notes of cinema 01.
ウンタマギルー  
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額に槍を貫かれた男が、美しい磯をよろめく足取りで進んでいく。
「パラダイス・ビュー」に続く、
夢幻のオキナワン・ドリーム・ショーの幕開けである。


notes 01.監督・脚本:高嶺 剛

ウンタマギルー(運玉義留)は、そもそも沖縄芝居でよく取りあげられてきた創作時代劇である。
ギルーは奉公する御殿(大名屋敷)の主人から、百姓はどんなに汗水流して働いても侍には絶対なれない、せいぜい地頭代(村の頭役)
ぐらいが関の山だと言われ、地頭代になるくらいなら、いっそのこと盗賊となり後世に名を残そうと、運玉森に籠って術を磨き、
アンダクェーボージャー(油食小僧)とコンビを組んで義賊として活躍する。

沖縄芝居には、方言台詞劇と琉球歌劇とがあり、明治の頃から
日本演劇から様々な影響を受けながらも沖縄芝居独自の世界を築いてきた。
もちろん、ウンタマギルーもそのひとつである。
今回の映画では、時代設定を沖縄の日本復帰前の1960年代終り頃とした、ウンタマギルーの現代版ということになる。
出演には本土の役者さんに加えて、沖縄芸能の多数の方に出演してもらい、沖縄の匂いを醸し出してもらった。
台詞は思い切って沖縄方言で通し、日本語のサブタイトルがつく。

私は、私の生まれ島で10本の映画を撮るつもりでいる。だからといって、沖縄を対象化したり、
沖縄で映画を撮ることの意味を客観的に知りたいとは思わない。
沖縄そのものを、映画そのものに重ね合わせるようにして、映画でしか味わうことのできないパラダイスへの到達を願うのである。
今でこそ、沖縄は日本の一地方として位置づけられているが、言うまでもなく、
沖縄が陽飲んではなかった時代が確実にあったのだ。
1972年の日本復帰という歴史の替わり目に立ち合った世代の者としては、日本復帰を抜きにしては、
自らの体質としての沖縄を語ることはできないものである。



−STAFF−
脚本・監督: 高嶺 剛
美術: 星埜 恵子
衣裳スタイリスト: 横井 厚人
琉球民謡ディレクター: 照屋 林賢
音楽: 上野 耕路
方言指導: 北村 三郎

-CAST-
ギルー・ウンタマギルー・サンラー(3役):小林 薫
チルー:戸川 純
カマジサー高等弁務官:ジョン・セイルズ
マレー:青山 知可子
アンダクェー:エディ
西原親方:平良 進
ウトゥーバーサン:間 好子
テルリン:照屋 林賢
キジムナー:宮里 栄弘
安里親方:北村 三郎
ギルーの母ンブシー:平良 トミ
島袋警察長官:大宜見 小太郎
キージー:赤嶺 直美
レンキン:グレート宇野
三味線の老人:嘉手苅 林昌
山城家の主人:伊良波 晃