notes of cinema 24.
ONE FINE SPRING DAY/春の日は過ぎゆく  
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観終えた余韻が胸に痛い。
成就することの無い恋愛の切なさ。
その喪失感がこれほどリアルに沁みてしまうのは何故なのだろう。
この作品で効果的に聴こえてくる日常の音の中に
そして何気ないふとした動作や表情、無関係だと思える断片の中に
台詞の意味する言葉では語られていない大切な要素が溢れているように思える。
notes 01.ホ・ジノ監督インタビューより
「まわりは映画評論家顔負けのシネフィルばかりだったけれど、ぼくは知識なんか全然なくて。
ただ映画を作ってみるとそのプロセス自体がとても面白くて、ぜひこの仕事を続けたいと思わずにいられなかったです」

「最初は、がらりとスタイルを変えてやろうかとも思いました。
ショット数を増やすとか、キャメラを派手に動かすとか。
でも結局、自分にとってしっくりくるように撮るだけだと考えたんです。ヒットした前作に比べてどうこうということは考えませんでした」

「白へのこだわり?
考えたことはありませんでしたが、確かにお祖母さんの履物も白でしたね。
後半はせりふも少なくなってきますが、そこにもぼくの好みが表れているかもしれません。
私たちの暮らしは一見意味のない言葉のやり取りからなりたっていますから。
あまり説明的な口調は好きではないのです」

notes 02.採録シナリオより
●町の公園
−大木の下に座っている老人から話を聞いているウンス。横にはサンウが機材を抱えて座っている。
ウンス「アリランはいつから?」
老人「20歳のころから」
ウンス「じゃあ何年ぐらい?」
老人「60年になる」
−妻がお茶を持ってきて老人に渡す。
ウンス「ご一緒にアリランを歌われるんですか?」
老人「一緒に歌うなんてとんでもない。昔は、女房となんか歌わなかった。今とは違うんだ」
ウンス「一度も?」
老人「ああ、わしら古い人間は歌わなかったよ」
ウンス「(サンウに)準備できた?(老夫婦に)始めて下さい」
妻の歌「♪白髪よ、来ないでおくれと刺の城を作ってみたが、憎き白髪はいつの間にか忍び寄ってきた」
老人の歌「♪西の山に住む日は、沈みたくして沈むのか。私を捨てて立ち去るあなたは、去りたくして去るのか」
老夫婦「♪(声を合わせて)アリラン、アリラン、アラリヨ、アリラン、いくつもの峠を越えさせておくれ」


−STAFF−
監督:ホ・ジノ
脚本:リュウ・チャンハ、イ・スクヨン、シン・ジュノ、ホ・ジノ
音楽:チョ・ソンウ
◆エンディングテーマ「春の日は過ぎゆく」作詞・歌:yuma(Jaurim)、作曲:松任谷由実、編曲:チョ・ソンウ
-CAST-
サンウ:ユ・ジテ
ウンス:イ・ヨンエ
サンウの祖母:ペク・ソンヒ
サンウの父:パク・イヌァン
サンウの叔母:シン・シネ
音楽評論家:ペク・チョンハク