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チリンの鈴 ちりんのすず
監督 波多正美
公開年 1978年
評点[A]
感想  今日は、やなせたかし原作のアニメ映画『チリンの鈴』を観た。監督(演出)は波多正美で、昭和五十三年(1978)の作品。

 綺麗な音のする鈴をつけている子羊チリン(声:松島みのり)は狼のウォー(声:加藤精三)に母(声:中西妙子)を殺され、弱く哀れな羊は嫌だとウォーのもとで修行し、強くたくましくなった。しかし、彼(声:神谷明)が得たものは何だったのか。

 言わずと知れた『アンパンマン』の原作者やなせたかしの絵本を基にした作品。やなせたかしは『アンパンマン』が圧倒的に有名だが、それ以前に元々絵本作家として一家を築いていた人らしい。
 教育アニメ的な寓話性の強いストーリーであるが、のどかで平和な世界の序盤とそれが急転する中盤以降の雰囲気、絵本的なソフトな絵柄と色使いの羊たちと牧場に対して凶悪な狼と彼が住む岩山と、いくつかの対比表現を用いた効果的な演出のため飲み込みやすくなっており、嫌味を感じない。チリンが変貌していく過程の表現も面白く、声優たちの演技も良い。
 50分に満たない短編だが、大人が観ても心に残るものがあるアニメの佳作だと思う。

 この作品、噂には聞いてはいたが一度ビデオ化されたものの廃盤になっていて、現在DVDにもなっていないので今まで観られる機会がなかったのだが、NHK BSで放映されて観られたのは幸いだった。(2005/12/31)

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