質問「医療法人の同族理事は使用人兼務役員になれるか?」

ご質問は医療法人である医院から頂きました。内容は理事長の奥様(医師)が理事になっているが、奥様に賞与(使用人分)を支給しようとしたところ顧問税理士より同族関係者である理事は使用人兼務役員にはなれないので賞与は損金扱いにならないと言われたが本当ですか?というものでした。

結論を先に申し上げると、医療法人ですので理事長と同族関係にある奥様でも使用人兼務役員になり得ます。
法人税法施行令第71条は使用人兼務役員とされない役員について下記のように規定しています。

第七十一条
法第三十四条第五項 (使用人としての職務を有する役員の意義)に規定する政令で定める役員は、次に掲げる役員とする。
一 代表取締役、代表執行役、代表理事及び清算人
二 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
三 合名会社、合資会社及び合同会社の業務を執行する社員
四 取締役(委員会設置会社の取締役に限る。)、会計参与及び監査役並びに監事
五 前各号に掲げるもののほか、同族会社の役員のうち次に掲げる要件のすべてを満たしている者

問題は五の「同族会社の役員のうち次に掲げる要件のすべてを満たしている者」です。
一般法人の同族関係者の場合、奥様であればほぼ間違いなく五の規定にひっかかり使用人兼務役員になれませんが、医療法人は民法に基づいて設立された法人であり、医療法において剰余金の配当が禁止されているなど、商法に基づき設立された営利法人とは異なるので、医療法人は同族会社には該当しません。
したがって、医療法人には五の規定は適用されず、上記一から四に該当するかどうかで使用人兼務役員の判定をしますので、代表権を有しない理事で、副理事長とか常務理事でなければ使用人兼務役員に該当し、使用人部分について賞与の支給が可能です。

なお平成18年度税制改正で、税務署に事前確定届出給与に関する届出をすれば役員賞与も損金として認められることになりましたので、使用人兼務役員に該当しない役員でも賞与の支給が可能になりました。

(公開日 平成19年4月23日)