パスワードのおくりもの―パソコン通信探偵団事件ノート2―
〈電子捜査会議・オフでの問題〉
1 屋根の上の天使
★まどか・普段あった意味不明な事件★
問題ナンバー13
『「きょうはわたしの曜日。いいことがありますようにって、守護天使さんにお願いしなくっちゃ。」
いいこと、というのがどんなことかは決まっていた。今夜の「電子捜査会議」の推理合戦でいちばんになること。ここのところずっと、マコトとみずきに負けっぱなしなんだもの。これじゃ、「電子探偵団」から除名されちゃいそう。今夜こそ、まっ先に答えを出して、みんなにまいった、といわせるんだ。
れんが色のマンションの前で、坂道は左に大きくカーブしていた。まどかは足を速めて、マンションをとおりこす。低い生垣の向こうに、クリーム色の外壁の「天使の館」が見えてきた。
「いる、いる。」
玄関の屋根を見あげて、まどかはニッコリした。いつものように、そこには七人の陶器の天使たちがならんでいる。めっきり寒くなったけど、みんな、きょうも元気いっぱいみたいじゃない。
あれ?
まどかは゜をこすった。七人のまん中にいる水曜日の守護天使・ラファエルのつばさだけが、金色になっていたのだ。
どうしてえ?きのうまではみんなと同じ、白いつばさだったのに……。
ううん、そうじゃない。まどかは首をふった。ラファエルは服のすそのところが、ほんのちょっぴり欠けていた。いま目の前にいるのも、おんなじところにおんなじキズがある。やっぱり、つばさの色だけがかわったんだ。
なぜ?
不思議の国にまよいこんだような気持ちになって、まどかはいつまでも天使達を見つめるばかりだった。
ダイ「そんなにふじぎなことかなぁ。その洋館の持ち主がちょっと」