リストへ戻る。 watching TV :July,2002 次の月のメモへ。
7/3(wed)
私立探偵 濱マイク:第1話 31→1の寓話
今年のかなり早い段階からこの企画実現のニュースを知り、その第1回放映を心待ちにしていた。 TVドラマをあえてフィルムで撮影し、興味の尽きない贅沢な演出陣。これが全くの初回という気がしない、自分にとっては馴染み深い味わいで愉しめた。 記念すべき第1回演出は「独立少年合唱団」の緒方明監督。フィルムのざらついた質感にレトロな雰囲気、そして独特の間が味わい深い。
7/4(thu)
SAMURAI NON FICTION
「SF EPIDODE 1:SAMURAI FICTION」特別盤DVDはこのドキュメント映像と本編の2枚組みパッケージ。 日本映画の継承してきた伝統と真正面から格闘し、新しい地平に踏み出し世界を再構築する大変な労力の産物である。やはり力作。買ってよかった。
7/5(fri)
呼吸 「リリイ・シュシュのすべて」のすべて(DVD版)
特別版DVDを購入。このメイキング映像はすでにWOWOWにて放映されたものとして以前一度観ていた。 本編すらスクリーンで観る前の段階だった。作品自体を2度観に行ったので、改めてこの映像を観ると合唱の時の看板の背景がどうやらBBS:リリホリの青空と一緒だとか思いがけない発見が幾つもあった。
7/7(sun)
Director's eye File No.2 私立探偵 濱マイク番宣
公式サイトに訪れるのが遅かったため、この第1回番宣を見逃してしまった。残念。 ほんの10分の番組だが、次回監督の貴重なインタビューがあって嬉しかった。
7/8(mon)
私立探偵 濱マイク:第2話 歌姫
第1回緒方明監督に続き今回は缶コーヒーBOSSのCFを手がける前田良輔監督。 UAの役柄:お掃除おばちゃん〜憂歌団・木村充揮というつながり、更に咲坂+桃内とくればスネークマン伊武雅刀…こんな小ネタ、愉しすぎる。
7/9(tue)
玩具修理者
始まりから実に作りこんである映像で、独特の幻想世界の描写が秀逸。 現代の画はオレンジの温かみのある灯りの美しさ、そして回想は輪郭の不明確なCG+ソフトフォーカスの得体知れずな雰囲気でやはり美しい。が、最後にドキリ。原作小説がホラーだとは思わなかった。
MAKING OF MIKE 私立探偵 濱マイク
30分のメイキング映像でこれからのTVシリーズ「濱マイク」を紹介。期待十分。かなり贅沢なゲスト陣も楽しみ。
7/10(wed)
石井竜也 Days in ACRI
1996年の監督・第2作はオーストラリアでの製作。雄大で美しいロケーションとほぼ現地スタッフばかりの撮影現場で奮闘する監督の姿。 しかし、その表情は実に楽しげである。青空と澄み渡る海の爽快な色彩感は、心地よい幼い頃の夏の暑さが思い浮かぶ。
7/13(sat)
斉藤和義LIVE TOUR 2002 "35 STONES" 日比谷野音
viewsicにて放映の最近のライブ映像。アルバムリリースも順調な斉藤和義のマイペースな活動のスタンスが和める。 ロック・ミュージックの核心がストレートに伝わる、ゆったりとしたノリの新しめの楽曲中心だった。
7/14(sun)
Director's eye File No.3 私立探偵 濱マイク番宣
次回第3回監督は萩生田宏治氏。映画版マイク第2作「遥かな時代の階段を」の助監督でもあるので、旧知のスタッフ、楽しみである。
あの頃ペニー・レインと
脚本も自身で手がけるキャメロン・クロウ監督のこの作品は自伝的要素も含めて「バニラ・スカイ」より伸び伸び撮っている印象。 '70年代アメリカの若者の姿を煌めくような光の中に投影する。青春の不器用さとは、こんなものである。アメリカのロック音楽が社会の混沌と同調していく。
7/16(tue)
リトル・ダンサー
劇場公開で見逃してしまった。この作品はやはりスクリーンで観ておくべきだった。1984年という時代設定とイギリス炭鉱という舞台設定や、家族の姿、 ふとしたきっかけからバレエの世界へと入っていくビリー少年の活き活きとしたキャラクター、爽快感のある納得のラストなど見所が多かった。
私立探偵 濱マイク:第3話 どこまでも遠くへ
第3回はさすが「遥かな時代の階段を」で助監督を務めた映画マイクを知る萩生田監督らしく、フィルム撮影とアナログな編集へのこだわりが見てとれる。 実に映画的オリジナルなマイク像である。キャラクターが見えにくい役だが、武田真治のどこか浮遊した存在感がハマる。
7/20(sat)
がんばっていきまっしょい
高校ボート部女子の瑞々しい奮闘振りを映画デビュー出演の田中麗奈主演で。 実に爽やかな心地よい余韻。夕景にきらめく水面がとにかく美しい。
赤ちゃん泥棒
コーエン兄弟の'87年作品。現在を比べてつい見てしまうニコラス・ケイジの若々しい姿。 破天荒な展開の面白さと、しみじみ温かいラスト。これは愉しい。
7/21(sun)
Director's eye File No.4 私立探偵 濱マイク番宣
次回第4回監督は行定勲氏。「我が人生最悪の時」「遥かな時代の階段を」と助監督を務め、「GO」で一気にメジャーになったが、 作品への期待はそれ以前も以降も変わらない。待ち遠しい。
美術館の隣りの動物園
近頃馴染みも深くなった韓国映画の中でも、ひっそりとした雰囲気で気になっていた作品。 登場人物が綴るシナリオとキャラクターが多層構造になる脚本が面白い。 「8月のクリスマス」にも出演していたシム・ウナのちょっとユーモラスな演技も良かった。
7/22(mon)
少年たちは花火を横から見たかった
後に劇場公開された「打ち上げ花火」の原型フジTVでのドラマ「if もしも」の製作まで遡り、更に6年が経った現在のロケ地飯岡を訪ねる主演の2人。 脚本のベースに「銀河鉄道の夜」があり「檸檬哀歌」という別の脚本まであったとは。要するにメイキング作品だが、この密度の高さ。
SELF LINER NOTES:元ちとせ「ハイヌミカゼ」
ヒット済みのシングル2曲収録のメジャーデビュー作であるこの作品は、この番組を見る前からすでに愛聴盤。 元ちとせ自身の言葉で語られる製作後の各曲コメントは何より有り難い。
7/23(tue)
愛する
渡部篤郎+酒井美紀という組合せ、更に岸田今日子、宍戸錠と期待したくなるキャスティング。ストレートな題名から純愛物語を勝手にイメージしていたが、
もう少し広く意味深いテーマであった。現代の感覚とのずれを感じる余りに純朴な人物像ではあるが、佳作である。
私立探偵 濱マイク:第4話 サクラサクヒ
期待していた行定監督のマイク。上海−横浜というラインは劇場第1作目と地続きな印象。今回メインの村上淳のハイテンションも素直に心情に訴える。 シンプルだが印象に残るピアノ曲が切なさを緩やかに盛り上げる展開から最も見せ場のシーンで、あの曲が流れるとは……。文句なし傑作である。
7/28(sun)
日本の黒い夏[冤罪]
「愛する」に続き、熊井啓監督作を鑑賞。1994年の松本サリン事件の真相を追った骨太で硬派なメッセージがTVドラマ「ストレートニュース」のよう。 人間ドラマをじっくり正面から描く熊井監督演出は実に端正。
初恋のきた道
ピュアな恋の物語となる過去のシーンをカラーで色彩豊かに、現在をモノクロームで重く沈痛な世界に描き分けた手法が巧み。 印象深い起伏に富んだ村のロケーションの雄大さと厳しさ、古い村社会の価値観からも自由な心の在りよう。いい意味で裏切られた。
7/29(mon)
私立探偵 濱マイク:第5話 花
第5回は『けものがれ、俺らの猿と』の須永秀明監督。とはいえ未見。 台詞を極力排した独特のテンポでシュールなイメージが重なり、なぜか舞台は大阪へ。 やがて登場した窪塚=偽マイク…はあれだけでいいのだろうか。でも白タク星野くん=南原清隆登場でちょっと気分が盛り上がったからいいや。
7/30(tue)
大阪物語
以前一度観ているが、また借りてきてしまった。市川準監督が東京以外の街を撮ること自体珍しい。 沢田研二+田中裕子夫妻の佇まいがなんとも味わい深い。
7/31(wed)
円都
DVD特別版での「スワロウテイル」メイキング映像。過去、単体でビデオリリースされていた。 1996年という日本がその基盤から揺らいでいく世紀末の終末観を雄弁に語ることになった複雑でエネルギッシュな要素。アジアの混沌が見事である。


今月のこの1本。
日本の黒い夏[冤罪]

松本サリン事件という、通常考えればドラマチックとは思えない題材の実際に起こった出来事を製作した、その姿勢にまずは襟を正したくなる。
報道の強大な影響力の恐ろしさ、編集により容易く歪められる真実の姿、無意識な地域集団の「穢れ」の排除など、日本人の根深い精神構造の闇が垣間見える中、
次代を担うべき世代への期待を込めた物語の展開はやはり救いである。
上のメモでも述べたが、TVドラマ「ストレートニュース」が強くメッセージしていた報道の恐さ、現実認識の脆さを訴えかける脚本がもっと評価されてほしい。
メインコンテンツへ戻る。