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本多猪四郎
上役・下役・ご同役 うわやくしたやくごどうやく
監督 本多猪四郎
公開年 1959年
評点[B]
感想  今日は、本多猪四郎監督の『上役・下役・ご同役』を観た。昭和三十四年(1959)の作品。

 桜レーヨンに長く勤める平山課長(加東大介)は真面目一徹の堅物。周りの人間は頼もしく思うと同時に少々煙たくも感じている。妻を亡くして三人の子を男手一つで育ててきた彼のもとに、上役の知人の池貝三千代(草笛光子)との再婚話が持ち込まれるが。

 『大番』シリーズ以外ではちょっと珍しい加東大介の主演作。サラリーマンものだが、同時代の『社長』シリーズのようなコメディではない(原作:大和勇三/脚本:沢村勉)。
 小津安二郎の『早春』のようなまだ戦争の影響から完全に立ち直っておらず庶民に何か喪失感が残っていた時代から脱し、日本が高度成長に向かいかけていた頃、しかも当時は花形だった繊維産業の会社が舞台であり、加えて流行の“太陽族”に対するアンチテーゼの意味あいもあるのか、主人公も内容もとにかく真面目。
 演出も生真面目一本のような感じがして、もう少しユーモアや変化が欲しいような気がした。“ちょっといい話”の連発で加東大介の魅力が充分には出ていないような。1時間半に満たない上映時間の中で豊富なエピソードを混乱せず巧みに展開していることに関しては、演出・脚本の実力が感じられるけれども。
 今から見ると、終身雇用・年功序列制度が保証されていた古き良き時代の作品。もちろん現実そのままではなく、かくあるべしという理想が描かれた作品であるのだが。(2004/11/02)

本多猪四郎
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