考古学研究会
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64回総会・研究集会ポスターセッション題目一覧


2018年度の総会・研究集会は終了いたしました。
2019年度の総会・研究集会案内の掲載につきましては、今しばらくお待ちください。

◆P-1 竪穴住居の廃絶と廃屋墓
    ――中村耕作
◆P-2 環状盛土遺構の形成プロセス -栃木市中根八幡遺跡第3次発掘調査の成果-
    ――福永将大・岩永祐貴・新里遥・萱原朋奈 ・中村耕作 ・小林青樹
◆P-3 縄文原体からみる近畿地方縄文時代後期の遺跡間関係 (2017年度修論)
    ――髙野紗奈江
◆P-4 隈・西小田遺跡における受傷痕跡の検討
    ――中川朋美
◆P-5 弥生時代における鳥の文化的役割とその類型
    ――白石哲也
◆P-6 弥生時代における石器埋納の一形態 ―古賀市馬渡・束ヶ浦遺跡出土石器の使用痕分析から―
    ――森 貴教・原田 幹
◆P-7 金山産サヌカイト製打製石庖丁の生産 (2016年度修論)
    ――朝井琢也
◆P-8 飾耳からみた四区袈裟襷文銅鐸の工人集団 (2017年度卒論)
    ――菊池 望
◆P-9 倉敷市楯築墳丘墓の三次元計測
    ――光本 順・四田寛人
◆P-10 特殊器台の調査と検討 ―詳細観察・三次元計測・胎土分析―
    ――中園 聡・太郎良真妃・平川ひろみ・若松花帆・春成秀爾
◆P-11 奈良県斑鳩地域における古墳の調査研究
    ――豊島直博・土屋博史・南 貴匡・泉 眞奈・桑原一徳・田口裕貴
◆P-12 三輪山における考古資料の調査と現状について
    ――小林青樹・金田明大・山本 亮・萱原朋奈・新里遥・岩永祐貴
◆P-13 人骨の歯石の残存デンプン粒からみた 長江下流域新石器時代の植物食
    ――渋谷綾子・孫国平・劉斌・王寧遠・陳傑・宋建・岡崎健治・板橋悠・中村慎一
◆P-14 稲作農耕民の火処の選択要因についての民族誌モデル
    ――小林正史
◆P-15 民族考古学的土器製作の調査から考える
    ――平川ひろみ・中園 聡
◆P-16 考古資料の三次元計測・記録の実践と意義
    ――太郎良真妃・中園 聡
◆P-17 鳥取県中部地震による石造文化財への被害状況確認調査
    ――中原計・髙田健一・李素妍・青木美穂・大石絃樹・岡田憲明・神庭幹尚・杉本泰志・
高木郁弥・高橋臣伍・田中翔・長野正悟・長谷勇佑・古林智・道脇加奈・渡辺朱美
◆P-18 岐阜県高山市でのマコWS実践事例について -ちゃいれじ2年目の挑戦-
    ――鈴木康二・三原大史・土師唯我・金山真樹・小森沙耶香・八田友和
◆P-19 文化遺産教育の現状と課題 -ベトナム・ホイアン市を事例に-
    ――早川和賀子
◆P-20 現代タイ社会における考古学の営み ―遺跡の保存の観点から―(2017年度修論)
    ――白石華子

P-1 竪穴住居の廃絶と廃屋墓

中村耕作

    縄文時代を中心に各地の竪穴住居の床面や覆土から人骨が検出される事例、 葬送を示唆する赤色顔料が検出される事例、葬送に関係する可能性のある倒置土器や石棒などが出土する事例、 何らかの儀礼行為が想定される大/小・赤/黒・有文/無文・女性性 /男性性などの対比的な器物が置かれる事例などを概観し、その普遍性と時期的特性を考える。 竪穴を舞台にそうした行為が順次行われる、儀礼の累積にも注目したい。

P-2 環状盛土遺構の形成プロセス
-栃木市中根八幡遺跡第3次発掘調査の成果-

福永将大・岩永祐貴・新里遥・萱原朋奈 ・中村耕作 ・小林青樹

    2017年夏に実施した栃木市中根八幡遺跡の第3次発掘調査成果ついて報告する。 中根八幡遺跡は、栃木市南部の渡良瀬遊水地に面した台地縁辺部に立地する環状盛土遺構である。 本発表では、盛土部の地表下からローム層直上までの土器型式別の出土割合を算出し、 盛土中の火山灰分析や出土土器の胎土分析の成果を交えながら、 中根八幡遺跡における盛土形成プロセスについて検討・考察を行う。

P-3 縄文原体からみる近畿地方縄文時代後期の遺跡間関係
(2017年度修論)

髙野紗奈江

    本研究は、縄文土器の縄目文様に着目し、 縄文原体の構造・種類・素材の詳細な分析を通じて、 近畿地方縄文時代後期における遺跡間関係を復元することを目的とした。 7つの分析項目を設定し、分析を行った結果、 同一の土器型式分布圏内部には共通性を多くもつ遺跡がある一方、 独自性を強く示す遺跡が存在することを明らかにした。従来の土器研究とは異なり、 縄文原体に着目した新たな分析視角によって、縄文後期の遺跡間関係が具体的に描き出された。

P-4 隈・西小田遺跡における受傷痕跡の検討

中川朋美

    弥生時代になると集団的な争いの証拠の1つとして、 暴力痕跡が確認できる人骨(以下、受傷人骨)がみられるようになる。 とくに福岡県筑紫野市の隈・西小田遺跡では多くの出土人骨・受傷人骨が出土している。 本稿では隈・西小田遺跡の受傷痕跡と人骨に共伴する利器から、受傷時の状況について分析した。

P-5 弥生時代における鳥の文化的役割とその類型

白石哲也

    弥生時代の鳥に関する形象は、鳥形木製品をはじめとして、 土製品及び銅鐸や土器に描かれる原始絵画など多岐にわたる。そ れら鳥の形象が稲作農耕と強い関りがあることは、研究の当初より言及されてきた。 現在までに、その理解に変更があるものとは思われないが、それらの形象や出土状況は異なっており、 個々に違いが認められる。本発表では、これらの違いに着目し、 それらの類型化と弥生文化のなかでの役割について言及を行う。

P-6 弥生時代における石器埋納の一形態
―古賀市馬渡・束ヶ浦遺跡出土石器の使用痕分析から―

森 貴教・原田 幹

    福岡県古賀市馬渡・束ヶ浦遺跡B地区で、弥生時代に属すると考えられる石器計 14点が狭小な範囲から一括で出土している。複数の器種で構成され未成品を含むこと、 使用石材に多様性があることなど、弥生時代の石器研究において重要な資料といえる。 高倍率・低倍率の顕微鏡観察による石器使用痕分析の結果をふまえ、 これらの石器が埋納されるにいたるまでの消費過程を復元する。 そして、こうした石器埋納の意義について考察する。

P-7 金山産サヌカイト製打製石庖丁の生産(2016年度修論)

朝井琢也

    サヌカイトの原産地である坂出市金山北西麓の遺物散布地は、 打製石庖丁の生産に関わるものと考えられている。 金山採集資料と、讃岐平野の遺跡から出土した資料を比較検討した結果、打製石庖丁の素材は、 剝離角が通常の剝片に比べて高くまとまる特徴が明らかになった。 また、石理に半順目で剝離する傾向にある。遺跡内では、調整時の剝片の抽出も可能である。

P-8 飾耳からみた四区袈裟襷文銅鐸の工人集団(2017年度卒論)

菊池 望

    銅鐸は、弥生時代中期から後期に西日本に発達した、ベル状の青銅祭器である。 その形態的特徴はバラエティーに富み、様々な属性から工人集団の製作が想定されてきた。 本発表では、Ⅱ―1式段階からⅢ—2式段階の四区袈裟襷文銅鐸を対象とし、飾耳を分類し、 その変遷を分析する。これらにより、銅鐸群に対応した飾耳の消長関係を明らかにすると共に、 各段階の特徴や銅鐸群内での相違など、再検討を要する点を提示する。

P-9 倉敷市楯築墳丘墓の三次元計測

光本 順・四田寛人

    倉敷市楯築墳丘墓を対象とする遺跡の三次元計測を、 SfM多視点写真測量ならびにFARO社製レーザー・スキャナ、 Focus3Dを用いたレーザー計測の2種類の方法で2017年度に実施した。 本発表では2つの方法の計測精度比較を行いつつ、 楯築墳丘墓の墳丘・立石等の形状について検討・報告する。

P-10 特殊器台の調査と検討 ―詳細観察・三次元計測・胎土分析―

中園 聡・太郎良真妃・平川ひろみ・若松花帆・春成秀爾

    特殊器台・特殊器台形埴輪について、 編年、製作技法、生産-消費システムの復元などの課題に加え、 製作者の身体技法や個人識別などの観点を含む調査を実施してきた。 この一連の調査は、実験・民族考古学的知見を含む詳細観察、 写真解析によるSfM-MVSやレーザーによる三次元計測, 蛍光X線分析を主とする胎土分析などの諸手法の統合に方法上の特徴がある。 本発表では具体的な事例を提示しつつ、特殊器台の実像に迫るための議論をしたい。

P-11 奈良県斑鳩地域における古墳の調査研究

豊島直博・土屋博史・南 貴匡・泉 眞奈・桑原一徳・田口裕貴

    奈良大学文学部文化財学科は、 斑鳩町教育委員会と共同で斑鳩における古墳の調査を行っている。これまで、斑鳩大塚古墳の発掘調査、 甲塚古墳の発掘調査を行い、古墳の規模と構造を解明した。また、寺山古墳群、戸垣山古墳の測量調査を行い、 墳形や規模などの基礎的データを蓄積してきた。
    斑鳩では、後期後半の藤ノ木古墳が傑出した存在で、 出現に至る経緯が不明瞭であった。一連の調査で斑鳩における首長系譜がある程度判明し、 古墳時代から古代への転換が復元されつつある。本発表では、調査成果を紹介しつつ、 古墳時代から古代への転換形態について考察したい。

P-12 三輪山における考古資料の調査と現状について

小林青樹・金田明大・山本 亮・萱原朋奈・新里遥・岩永祐貴

    これまで桜井市の三輪山に関する研究は、 考古学や古代史の研究から古墳時代や古代の祭祀を中心に議論されてきた。しかし、 具体的な考古資料に基づく三輪山の研究は、極めて限られている。そうしたなか、 三輪山で採集された多数の考古資料を調査する機会を得て、 縄文時代から近世にまでにわたる資料が存在する事実を知るに至った。 今回は、現在行っている調査の現状と今後の課題について検討する。

P-13 人骨の歯石の残存デンプン粒からみた長江下流域新石器時代の植物食

渋谷綾子・孫国平・劉斌・王寧遠・陳傑・宋建・岡崎健治・板橋悠・中村慎一

    本研究は、長江流域の新石器時代遺跡から出土した人骨を対象とし、 歯に付着した歯石からデンプン粒の検出を試み、植物を特定することで食性の追跡を進めている。 今回は、田螺山遺跡(7000-5500 calBP)、広富林遺跡(4200-3900 cal BP)、 良渚遺跡群(5300-4300 calBP)の分析結果を報告する。さらにデンプン粒の検出結果から、 当該地域の植物食の復元にどこまで迫れるのかを検討する。

P-14 稲作農耕民の火処の選択要因についての民族誌モデル

小林正史

    火処の選択要因についての従来の説明では、 「東日本は囲炉裏(居間の暖房)、西日本は竈」、 「北方地域では暖房と照明が重要なので鍋を吊るす(調理に応じて火力を調整しない)のに対し、 暖房・照明の必要性が低い南方地域では鍋を置く(調理に応じて火力を調整)」(宮崎玲子1988) というように、「暖房の重要性」が重視されてきた。一方、稲作農耕民の火処の文化間比較の結果、 「煙道付き竈は長時間加熱(ウルチ米蒸し)と関連」、「煙道なし竈は、側面加熱蒸らしを欠く炊飯、 「蒸し+茹で」による米調理、炒める調理と結びつく」、 「三石炉は、短時間蒸し調理(モチ米蒸し)や側面加熱蒸らしと結びつく」というように、 調理方法(特に米)と結びつくことが明らかとなった。

P-15 民族考古学的土器製作の調査から考える

平川ひろみ・中園 聡

    民族考古学的調査は、土器の理解に重要な手がかりを与え、 考え方の枠組みに気付きを得る機会となる。ここではタイを中心とした土器製作の諸情報から考察を深める。 例えば同一スタイルの土器の口縁部で異質な製作技法が同一村内に併存し、製作者の個人差に対応するが、 出土資料の場合、時期・地域・集団などと対応するカテゴリーと先験的に見なされることも多い。 我々は考古資料から何を復元してきた/しているのだろうか、そしてそれは適切だろうか?

P-16 考古資料の三次元計測・記録の実践と意義

太郎良真妃・中園 聡

    考古資料の三次元計測・記録とその研究・普及への活用は、 研究においても社会的資源としても重要な役割を果たすと考えられる。 これまで十年ほどに及ぶ我々の取り組みでは、遺物は土器片・石器など 「ありふれた」多数の基礎的資料から「貴重」とされるものに及んでおり、 遺跡・遺構・土層などについても、同様に様々なデータを蓄積しつつある。 新資料を含む実践例を紹介するとともに、記録法の多様化が何をもたらすかをより深く議論するものである。

P-17 鳥取県中部地震による石造文化財への被害状況確認調査

中原計・髙田健一・李素妍・青木美穂・大石絃樹・岡田憲明・神庭幹尚・杉本泰志・
高木郁弥・高橋臣伍・田中翔・長野正悟・長谷勇佑・古林智・道脇加奈・渡辺朱美

    鳥取大学考古学研究室と保存科学研究室では、 実習科目「地域調査実習」において、 2016年10月21日に発生した鳥取県中部地震による石造文化財への被害状況確認調査を行っている。 本発表では、2017年4月から11月までの期間、倉吉市域を中心とした鳥取県中部地域において、 主に狛犬と横穴式石室を対象に行った調査成果について報告を行う。

P-18 岐阜県高山市でのマコWS実践事例について
-ちゃいれじ2年目の挑戦-

鈴木康二・三原大史・土師唯我・金山真樹・小森沙耶香・八田友和

    「ちゃいれじ」は、 歴史系のワークショップを通じてこどもの「知りたい」を応援する団体です。 2017年度は子どもゆめ基金の助成金を受けて、岐阜県高山市の飛騨高山まちの博物館で 「マコワークショップ」を実施しました。 その目的は、マコワークショップの実施事例がない地域で考古学の認知を広めると共に、 「ちゃいれじ」が目指すこどもの居場所づくりを手助けすることにありました。 今回はその成果と課題について報告します。

P-19 文化遺産教育の現状と課題-ベトナム・ホイアン市を事例に-

早川和賀子

    本発表では、ベトナム中部に位置し世界遺産の町であるホイアン市における、 文化遺産教育の現状と課題について報告する。当地では、近年、文化遺産教育に関連する諸活動が実施されている。 報告者は、ホイアン市の小中学校教員を対象に、学校での教育状況把握と博物館が実施する諸活動への意見収集のために、 アンケート調査を実施した。その結果、文化遺産教育への教員側の高い関心と、非常に多様なニーズがみられた。

P-20 現代タイ社会における考古学の営み―遺跡の保存の観点から―
(2017年度修論)

白石華子

    遺跡の保存をめぐる問題は世界的に多様化・複雑化し、 破壊の脅威に対抗しうる論理の構築や実践は喫緊の課題となっている。 そのアプローチの一つとして発表者は、遺跡の保存に対して一定の役割を果たす「考古学」に注目している。 本発表では、考古学研究や遺跡の保存に対する国家のイデオロギーの影響力の大きさをしばしば指摘されるタイを事例として、 考古学の営みの実態や背景を探る。