問題ナンバー 5の答え       ★電子探偵団の会話をどうぞ……★
「作家なんじゃないかな。」
といったのはダイだ。すぐさま、全員の反撃をあびた。
「なんで?」

「どうしてさ?」
「血液型があってないじゃん。」
「だからさ、牡羊ABってかくつもりだったんだけど、Aまで書いたところで力つきちゃったとか。」
「ふーん、名推理だねえ。」
 飛鳥が皮肉たっぷりにいった。
「すると星占い師は、力つきて死んだあと、また息をふきかえして、乙女ABって書いたわけね。」
 このあたりで、こんな疑問をもった読者もいるかもしれない。
 〈マコトたちは[]"7(゜▽゜*)をあわせていないはずなのに、だれがなにをしゃべったかわかるのか?〉
 かんたんなことだ。じっさいの画面には、こんなふうに文字がでるのだ。
 ダイ***作家なんじゃないかなあ
 飛鳥***ふーん、名推理だねえ
 うまり発言する時は、まず自分の名前を打ちこむというわけだ。
「あ、それもそうだなあ」
 ふつうならそれでだまりこんでしまうところだが、ダイはめげるふうもなくつづけた。
「じゃ、作家と医者の共犯っていうのは?」
「ちょっと待てよ、ダイ。それじゃ、また血液型があってないじゃないか。」
 飛鳥が追及する。
「わかってるよ。」
 ダイがきっぱりといった。
「それには理由があるんだ。」
「どんな理由?」
 つぎに画面にうかんだことばを見て、マコトも飛鳥もみずきも、あいた口がふさがらなくなった。
「星占い師がカンちがいしたんだよ。」
 だめだ、こりゃ。ぜんぜん話になんないや。ワープロのまえで、マコトは肩をすくめた。が、そういうマコトにしても、いい考えはうかんでこない。
 いや、ちょっと待てよ、とマコトは思った。もしかしてこのメッセージ、星座と血液型じゃなくて、もっとべつのものをしめしているのではないんだろうか……。
「それでは諸君、ぼくのの推理をきいてくれたまえ。」
 こういういいかたをするのは飛鳥にきまっている。
「犯人はズバリ、弁護士さ。」
 自信たっぷりの、飛鳥の説明がはじまった。
「牡羊座は四月の星座、乙女座は九月の星座っていうのは知ってるね。とすると、『牡羊 A 乙女 AB』は『4 A 9 AB』と書きかえることができる。ここで、『9 AB』から『4 A』を引いてみる。と、『5 B』になるね。五月の星座は牡牛座だから、さっきのぎゃくで、『5 B』は『牡牛 B』。これが星占い師がつたえたかったメッセージだったんだよ。牡牛座・Bはだれだったっけ?」
 弁護士だった。
 なるほど。マコトはうなった。論理的にも、それならすじがとおっている。今回の推理合戦は、残念ながら飛鳥にしてやられたようだぞ……。
「意義あ〜り!」
 ずっとだまっていたみずきが、とつぜん発言した。
「おもしろい推理だと思うけど、ちょっとこじつけだよっ。」
「こじつけ?どこがさ?」
 飛鳥がくってかかった。自信の推理をけなされてカリカリきてるようすが、文字からもなんとなくわかる。
「だってさ、『引く』ってそもそもどこから出てきたわけ?」
 そういえばそうだ。マコトは大きくうなずいた。よく考えてみれば、引く理由なんかどこにもない。さあ、飛鳥はなんと答えるか。
 返事はなかった。「論理的にすじがとおった推理」は、じつはこじつけだったようだ。かわりに、ダイが口をはさんできた。
「正解じゃないんだ、いまの。じゃ、みずき姫には犯人わかってるの?」
「うん、だいたいね。そのまえに、まだなんにもいってないマコトく〜ん。なんかないの〜。」
 みずきはいきなり、マコトに話をふってきた。ここでだまっていては、電子探偵団員失格だ。こまった。くるしまぎれにマコトは、さっきふとうかんだアイデアを打ちこんだ。このメッセージは、星座・血液型ではない、まったくべつのものをしめしてるという推理だ。そのあとがつづかないのが、よわいところなのだが……。
 ん、待てよ。
 キーボードを打っているとちゅうで、マコトの頭にふいにひらめいたことがあった。
「あ、そうか!」
 マコトはがぜんやる気になって、キーボードをたたいた。
星座の和は十二だったよね。血液型は四.そうすると二つくみあわせれば、ぜんぶで四十八になるじゃない。四十八っていったら、なにか思いうかぶことはないか?
 数秒のあいだをおいて、ダイと飛鳥のことばがつづけざまにかえってきた。
「わかった、いろはだねっ。」
「いろはは四十八文字かあ。」
「パチパチパチ」
 みずきが文字ではくしゅを送ってきた。
「みんな、やるじゃない。さすが探偵団員だけのことはあるねっ。あとはあたしにまかせて。すこし時間かかるけど。」
 場面にすこしずつすこしずつ、こんな表がうかんできた。みずきががんばって、打ちこんできたのだ。

星占い師殺人事件・解読表

      A   B  O  AB
牡羊座  い  わ  ゐ  さ
牡牛座  ろ  か  の  き
双子座  は  よ  お  ゆ
座  に  た  く  め
獅子座  ほ  れ  や  み
乙女座  へ  そ  ま  し
天秤座  と  つ  け  ゑ
座  ち  ね  ふ  ひ
射手座  り  な  こ  も
山羊座  ぬ  ら  え  せ
水瓶座  る  む  て  す
座  を  う  あ  ん

「あとはこの表で、牡羊 Aと乙女 ABにあたる文字を順番に読んでいけばいいわけ。」
「えーと、てことは。」
 ダイがみんなを代表して、
「い・し。いし?あ、そうか、医師だね。」
「そ。つまり犯人は医者だったの。」
「みずき、みごとだ。もっと頭をなやますかと思っていたがね。」
 ネロのことばが画面にあらわれた。