2000年へ。 2002年へ。
-全鑑賞List-:日本映画/外国映画
    1. 1.(Mon)
    - PARTY 7 - シネセゾン渋谷
  俳優の醸し出すオフビートな間と仕掛けを無数に散りばめられた漫画的設定の脚本、
 更にデフォルメされたキャラクターの混在する石井克人スタイルは前作で既に御馴染み 
 のもの。過去、ありそうで意外になかった新たなバカ映画(最大級の褒め言葉)。
  1. 7.(Sun) - THIRTEEN DAYS - ユーカリが丘マイカルシネマズ   キューバ危機という史実を徹底調査し、虚飾を極力排した表現で描き出されてるその   中心はあくまで人間ドラマ。厳しく己の良心に殉ずる行動をとることができるか否か。   大統領の側近からの視点という特異な状況として描かれてはいるが、その行動原理の  テーマは普遍的である。
  1. 14.(Sun) - FREQUENCY(オーロラの彼方に) - ユーカリが丘マイカルシネマズ   無線の前で向かい合うデニス・クエイドの熱血漢とジム・カヴィーゼルの静謐という   対比にはリアリティがあり、ファンタジーになるはずの設定を日常的なドラマへと昇華  している。1999年と30年前を同一時間軸の線上で進行させていく編集手法も効果  として大事な要素。
  1. 28.(Sun) - 狗神 -   「金融腐食列島」に続き、原田眞人監督が描く日本人の<呪縛>のテーマは集団心理   による暴力と血縁差別。天海祐希も渡部篤郎もすらりと細く、超然とした雰囲気が深い  森の緑の中で実に映える。紙を漉く動作に対比する筆がなぞる書の官能。 - 弟切草 - ユーカリが丘マイカルシネマズ   映画制作の企画そのものがゲームや小説を発端としたものであるが、デジタルな手法   を幾層にも重ねながらも、描かれた世界観には独特の体温を感じる。実験的な映像では  あっても、これは脚本の勝利であろう。奥菜恵の表情の求心力。
  2. 4.(Sun) - BROTHER - 丸の内ピカデリー2   ハリウッド進出も、日英合作も北野監督の作品として描くスタイルに変わりは無い。  徹底的に暴力を映し出す映像によって際立つ沈黙。日本のヤクザ=マフィアではない、  その意味を思い知る行動原理の表現に滅びの哲学は必要以上に美化されはしない。 - 風花 - シネ・ラ・セット   とても演技とは思えない酔った浅野忠信のダメ振りがなんとも素晴らしい。合わせ鏡   の立場の小泉今日子が漂うような存在感で切ない物語を牽引していく。春の手前の北の  道行き、死を意識しつつ淡々とした会話の終末観の先に、納得の出迎える笑顔がある。
  2. 10.(Sat) - UNBREAKABLE - ユーカリが丘マイカルシネマズ   圧倒的な闇によって映える暁光、しかしその表情は苦渋に満ちた深刻な決意を見せて   いる。シャマラン監督の脚本が描き出そうと試みているのは日常のほんの僅か向こう側  に透視された可能性としてのファンタジー。非現実ではなく、擬似現実と言いたくなる  映像とオリジナルな視点の説得力に魅了され、感服した。
  2. 11.(Sun) - EUREKA - テアトル新宿   3時間37分という常軌を逸した長尺。シネマスコープ独特のフレーム。言葉を交わ   さない兄妹。そして独自に開発されたクロマティックB&Wという色彩感。欠落や沈黙、  空白によって語られる再生。北九州のロケーション。この余りに独創的な表現に触れる  ことができてよかった。これはなんとしても映画館で出会うべき映像体験。
  2. 18.(Sun) - HAMLET - 恵比寿ガーデンシネマ   シェイクスピア劇の翻案としてはバズ・ラーマンによる「ロミオ+ジュリエット」に   近い発想。こうして現代に置き換える試みが続けられるのは、その命題が普遍的な意味  を持っているからなのだろう。特にイーサン・ホークが呟くハムレットの台詞の飾り気  の無いトーンはリアル。 - 式日 - 東京都写真美術館ホール   原作者・藤谷文子の存在が媒体となった映像は庵野秀明監督の脚本によって描かれた   「エヴァンゲリオン」と同一線上の世界観。しかも、より私小説的に展開される。これ  こそが吐き出されるべき必然のテーマであることを自覚していたからこそ、舞台は宇部  であるように思える。フィルムに収まる側の岩井俊二カントクのきまり悪そうな表情も  リアル。
  2. 11.(Sun) - PAY IT FORWARD(ペイ・フォワード[可能の王国]) - ユーカリが丘マイカルシネマズ   世界は闇に溢れ、光は弱く小さい。最後に灯された無数の光の温かみが伝える良心の   連鎖。蝋燭が一度吹き消されても、それに気づき新しく点ける誰かが信じられるなら、  失敗や困難の中を動き出した意味は残るはずだ。
  3. 18.(Sun) - snatch -   怒涛のテンポにこの小ネタの洪水、そして複雑に錯綜していく濃いキャスティングは   前作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」以上。独自のスタイルを  既にパターンとして確立したガイ・リッチー監督のミクスチャー感覚は実に刺激的。 - サトラレ - ユーカリが丘マイカルシネマズ   先天的な形質が集団の中で差別を生む。その特異性:サトラレを描くことは、テーマ   として「トゥルーマン・ショー」にどこか通じる。安藤政信+鈴木京香という配役も、  この架空の状況に現実味を与える確かな演技でそのキャスティングに拘った本広監督の  持ち味。「おばあちゃん子」だった自覚が在る自分にとっては、特に胸に迫る脚本。
  4. 5.(Thu) - CAST AWAY - シネマックス千葉   『フォレスト・ガンプ』以来のゼメキス監督+ハンクス。繰り返される波の音は自然   の鼓動として耳に残る。「ウィルソン」の顔を形作る色褪せた輪郭の由来が魂の在り処  と客体化し転位した自己を想起させる。静謐で淡々とした映像そのものが実に雄弁に語  りかける生き残る意味への問いかけ。
  4. 10.(Tue) - HANNIBAL - ユーカリが丘マイカルシネマズ   この漆黒の陰影に富む室内照明はリドリー・スコット作品の最も特徴的な空間。その   薄明かりの中、レクターとクラリスは互いの存在を補完する。「グラディエイター」の  評価が後押しする切れのいいテンポの冒頭は監督の現在の好調さを裏付けている。
  5. 1.(Tue) - TRAFFIC - ユーカリが丘マイカルシネマズ   宿主である国家の温床に感染を拡大するウィルスのごとき密売麻薬の辿る経路。国境   のフィルターを難なく通過した不定形で輪郭の見えない根深い犯罪組織の末端に隣人。  手持ちカメラの粗く切迫した映像の見事な語り口で描かれた群像劇は、現実的な質量を  感じさせる乾いたタッチ。
  5. 4.(Fri) - ENEMY AT THE GATES(スターリングラード) - ユーカリが丘マイカルシネマズ   希代の狙撃手がライフルを手にするより先に丸腰の兵士は累々たる屍に成り果て瓦礫   の一片に同化する。“スターリン”を冠する戦場で独逸兵と露西亜兵は死の山を築いて  いく。報道によって描かれた虚像は友の死によって葬られ、兵士は市民に戻る。   狙撃手ジュード・ロウエド・ハリスの獲物を狙う眼光の鋭さが印象深い。
  5. 5.(Sat) - Chocolat - ユーカリが丘マイカルシネマズ   移住と定着、戒律と開放、死んだ鳩とカンガルー、寛容・赦しと禁止・排除、賛美歌   とブルース。様々な対立する要素はやがてカカオ豆の薫り高さと苦さを残しながらマヤ  族より伝わる魔法の甘味を加えたチョコレイトへと変えられていく。ハルストレム監督  の穏やかでコミカルな演出には、独特の陶酔感がある。
  6. 9.(Sat) - MALENA -   青少年の暴走する妄想の対象に若き未亡人、マレーナ。戦時下のシチリアの町が集団   の狂気を増幅させ、嫉妬と羨望、情欲の対象に噴出させたのが暴力であったなら、少年  の罪はまだ害のないものと言えるのかもしれない。 - 共同警備区域JSA-JOINT SECURITY AREA - ユーカリが丘マイカルシネマズ   朝鮮半島の分断のその只中で起こり得る事件の齎す悲劇と微かな灯り。最後に映し出   される板門店でのスナップショットが伝える4人の視線が同じ向きであることの切なさ。  斬新で効果的なカメラアングルの緊張感、陰影と深みに富む人物描写、選択の余地なく  沈黙する他ない結末の重み。もう一度、スクリーンで観たい。
  6. 15.(Fri) - ホタル -   生きることと死ぬことの意味を問うのは、戦時下だけではなく、その時代に刻まれた   様々な想い の続く間、どんな状況下でも同じである。ホタルの灯りが残された人々に  伝える切ない軌跡。「アリラン」に目頭が熱くなる。 - MEN OF HONOR(ザ・ダイバー)- ユーカリが丘マイカルシネマズ   黒人差別の逆境を生き抜き栄誉を獲得した実在の海軍マスター・ダイバーの生き様は  アメリカ国家の勇壮を高らかに謳い、家族・隣人を愛し、夢を実現せよと訴える。   反骨のロバート・デ・ニーロに相対する熱血キューバ・グッディングJrも頼もしい。
  6. 23.(Sat) - Stereo Future episode 2002 - テアトル新宿   総天然色のSFその2。風間杜夫、吹越満、谷啓、緒川たまき、ピエール瀧と並ぶ顔   ぶれだけですでに愉しい。やっぱり中野裕之監督は天晴れな日本映画を撮る人なのだと  改めて確認した。実にカラフルな色彩の中、目に優しい緑の濃さが印象に残る。 - 東京マリーゴールド - 銀座シネパトス   東京の日常をこだわりぬいて描く市川準監督がかつて手がけた味噌汁CFの母と娘。  淡々と描かれる心情の重さと移ろいの切なさが沁みる。原作となる林真理子の短篇小説  からどれほどのエッセンスが抽出されているのか、比較してみたくなる。
  7. 1.(Sun) - みんなのいえ -   水彩の温かみのあるスケッチ画によるタイトルロールがほのぼのとして柔らかな印象   の始まりである。三谷監督の脚本世界がフィルムの映像に移し変えられても、どこかに  演劇のステージ的な構図を感じる。組み合わせの発想自体が愉しいキャスティングにも  監督らしいユーモアがある。 - A.I. ARTIFICIAL INTELLIGENCE- ユーカリが丘マイカルシネマズ   「愛」をプログラムとしてインプットすることは可能か。人工知能が現実化している   21世紀の始まりでさえ、この命題に解答はない。キューブリックの描く2001年の  ピノキオを脚本化したスピルバーグの目指す新世紀が絶望のみで語られるはずはない。  「ET」のメッセージは形を変えてここに続いていた。
  7. 29.(Sun) - 千と千尋の神隠し -   ここで描かれるトンネルによって隔てられた空間が非現実なのだとは思えない。日本   固有の人の暮らしと隔離していない残された自然とやはり地続きでこうした神々の世界  がまだあるはずだ。「10歳の頃の自分と出会おう」などと声高にメッセージするのは  その広告によって逆に興味を削がれる。淡々とした中にさすが「もののけ姫以降」とい  う達観がある。スタジオ・ジブリによる新たなスタッフワークの結晶。 - PLANET OF THE APES(猿の惑星)- ユーカリが丘マイカルシネマズ   原作として確固たる世界観を描ききった古典的名作を解釈し直しても、到達できる先   には限界がある。ティム・バートンが自身の遊び心を十全に発揮するには、それは余り  に強大であったように思える。厳しい評価かもしれないが、ワン&オンリーな監督への  期待に対し、及第点。故にラストの諧謔は必要であったのかも。
  8. 12.(Sun) - JURASSIC PARK V -   スピルバーグは製作・総指揮に控え監督はジョー・「ミクロキッズ」・ジョンストン  に交代、ストーリーテリングやメッセージの配分は少なく、恐竜映像の説得力と娯楽性  を最優先にという狙いはこの凝縮された93分で十分。シリーズとしてのリンクも無理が  ない。でももうこれで最後でいい。 - RED SHADOW 赤影 - ユーカリが丘マイカルシネマズ   配役はすっかり中野ファミリーという顔ぶれだが、そこに安藤政信+奥菜恵が加わり   より豪華な印象。ピースなメッセージは前2作同様だが、ハイテンション映像と音楽の  ハマり具合は随一。それにしても、緑の多い美しい色彩と自然音の心地よさがいい。
  9. 25.(Tue) - 那山 那人 那狗(山の郵便配達) -   過酷で厳しいはずの山越え郵便配達の仕事が長い年月の間に父に刻み込み育んできた   深い恵み。大地に依って立つ人の営みのかなしさを見届ける自然は、言葉を残さずとも  父の絆を息子に告げている。 - ウォーターボーイズ -   エネルギーの無駄遣い、これこそが本質である。無様でも後戻りできないこの掛替え   のなさを肯定するすべてが飛沫に乱反射する水中の太陽光である。 - CAPTAIN CORELLI'S MANDOLIN(コレリ大尉のマンドリン) -   ギリシア・イオニア諸島最大のケファロニア島のロケーション撮影に拘ったマッデン   監督の真髄は鮮やかな色彩感と開放的で湿度の低い起伏に富んだ風景、現地エキストラ   による村の営みの他、直視すべき史実も強い説得力で描き出している。 - The Score - ユーカリが丘マイカルシネマズ   デ・ニーロ、ノートン、ブランドという嬉しい顔合わせで金庫破りサスペンスなんて   本当に上手く着地できるのだろうかと考えたのは杞憂であった。王道脚本であるが故に  辿る筋道は至ってシンプル、それが逆に3者3様のキャラクターと演技へのアプローチ  までも披瀝するかのようだ。
  10. 7.(Sun) - リリイ・シュシュのすべて - シネスイッチ銀座   飛翔への願望の大きさほど我が身の丈の痛みは実感できず、電脳ネットの連関の中に   潜み、匿名性を獲得することで初めて感情が言葉を得ることが出来るごとく、10代の  揺らぎすぎる日常は身体性の脆弱と精神性の純粋を「社会」という理不尽な枠組みの中  で思うように制御できずにいる。思春期は、切実な精神の危機である。   岩井俊二監督特有の深くて遠い映像言語が表現する光と影に小林武史の音楽、そして  実在するリリィの声が届ける日本の病んだリアル。観終えて、これほど痛いとは。
  10. 26.(Fri) - TRAINING DAY - ユーカリが丘マイカルシネマズ   犯罪都市の病巣は本来麻薬や暴力を摘発する側の警察にも深く浸透し、という描き方   それ自体は「トラフィック」と共通するテーマ。だがこの作品でデンゼル・ワシントン  が体現するアロンゾの複雑なキャラクター造形の危険な魅力は特筆される。“訓練”の  1日が表情と佇まいを一変させる配属されたばかりの若手を演じるイーサン・ホークも  実に柔軟でタフな印象。シビアである。
  11. 1.(Thu) - 陰陽師 -   原作の小説、マンガ、TVドラマとすでに様々な描かれ方をしたこの作品が映画として   登場。超常的な視覚効果の映像はあくまで装飾、ドラマ部分をじっくり追っていく脚本  の仕上がりに原作者としての監修の意図が明確に示されている。凝った配役にも納得。  特に道尊と晴明が全く立ち振る舞いの異なる殺陣を演じる対比の際立つ場面が熱い。 - GO - ユーカリが丘マイカルシネマズ   行定監督はすでに長編映画これが3作目。疾走感あるエネルギッシュな導入から時間   軸を幾度も往復し、ある種「ベルリン・天使の詩」に通じる結末への着地。映像の編集  テンポの自在な緩急、めいなCo.の効果的な音楽、等身大に解釈したテーマ性、そして  死者の遺したシェイクスピアの引用があまりに切なく、打ち砕くべき現実への闘争決意  表明の揺るぎない強靭さを示す。   丁寧で、細かく神経の行き届いた映像話法は刺激に溢れている。
  11. 4.(Sun) - タ−ン -   静かな誰も人のいない世界で佇む牧瀬里穂の華奢な姿は髪の短さもありどこか中性的   な雰囲気。しかし意思の強そうなその表情は真っ直ぐで背筋をぴんと伸ばし当て所ない  明日を遠く見据える。平山監督の手による原作:北村文学の映像はファンタジー的要素  は最小限にリアルで柔らかな世界を具現化した。出来事の積み重ねが地味であることの  雄弁さが寂びである。 - Sweet NOVEMBER - ユーカリが丘マイカルシネマズ   「ディアボロス」以来となるシャーリーズ・セロン+キアヌ・リーブスの顔合わせ。  オリジナルが存在し、リメイクであることをパンフレットにて始めて知った。等身大で   飾り気のない主演2人の演技は、純粋に惹きつける魅力を内面から醸し出している。  ロマンティックなサウンドトラックも落ち着きがあって心地よく和む。
  11. 6.(Tue) - BLOW -   アメリカ70〜80年代文化を生き抜き、傷ついた実在の麻薬ディーラーの姿を映し出す   ジョニー・デップの切なげな娘を見る眼差し。そこには父を遠ざけ、見失ってきた家族  に気づくまでに要した時間でもあり、引き返すことなどできなくなっている国家の姿も  投影するかのようである。 - ELECTRIC DRAGON 80000V - シネマ・カリテ   「五条霊戦記」が完成する以前に、監督と浅野忠信永瀬正敏のハイテンション映像   世界は既に製作されていた。この妖しい闇と光に過剰な音量で埋め尽くされるノイズや  手書き文字。
  12. 19.(Wed) - SPY GAME - ユーカリが丘マイカルシネマズ   CIA会議室での頭脳戦による緊迫感のある駆け引きを演じるレッドフォードの魅力   と回想シーン中心にブラッド・ピットが向ける眼差しのリアルは、なんと言っても既に  「リバー・ランズ・スルー・イット」で築いた信頼関係が揺るぎない確たるものであっ  たからこそであろう。内面のエネルギー放散を演出するトニー・スコット監督のスタイ  リッシュな映像も雄弁。

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