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池広一夫(池廣一夫)
沓掛時次郎 くつかけときじろう
監督 池広一夫
公開年 1961年
評点[B]
感想  今日は、市川雷蔵主演の『沓掛時次郎』を観た。監督は池広一夫で、昭和三十六年(1961)の作品。

 信州沓掛生まれの時次郎(市川雷蔵)は、溜田の助五郎(須賀不二男)から受けた一宿一飯の義理のために六ツ田の三蔵(島田竜三)と刀を交える。しかし、助五郎の正体を知った時次郎は三蔵の妻おきぬ(新珠三千代)と息子の太郎吉(青木しげる)を実家へ送り届けてやろうとするのだが……。

 何度も映画化されている長谷川伸原作の市川雷蔵主演版(脚本:宇野正男・松村正温)。
 雷蔵と同世代で仲が良かったという池広監督は、宮川一夫のキャメラを得て歯切れが良い演出。助五郎らによって徐々に時次郎とおきぬたちが追い詰められていく様子もわかりやすく、時次郎が門付けをして世過ぎをする場面もあったりするのも面白い(原作にあるのかもしれないが)。終盤の殺陣の演出も工夫されている。
 しかし、雷蔵もまだ若いためか悲壮感に欠け、時次郎たちが長逗留する旅館の女将(杉村春子)と時次郎を助ける宿場の親分(志村喬)も、良いキャラクターではあるのだが存在感が強すぎてテーマを拡散させてしまっているような。
 また、時次郎のおきぬたちに対する思いも渡世人としての“義理”のみのように見え、隠された恋情があるようには感じられなかったので、少し物足りない。のちの加藤秦監督版『沓掛時次郎 遊侠一匹』の方が、悲劇的な結末に向かって収斂していく構成と時次郎を演じた中村錦之助の演技、双方とも勝っているような気がする。個人的には、加藤秦演出にはアクが強いというか執拗なところを感じてちょっと辟易することもあるのだけれども。(2005/01/19)

影を斬る かげをきる
監督 池広一夫
公開年 1963年
評点[B]
感想  今日は、市川雷蔵主演の『影を斬る』を観た。監督は池広一夫で、昭和三十八年(1963)の作品。

 仙台藩伊達六十二万石の剣術指南役・井伊直人(市川雷蔵)は、昼間は天守閣で昼寝、夜は主君の忠宗(成田純一郎)を連れ出して遊び歩いていた。そんな彼に城代家老・伊達将監(稲葉義男)の娘・定(嵯峨三智子)との縁談が持ち上がるが、薙刀を振るう定との立ち合いに敗れて江戸へ剣術修行に行くことになる。

 題名を見てシリアスな剣客ものかと思ったら、コミカルなタッチで始まってちょっと意外だった。大映のコメディ時代劇の流れに連なる一作(脚本:小国英雄)。
 コミカルな作品での雷蔵は活き活きしていて良いし、井伊家の用人役の藤原釜足もいい味を出している。嵯峨三智子の演技は、もう少し幅が合ったら良かったな、と思った。ちゃらんぽらんな雷蔵の姿だけでも充分楽しく、雷蔵自身も池広監督を評価していたが、コメディの演出の切れは田中徳三監督の方に一日の長があるような気がした。(2004/06/18)

眠狂四郎女妖剣 ねむりきょうしろうじょようけん
監督 池広一夫
公開年 1964年
評点[C]
感想
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眠狂四郎女妖剣
眠狂四郎女妖剣

 今日は、市川雷蔵主演の『眠狂四郎女妖剣』を観た。監督は池広一夫で、昭和三十九年(1964)の作品。

 ある時、眠狂四郎(市川雷蔵)は川辺に打ち上げられた大奥の奥女中の死体を見る。それをきっかけとして将軍の娘・菊姫(毛利郁子)の乱行を利用した備前屋(稲葉義男)と御典医(浜村純)の悪事や隠れキリシタンの謎の女・びるぜん志摩(久保菜穂子)の存在を知った狂四郎は、自らの出生の謎をも知ってしまう。

 『眠狂四郎』シリーズの第四作目。この作品から、“円月殺法”に特殊効果が用いられるようになり、よりそれらしくなってくる。また、この作品では、人を斬ったときの血や女性の裸・濡れ場などが多くなっている(モロに見せるわけではないが)。柴田練三郎の原作に近くしたのかもしれないが(脚本:星川清司)、映像化されると少々エログロ趣味という感もある。公開当時は映画界が斜陽の一途をたどりつつある時代だったので、客ウケを狙った意味もあったのだろうか。
 菊姫の乱行や隠れキリシタンや狂四郎の出生の謎、そして第1作(殺法帖)で登場した少林寺拳法の使い手(若山富三郎)など要素が盛りだくさんだが、まとまりは今ひとつのように見えた。(2002/09/25)

池広一夫(池廣一夫)
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