notes of cinema 02.
二十世紀少年読本  
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「その手品を使えば、いつまでもここにいられるんだね」

「そうさ」

「そしたら、二人して空中ブランコをやろうね」

notes 01.林 海象 フットノートより

子供の頃、夜祭りにいった。
桜の咲く季節で、闇に溶け込む夜桜の白さは、子供心にも、耽美や刹那といったものを感じずにはいられない美しさがあった。
その桜の下に見世物小屋が出ていた。
そこに観た「蛇女」や「猿少女」 「瓶詰めの胎児」の看板の泥絵具の匂いを僕は今でも覚えている。

先日、その見世物小屋の話を母にしてみた。
意外な事に、僕は子供の頃、夜祭りに行った事など一度もないという。

「夢見るように眠りたい」という林海象監督の第1作目に当たる劇場用映画作品を観た。
実際には体験したことのない擬似サイレント映画の効果を大胆に模したモノクローム映像に驚き、すっかり虜になった。
劇場用長編第2本目であるこの作品には、後の作品にも受け継がれていく
失われた日本=昭和時代の娯楽活劇の雰囲気を残しつつも
'86ベネチア国際映画祭での評価もあり前作以上に洗練された語り口であり、
また参加キャストをみても製作規模が拡大され、
しっかりとした毛応えを感じる物語が完成した。


−STAFF−
脚本・監督: 林 海象
美術: 木村 威夫
衣裳デザイン: 伊藤 佐智子
美粧結髪監修: 渡辺 サブロオ
音楽: 浦山 秀彦・熊谷 陽子
サーカス指導: 渋谷 賀詮
タイトル: あがた 森魚
-CAST-
仁太:三上 博史
渡:修 健
おもちゃ:佳村 萌
マリア:秋吉 満ちる
鮫島:桂 三枝
君江:鰐淵 晴子
吉本:原田 芳雄
ヒロシ:佐野 史郎
サーカス団 団長:大泉 滉
刺青入道:麿 赤児