notes of cinema 19.
ぼのぼの クモモの木のこと  
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notes 01.クマガイコウキ監督インタビュー   
「この話は、いがらしさんと竹書房の辻井さん、プロデューサーの伊藤さん、それに私の4人から始まったんです。
この4人のコンビネーションは、今に至るまで崩れていません。
常時意志の疎通を図ってますから。
やはり皆が、「もう一度作ろう!」と思っていたから、実現できたんでしょうね。
CGのスタッフも含めて、誰か一人欠けても完成しなかっただろうと思います。」

「この作品は60分の映画にしては、曲目がすごく多いんです。
その自覚はあったんですけど、ゴンチチの音楽が聴けるんだからいいじゃないかと。」

「私は今回、「自己完結しない」ってところからスタートしましたね。
つまり、「ぼのぼの」って、いがらしみきおの世界がすでに確立されているものなわけですよ。
それを映画化するにあたって、一方には監督が創り上げた世界もあるってことになってしまうと、ひとつの作品としては完成しない。
ですから、「クモモの木のこと」をプロジェクトとして成功させるために、監督としてのヴィジョンはもちろん持つけれども、絶対
自己完結しねーぞ!するもんか!
と心に決めて(笑)。
自分の中にあるものを表現するだけが創作ではないんですよね。
チームワークを大切にすることであったり、聞く耳を持つということも、映画を作る上での醍醐味なんだろうなと。」

notes 02.原作・監修:いがらしみきおインタビュー  
「『ぼのぼの』の世界をモニター上に作ってみたいな、というのが一番の動機です。
前(の劇場版)はセルアニメでしたから、ぼのぼのを動かすということ、いわゆる二次元の表現を目指すという立場で臨んでいました。
今回は、森・海・空や、向こうに見える山、水平線も含めて、ぼのぼのたちがいる社会を丸ごと実体化してみたかったんです。
CGであれば、実写に近いことができますからね。
実際、実写を撮っているつもりで作っていましたし。
観客がぼのぼのの世界に出かけて行く、という感じが狙いです。
ぼのぼのが通った道を後から歩いていって、草むらから彼らを盗み見るという感覚が欲しかった。
これは個人的な体験になりますが、出来上がったCG映像を初めて見たとき、なんだか旅情が芽生えてしまって……。
ぼのぼのの後ろに見えるあの山に行ってみたいなぁ〜と、まるで実際に山を見たときの気分でした。
その意味では、毛を生やしたのも大成功だったと思っています。
実際にぼのぼのやシマリスくんがいるように見えて、思わず触りたくなってしまう。
それにしても、こんなに毛だらけのキャラクターが勢揃いする作品は初めてでしょうね。
毛並みの話題で盛り上がれる初めての映画だと思います(笑)。」

「最初は45分でいこうかと思っていたくらいです。
どうしてこの時間かというと、最近映画って長いな〜と感じるんですよ。
勝手な言い分かもしれないけど、このシーンいらないんじゃないの?というのがいっぱいあって、最後は寝ちゃうんですね(笑)。
みんな忙しい時代なんだから、2時間弱というのは現実的じゃないんじゃないかと。
ですから、本当なら1時間半の内容のものを1時間に収めるという無謀な挑戦をしてしまいました。」

「ものを作るのに、インスピレーションみたいなものがなきゃだめなんです。
で、今回はまず何を考えたかとと、「クモモの木」の存在なんですね。
この企画を考えていた当初は、癒しブームで、もうそろそろ終わるだろうと思っていたものが、まだ続いている感がある。
で、今流行っている癒しというのは、何かを味わったり聴いたり嗅いだりすることで、辛いことや悲しいことを忘れるでしょ?
だけど「何かを忘れる」ってことでしか癒されることはないのだろうか、という疑問がどこかにあったんです。
何かよかったことを思い出すことで癒される方がポジティヴだなってことを、ちょっと言ってみたかった。
ですから、この作品は、癒しブームに対しての一種のアンチテーゼにもなっています。
劇中でスナドリネコも
「なんでみんな忘れたがるんだろう?俺は思い出したいけどな」
って言ってるようにね、子供がまだしゃべれない段階で、自分の手を認識する段階があるわけじゃないですか。
みんながそうだとは言わないけど、そういうことをわかったときの感動って、必ずあると思います。
例えば30歳、40歳で嫌な目にあって、「なんで生きてるってこんなに辛いんだ」と思ったときに、その感動を思い出せれば十分にやっていけるんじゃないでしょうか。
絶対自殺したりしないし、自分の立っている場所を思い出せる……そういうことに繋がるんじゃないかと思います。」



-STAFF-
原作・監修:いがらしみきお
製作:高橋一平・牧村康正
企画:辻井清・伊藤明博
CG製作:植木英則・松村傑
CGプロデューサー:豊嶋勇作
CGディレクター:毛利陽一
音楽:ゴンチチ(ゴンザレス三上 チチ松村)
挿入歌:「Danny Boy」/詞 クマガイコウキ
プロデューサー:伊藤明博
脚本・絵コンテ:いがらしみきお・クマガイコウキ
監督:クマガイコウキ
CG製作:デジタル・フロンティア
製作協力:アイ・エム・オー
製作:竹書房
-CAST-
ぼのぼの:上村祐翔
シマリスくん:吉田小南美
アライグマくん:山口陽平
ポポくん:小桜エツ子
ポポくんのお父さん:菅原正志
ポポくんのお母さん:島本須美
クズリくん:道平陽子
クズリくんのお父さん:長島雄一
スナドリネコさん:森本レオ
アライグマくんのお父さん:立川談志