桜吹雪と男呼唄 ライナーノーツ

桜吹雪と男呼唄


                   
1.男は胸に・・・
一発目の曲としては意外とインパクトが弱い感じがしたのが第一印象。
もちろん悪い意味ではありません。
どっかんどっかん系じゃなくて、ちょっとしんみりするとこのある曲で来たな、と。
しんみりだけじゃなくてじわっと希望がにじむ感じがします。
辛さも明るさもどちらも沁みる感じだよね。
そして「俺達の唄を連れて行けよ」とは、まさに怒髪天の活動の核心。
いつも言っておられる“救うとかおこがましいことは思ってない”姿勢であるからこそ、
「連れて行けよ」という提示になるんだな、と感じました。
そこは厳しさでもあり謙虚さでもあると思います。
「夜が明けたらそれぞれ走る」のもそうだと思う。
もたれあいではない、それぞれの個人が覚悟して自分がやるしかない、
という自覚が強いところが現れていると思う。
怒髪天の活動の核心が丸ごと現れた、象徴的でもある曲かな。
(2006.01.04.)
2.宿六小唄 〜ダメ男に捧ぐ〜
この曲は何度聴いても良いだけではなく、何度も聴きたい曲。
ライブで無かったら物足りないもんね(笑)。
PVの「独り相撲の横綱クラス」には笑いました(笑)。だってドでかいで坂さんが出てくると思いきや、
王子が登場でおかしいなあ、と思ったら横綱が控えていましたからね。大爆笑でした。
しかし負け犬の唄、負け犬と言う言葉に変な意味がついたご時勢にいやだったろうな、と。
あ!!この曲、旭川で兄ィが転がり落ちたんだった(笑)!!!!
「まさに、今日のことも出来ない男で・・・」と兄ィがコメントしていたような記憶が(笑)。
ホームシックスの身軽さが羨ましい今日この頃でしょうか(爆)。
(2006.01.04.)
3.傷跡のバラッド
孤独、荒廃が染みこんでいる世界観。
だからって投げやりではなく、チキショー!!!って思いながら、もがく生き様を描写。
絶望やむなしさを抱えつつもやらねばならぬ生きる責任感と言うか、そうするしかない残酷さ。
でも誰のせいでもなく、みんなそうなんだから、他罰的に責任転嫁することを潔いとしない。
それにしても兄ィほどの人望のある人物でもこの強い孤独感はなんだろう、と思う。
いつもたくさんの人たちに囲まれて、しかも憧れられ、尊敬され、愛されているにもかかわらず、
自分に厳しい人だな〜〜〜、と思う次第です。
もしくは環境に対しても実は厳しく、現状に満足し漫然とすることは無いのだろうと思いました。
そして、この曲の醍醐味、2コーラス直後の楽器隊のかけあい!!!!
坂さんの軽やかなドラミングが素晴らしい。シミさんのベースの切れも素晴らしい。
そして王子のギターのギャーン!!!ってとこが聴くたびに思わず顔が手伝ってしまう程の鳴り。
ギターの音のどこが心の琴線にギャーンと来るかを心得てらっしゃる。
しかし、このシビアな曲で坂さんが面白い顔になっていることがあって、大変です(爆)。
(2006.01.04.)
4.唐獅子牡丹
うぎゃああああ!!!!!!このアレンジ!!!!!!!!!!
もう直感的に身体に火がつきます!!!!!!暴れだします、自然と。
まずシミさんのベースがすばらしくノリが良いっス。こんなん鳴らされた日には踊るしかないっしょ。
この曲の要はシミさんでしょう、間違いなく。
そして「かーらじっしからじっし」のコーラスに悶絶大爆笑。原曲をよく知らないですけど、これはどうなの?
いやあ、アレンジのセンス良すぎますよ。2コーラス後のちゃーんちゃっちゃっちゃららら、の部分がまたすごい。
スカなのに、その任侠ぶりはなんですか(笑)!!!!このあわせ技がしっくりいってる完成度の高さ。
軽快さと重さが同居していて、楽しいだけではないズシッと来るものがありますよ。ドスが効いてる。
呆れてものが言えないほどすばらしいです。
其の後の王子の狂気ギター!!!!!ウギャーアー!!!って聴く方が爆発するよ!!!!
兄ィのチキチッチキ!!!ってスカっぽい合いの手も最高!!!あと要所要所の「ハッ!!」も素晴らしい。
パーカッションのクワァ〜〜〜ンっていうのもまたはまり過ぎ!!!!
またよく読むとすごいカッコイイ歌詞ですね。「六区の風」なんて。
もうすごすぎて唸ってしまった曲です。大喝采ですね。
(2006.01.04.)
5.ロクでナシ
こりゃもうめちゃめちゃ名曲ですね。詞世界も曲調も。
「どっちがロックだ」「ロッケンローな生き様」これは人生の指標ですね。
何事もこのように考えて少しでも潔い生き方をしたいと思います。なかなか出来ない難しいことですが。
ほんと、シンプルに物事の核心ついてますわ。
またこの軽快なノリが楽しい曲ですね〜〜。こんな含蓄のある詞をこの楽しいメロにのせるとは恐るべし。
Aメロの王子のギターの軽快なロッケンローさ、隠し味でございます。
サビ直前の坂さんドラムの軽快なキメドコロ、これも毎度楽しく五感を刺激されております。
そして楽器隊による「ロッケンロー!!!!」シャウト部分が威勢が良くて素晴らしい。
毎回楽しみで楽しみで仕方が無い部分であります。
そして2コーラス直後のギターソロ前の楽器隊。坂さんがものすごい一生懸命叩いてんですよ、ものすごく!!!
お父さん頑張って!!!!って胸を打たれる様であります。CDで聴いていても「頑張って!!」言いたくなります。
そしてその後の王子のスタンダードロッキンロールナンバーなギチャーソロ!!!!小気味良いですね。こういうの大好き。
さ、これからは「どっちがロックだ」「ロッケンローな生き様」を肝に銘じて精進します。
(2006.01.04.)
6.むしけらブンブン
カッコイイ系で来ましたね☆正当に男前な感じの曲でございます。
この詞世界を味わっていると、なんか政治家にムカついてきます。どうせ俺ら市民なんて虫けらと思ってるべ?と。
まあ、虫けらで上等だけどさ、なんかムカつくわ。
あと、この詞世界「蜂の一刺しはアノ娘のセリフ」っていうところに男と女の隔たりを感じます。
男の世界であり、女には立ち入れない世界観のような気がします。
だからなのかこの曲をライブで聴くと、じつは蚊帳の外のような感じがする。入っちゃいけないような。
傍観者的に聴いてしまうことが多い曲ですね。
虫の世界ではメスは女王蜂であり、働き蟻であり、主役な部分であるらしい。
オスの虫って生殖のための使い捨て、交尾の後にメスに喰われることすらある。
虫の世界のオスは理不尽だ、と思う。
ふと、そういう科学的事実を知る人間の男子が自らをオーバーラップさせると、この荒んだ気持ちに通じるのか、と考えた。
虫けらとは、オスの存在価値って何だろう?と疑ってしまう比較対象かもしれない。
しかしですよ、人間のオスはこんな曲が作れるほどすごい存在だと思うし、虫けらのオスだって絶対に必要なんだから。
必要なわりにあまりにも過酷な運命だとは思いますが、虫の場合。生存するのって厳しいよなあ。
そして間奏部分の王子ギターが虫がブンブンと群がっている感じをよく現しています。
(2006.01.04.)
7.フーテン悪ツ
このAメロはなにか懐かしい感じがします。どこかで親しんだような気がするけど、思い出せない。
「星に願いを」のチンピラバージョンのような気がします。
「小さな約束」や「星に」の方がまだ少し夢の分量が多かった。
あれから数年、さらに崖っぷち感が強まり、より現実の厳しさが如実に反映されているのではないか。
年を取れば取るだけ、夢は見れなくなっていくのがじわじわと突きつけられている気持ちになる。
「逃げ道はどんどん狭くなる」と1曲目で提示し、この曲で実際の現状の最終形が示されたのか。
この盤は全般的に、ヤクザモノが荒んだ生活の中でもがいているようなパンクな感じがする。
追っていくと、宿六、傷跡、そして此処までの全曲の流れが非常に良く考え抜かれた配置になっているように感じる。
其の中でこの曲は、美しいギターの旋律、味のあるベースラインにこのやさぐれた詞世界。
このバランスに希望が残されているような気がする。
最後の最後にこの美しい旋律を配置したのは、単にエンディングっぽい曲だからではないはず。
それでも人生は美しいものであってほしいと言う願いではないだろうか。
ことばが絶望的であっても、この音の美しさに夢や希望の部分をこめて締めくくりたかったのだと思う。
コーラス直前のピーンと弾くギターが、脳天に快く突き刺さる。
王子ってギターを知り尽くしてるんだろうなあ、と感心します。
どんなギターでどんな音を出せば、心身に響くのか、そしてその出し方の加減をよく知っているのだろうなあ。
エンディングの芸術的なドラミングも聴き所だと思います。
ニヤけた詩人の浮ついた唄には踊りませんことよ☆
星の無い夜でも、この四人が希望の星だ!!!!
(2006.01.04.)