notes of cinema 15.
ホタル  
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ハーモニカの調べの郷愁と悲痛な想いを込めた「アリラン」。
新たな世紀を迎えても、遺し伝えるべき傷は確かにある。
「特攻」という狂気が正当化され、
歪んだ民族主義が横行していた時代は、まだ語られる場を求め続けている。
notes 01.田中 裕子   

『ホタル』に参加できたことを
幸せに思います。

この映画を通して、
忘れられない景色がたくさんできました。

支えてくださった皆様に、
与えて頂いた景色だと思っています。

高倉さんがおっしゃる様に、
この映画を観てくださった方が、
何かを感じてくださればそれで全てだと、
私も思います。

notes 02.監督:降旗 康男   
僕は終戦の年に
故郷の長野県・浅間温泉で特攻隊員の方たちと会っているんです。
その時僕は十歳でした。
缶詰やお菓子をごちそうになりながら、いろんな話をしたんですよ。
隊員の人は
“この戦争は、もう負けだ。
だからお前は、決して少年航空兵などに志願しちゃいけない。
大きくなったら、科学者か外交官になれ”
と僕に言いました。
それから半世紀が過ぎた去年の夏。
高倉健さんと企画の坂上順さんと一緒に、
知覧にある『特攻平和記念会館』を訪れたんです。
そこには亡くなった特攻隊員達の遺影が並べられていたんです。
僕はこの中の誰かと子供の頃に出会っている。
そう思ったら、単なる思い出以上の強烈なものを感じました。
それが僕にとって、この映画の始まりでした。

notes 03.高倉 健:インタビュー   

−この作品のキッカケは高倉さんなんですよね。
TV『知ってるつもり!?』で放送された“知覧の母”こと鳥浜トメさんのエピソードを見たことだそうですが

高倉 「最初はあの番組ですね。
それから今回企画で参加している
坂上(順)ちゃん達とお茶を飲んでいる時に、
“やはり世紀が変わる節目の時期に、やらなきゃいけないものがあるんじゃないのか”
という話をしたんです。
“じゃあ、知覧に行ってみますか?”
と皆で『特攻平和記念会館』に行ったんですよ。
でも実際あの会館を見て
“やらない方がいいな”と思いましてね。」

−それは、事実の重みを感じて?
高倉 「重いですね。
僕がやった『八甲田山』にしても『動乱』にしても、
史実に基づいたものというのは、必ず後でしんどくなるんです。
ですから逃げ腰になりました。」




-スタッフ-
監督:降旗 康男
脚本:竹山 洋・降旗 康男
企画:坂上 順・早河 洋・竹岡 哲郎
小説「ホタル」:竹山 洋・著
脚本協力:加藤 阿礼
撮影:木村 大作
音楽:国吉良一

-CAST-
高倉 健


田中 裕子

夏八木 勲

水橋 貴己

小澤 征悦
高杉 瑞穂
今井 淑未
笛木 夕子
小林 綾子
中井 貴一
原田 龍二
石橋 蓮司
奈良岡 朋子
井川 比佐志
小林 稔侍