Return to監督別邦画備忘録Top pageHOME PAGE
二川文太郎
雄呂血 おろち
監督 二川文太郎
公開年 1925年
評点[A’]
感想  阪妻こと阪東妻三郎主演の『雄呂血』を観た。二川文太郎監督で大正十四年(1925)年の作品。クラシック!もちろん無声映画。

 若侍の久利富平三郎は、その純真さゆえに人に陥れられ、主家を石もて追われた。素浪人となった彼は流れついた先でも誤解ゆえに牢に入れられ、いつしか無頼漢(ならずもの)として街の人々に恐れられる存在となる。平三郎は、それが寂しい。街の名士の正体を知り、またまた捕り方役人に囲まれた彼は、ついに怒りを爆発させ…。

 サイレントなので、構成は比較的単純だが、最後の平三郎狂乱が凄い迫力。動きが速いのはフィルムのコマ数が少ないためとはいえ、さすが阪妻だ。捕り手の動きは様式的ではあるが、十手持ちが姿勢を低くしているところは今の時代劇よりリアル。(2000/08/20)

砂繪呪縛(砂絵呪縛) すなえしばり
監督 金森万象・二川文太郎
公開年 1927年
評点[C]
感想  今日は、月形龍之介主演の『砂絵呪縛』を観た。監督は金森万象と二川文太郎で、昭和二年(1927)の作品。

 時は五代将軍綱吉の頃。権勢を振るう柳沢吉保は柳影組なる一団を操っていた。それに対抗する人々は天目党を組織し、副首領の勝浦孫之丞(月形龍之介)が中心となって戦っていた。あるとき、柳影組は黒阿弥(尾上松緑)に贋金を作らせようとし、それを察知した天目党が黒阿弥を誘拐したことから事件が始まった……。

 土師清二の新聞連載小説の映画化。現在ではすっかり忘れられている原作者だが(私も知らなかった)、この作品は人気だったらしい。脚色はサイレント時代の名脚本家・山上伊太郎。
 昔の時代小説らしく剣と恋の要素を併せ持ち、いくつものプロットから成り立っているが、映画になるとちょっとスッキリしないところがある。また、キャラクターが単純に善悪二分されていて、今の目で観てしまうと実にステロタイプ的で人物描写が浅く、主人公の魅力も薄い。サイレントなのがハンデなのかもしれないが、字幕や活弁で人物の性格を説明してしまうのではなく、行動を以ってキャラの人格を示してもらわないと……。
 この作品、現在あるプリントは第一篇と第二篇を合わせたもので、完結篇は現存していないらしい。尻切れトンボになってしまっているのが残念。(2005/11/10)

二川文太郎
掲示板 Return to監督別邦画備忘録Top pageHOME PAGE