滑走路の人工照明に浮かぶ美しさ。 映像も演技もたっぷり堪能できた作品。
6. 29.(Sat) − TWISTER − ららぽーとスカラ ヤン・デ・ボン監督のこのカメラワークこそ「BLACK RAIN」で撮影監督だったとは納得。 クライトン脚本をスピルバーグが指揮しI.L.Mが効果を担当。 故にこのクレイジーな 娯楽作品、 結構好き。 やっぱりバカ映画。 キャスティングも(勿論演技も)絶妙で見事。
7. 6.(Sat) − 12 MONKEYS − ららぽーとセントラル1 1996年の退廃、 21世紀のパラノイア。時代を投影する鏡となる精神病棟。 夢想 が真実を語る黄色い煙の彼方に見える虚構の現在。 キレたブラッド・ピット、 苦悩する  ブルース・ウィリスの脳、 マデリーン・ストウの母性と混乱する知性。   実験作である「ラ・ジュテ」をベースに伏線たっぷりの複雑な脚本とテリー・ギリアム  監督の至高の映像美術。 サッチモの唄でエンドタイトルロールってのは、 嫌いじゃない。
8. 27.(Tue) − FRIED DRAGON FISH − シネセゾン渋谷 夕景の中のがらんどうの水槽。 そこに至るまでは岩井演出にしてはかなり動きがある 展開。 例によって間を埋めるREMEDIOSの大きめのBGMが役者の台詞に比べて かなり饒舌。 XTC的ねじれポップだが爽やかなオチは王道の直球。 − PiCNiC − シネセゾン渋谷 塀を伝って歩けば見える都会という位置にあるこの精神病棟が想起させてしまうもの、 94年に完成していながら公開されなかったのはよく理解できる。 車道に並べた薔薇の 上に現れる自動車。 聖書が導きピクニックに幕をひく唐突な終末。 − Kids Return − テアトル新宿 疾走するものは形もなく、 思いのやり場もない持て余す若さ。 もがき苦しみ、 やっと できた深呼吸の後の深い傷跡を残すダメージ。 幻想などかけらもみせないリアルな格闘 や暴力の描写、 朝早くの静かな死。 眠りの闇の中で音もなく息をしているような作品。
8. 28.(Wed) − MISSION:IMPOSSIBLE − Let's シネパーク 既に確立された評価のある「スパイ大作戦」、 デ・パルマ演出の職人芸。 そしてここに もILM。 これぞ生身のスタントというトム・クルーズが結構いい。 シリーズ化の話も ありえそうだが、 もう一度デ・パルマがやるだろうか。
8. 31.(Sat) − ACRI − ららぽーと東宝 前作「河童」のクリアでジャストな映像と違って原作の岩井俊二作のようにザラついた  粗い粒子の画。 明快なメッセージ性とマニアックな設定のフィクション、 石井監督独自 のフレーム内の色彩の配置。 真剣で誠実なエンターテイメント。
9. 1.(Sun) − Mary Reilly(ジキル&ハイド) − 新宿ジョイシネマ4 ジョン・マルコビッチの評価は既に確立したものでもあり納得。 ジュリア・ロバーツ の抑えた演技はこれまでになく見応え十分。 暗く沈んだ照明、 閉塞感たっぷりのセット がとてもアメリカ製作のものとは思えない。 根が重たくて暗いが充実した作品。
9. 14.(Sat) Swallowtail Butterfly(スワロウテイル) ららぽーとセントラル 極東のNY円都のリアリズムはブレードランナーを凌ぐ。 アゲハ蝶の切断エピソード は直接に視覚として女性のファルス認識の獲得を示す典型的フロイド解釈。 慶一氏の雑談ネタ(ツアーバンドの件)は余りにマニアックで嬉し過ぎる。 贅沢なキャスティングの混沌の中、 のんびりした青空の下で幕をひく淡泊なラスト・  カットに満足。 あと2時間位延ばしてもっと過激に暴走して円都をたっぷりと描ききっ たものをやりすぎっていうほど観たい。 Charaと小林武史という組合せのYEN TOWN BANDは70年代テイストの骨太ロック。
11. 17.(Sun) 我が人生最悪の時 濱マイクシリーズ第1段。 サイレント時代の日本映画活劇世界を思う存分堪能できた。 モノクローム画が美しく舞台、 人物の背景、 脚本、 配役と林海象監督のサービス精神が たっぷり詰まったエネルギッシュで危険な香りの怪しい娯楽作品。 台湾への視点は海象 監督こその「アジアン・ビート」以降のこだわり。 ハード・ボイルドなモノクロシャシン。 遥かな時代の階段を − 飯田橋ギンレイホール オープニングのカット、 決め台詞など2本続けて観ることで分かるシリーズの面白さ。 永瀬正敏のテンションが凄い。 探偵「濱マイク」の背景に焦点を絞ったストーリー展開だ が遊び心満載で楽しい2作目。 「総天然色」になった日劇2階の事務所が嬉しい。
12. 8.(Sun) GEORGIA 渋谷シネパレス アンダーグラウンドといえば、 やはりヴェルベッツだ。 グランジなんてまだまだ青い。   退廃が生活の糧、 自己破壊が生命の依り所でありながらセイディは鏡の反対側にいる   姉に自身を投影し憧れる。   「TAKE ME BACK」を唄うジェニファー・ジェイソン・リーのソウルに泣けた。 − LEON INTEGRAL VERSION − シネセゾン渋谷 リュック・ベッソン作品を初めて観た。 ジャン・レノの描き方がいい。 結末への急展  開は余りに壮絶なのがアメリカ的で気になるがラストの観葉植物を植え込むシーンには  乾いた切なさがあって落ち着ける。 N.Y.が舞台には見えない街の捉え方と音楽が欧風。
12. 14.(Sat) − KANSAS CITY − 恵比寿ガーデンシネマ1 アルトマン監督のフィルムはどこかノスタルジックで手作りの感触がある。カンザス のジャズの妖しさが人の営みの乾いた側面を投影する様々な起伏を作り出して流れる。 ラストでタイトルバックのツイン・ベースによる演奏は決まっている。 2人の女性を 追いながら語られるシニカルな脚本は生まれ育った土地への郷愁などではない監督自身   の気質を強く感じられる距離感が見える。 HOME FOR THE HOLIDAYS − 恵比寿ガーデンシネマ2 ジョディ・フォスター監督、 ホリー・ハンター主演のホームコメディ。 こんな配役、 考えつかない。 よく練られている脚本で実に楽しい。 ロバート・ダウニーJr、最高。  ただ最後にきちんと収まってしまうのはややできすぎかも。
12. 22.(Sun) − PRIMAL FEAR(真実の行方) − 新宿東映パラス2 人間の不完全さはドラマになる。 アメリカ独特の陪審員制に基づいた法廷劇としての   脚本の緻密さと被告(アーロン・スタンプラー)役のエドワード・ノートンの狂気の表情 が強く印象に残った。 豹変する表情の妖しさ。
12. 23.(Mon) − RESTORATION(恋の闇 愛の光) − シネマスクエアとうきゅう ロバート・ダウニーJrの涙顔は、何だかいい。 特に目立ってしまう鼻の表情。 王政  復古のイギリスが舞台の17世紀歴史もの大河ドラマであるが肩が凝らないと思ったら あの「ソープディッシュ」の監督、 これは納得。 物語にほんの少し華を添えるだけという控えめな登場のメグ・ライアンがいい。

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