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五所平之助
マダムと女房 まだむとにょうぼう
監督 五所平之助
公開年 1931年
評点[C]
感想  今日は五所平之助監督の『マダムと女房』を観た。昭和六年(1931)の作品。

 郊外の借家に引っ越してきた劇作家の芝野新作(渡辺篤)。締め切り間近の脚本を書こうとするが、子供は夜鳴きするわ隣の文化住宅から流れてくるバンド演奏の音楽がうるさいわで、なかなか進まない。芝野は隣に苦情を言いに行ったけれども、そこのマダム(伊達里子)にたちまち篭絡されてしまう。それを知って彼の妻(田中絹代)は嫉妬する。

 日本の本格的トーキー作品第一号。それまでもトーキーと称する作品はあったが、サイレント部分が中心で一部のみトーキーであるパート・トーキーだった。
 内容は特筆すべきところの無いナンセンスコメディで、後半は音楽を聞かせることが中心になりテンポが落ちる。また、上映時間も一時間足らずなので、プログラムピクチャーという感じ。出演者の発声も、まだ慣れてない雰囲気。しかし、当時とすれば音が出るだけでも凄いと感じられるだろうし、当時のアイドル田中絹代の肉声を聞けるだけでも、観客は感動したのだろう。
 ただし、資料的価値はあるだろうし、トーキー第一作としては完成度はまずまず高いと思う(既に洋画はトーキー化してしていたにしても)。(2001/09/28)

花嫁の寝言 はなよめのねごと
監督 五所平之助
公開年 1933年
評点[A’]
感想  今日は、田中絹代主演の『花嫁の寝言』を観た。監督は五所平之助で、昭和八年(1933)の作品。

 会社員の小村(小林十九二)は、自分だけ卒業・就職し、なおかつ可愛い奥さん(田中絹代)と結婚までしたため、大学に留年した同級生(江川宇礼雄・大山健二・谷麗光)たちに酷くからまれる。その上、新妻が面白い寝言を言うというので、悪友どもは家にまで押しかけてきて……。

 一時間弱の小品だが、その間中、ずっとコントみたいな会話のやり取りが続く……というか、登場人物どうしが部屋の中でしゃべっているだけの作品(笑)。
 ストーリーらしいストーリーは無いし、他愛ないといえばその通りだが、出演者の演技は皆巧みで所々笑いを漏らしたくなる部分もあり、楽しめる作品。田中絹代もまだ若くてかわいいし、それ以上に小林十九二の“芸”にビックリ。また、和風の小村家と和服の新妻と、ハイカラ趣味の学生たちのアパートとの対比も、今の目で観ると面白い。(2004/03/12)

人生のお荷物 じんせいのおにもつ
監督 五所平之助
公開年 1935年
評点[B]
感想  今日は、五所平之助監督の『人生のお荷物』を観た。昭和十年(1935)の作品。

 初老の福島省三(斎藤達雄)とその妻たま子(吉川満子)は、長女の高子(坪内美子)と次女の逸子(田中絹代)に続いて三女の町子(水島光代)を嫁にやり、ようやく一安心していた。だが、ほっとしたのもつかの間、末っ子の寛一(葉山正雄)がまだ9歳であるのを思い出す。それから一家に小さなさざなみが立つ。

 戦前の松竹蒲田風の小市民コメディの典型といった感じの作品。田中絹代も若く演技もまだ若い感じ。主人公夫婦を演じた斎藤達雄と吉川満子が上手い。特に斎藤達雄は、小津安二郎の『生れてはみたけれど』でも演じた哀愁漂う父親像を好演。小品ではあるが、小佳作と言えるかも。
 ただ、三女の夫を佐分利信が演じているのに全然出てこなかった。軍人という設定なので、戦後の再公開時にカットされてしまったらしい(GHQによるものか松竹が自主的におこなったのかは不明)。残念。(2001/10/05)

五所平之助
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