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石井輝男
女体桟橋 にょたいさんばし
監督 石井輝男
公開年 1958年
評点[C]
感想  今日は、石井輝男監督の『女体桟橋』を観た。昭和三十三年(1958)の作品。

 華やかな銀座の裏通りには売春組織が跋扈している。ホテルでコールガールの死体が発見され、部屋から立ち去った吉岡圭三(宇津井健)という男が容疑者の一人になった。しかし、吉岡は犯人ではなく、売春組織のボスの情婦ルミ(三原葉子)と縁があった。一方、警察はベテラン大野(小倉繁)や若手の速水(浅見比呂志)らの刑事が組織を追う。


 石井輝男監督の初期作で、この次の『白線秘密地帯』に始まる“地帯〔ライン〕”シリーズにつながる雰囲気の一本。
 のちの石井監督らしい切れの良さやユニークな演出は見られず、ちょっと平凡なメロドラマ風の作品になっている。さすがにまだ慣れないところがあったのか、習作という感じ。脚本(佐川滉・石井輝男)も、刑事の速水とその恋人のエピソードが浮いていた。(2005/08/09)

網走番外地 あばしりばんがいち
監督 石井輝男
公開年 1965年
評点[A’]
感想
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網走番外地
網走番外地

 今日は、石井輝男監督の『網走番外地』を観た。昭和四十年(1965)の作品。

 網走刑務所に送られてきた橘(高倉健)は実家の妹と病身の母(風見章子)を思い、保護司・妻木(丹波哲郎)の助言に従って、おとなしくお勤めを済まそうとしていた。しかし、雑居房のボス格の依田(安部徹)と権田(南原宏治)は橘を目の仇にし、彼らの脱走計画に巻き込まれてしまう。

 長いシリーズものになった『網走番外地』第一作(原作:伊藤一/脚本:石井輝男)。第一作の好評を受けてシリーズ化されたそうなので、この一本でストーリーはまとまっている。
 若い高倉健の客気と彼を見守る老囚人を演じた嵐寛寿郎の妙味が特に良い。悪役たちは少し類型的なキャラクターだが、後半に入ってからの権田を演じた南原宏治の徹底した卑しさ・汚さは凄い。それでいてユーモラスな雰囲気もあるので陰惨にならず後味が悪くない。刑務所が舞台だがじめじめした雰囲気ではなく、どことなくカラッとしている。
 昭和四十年になってもモノクロ撮影で低予算映画だったらしいが、1時間半をメリハリ良くテンポ良く進み、石井監督の演出力を感じさせられるよくまとまった佳作。(2005/07/03)

続網走番外地 ぞくあばしりばんがいち
監督 石井輝男
公開年 1965年
評点[A’]
感想
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続網走番外地
続網走番外地

 今日は、石井輝男監督の『続網走番外地』を観た。昭和四十年(1965)の作品。

 網走で刑期を終えた橘真一(高倉健)と大槻(アイ・ジョージ)、そして青函連絡船乗り場で橘の懐中を狙った女スリのユミ(嵯峨美智子)の三人は本土へ向かうが、函館で起こった強盗殺人事件に巻込まれ、自ら真犯人を探そうとする。

 『網走番外地』の好評を受けて急遽製作が決まった続編。題名を引き継いでいるので前作同様に一応原作の名義(伊藤一)はあるが、石井監督のオリジナル脚本らしい。予算も増えてカラーになっている。
 青函連絡船に橘たちがのる最初のシークエンスから個性豊かなメインキャストの多くが顔を見せ“つかみ”はOK。様々な場所でよく動いて飽きさせない。橘・大槻・ユミ以外にもドサ回りストリッパー集団の姉御分の路子(三原葉子)とそのヒモのような夫(大坂志郎)、謎の男・吉本(中谷一郎)など、ユニークなキャラたちが揃っている。
 青森に降り立った橘と大槻がアッと驚く商売をするなど、全体に前作よりもコミカルで明るいムードになっているが、締めるところは締めてラストの大立ち回りなどアクションも充分。前作にあった人情噺的な要素や哀愁を感じさせるような部分は少ない。
 続編は正編に及ばないことが多いが、この作品は前作とはまた一味違った良さを持った娯楽性に豊む佳作になっていると思う。(2005/09/06)

直撃!地獄拳 ちょくげきじごくけん
監督 石井輝男
公開年 1974年
評点[B]
感想  今日は、石井輝男監督の『直撃!地獄拳』を観た。昭和四十九年(1974)の作品。『直撃!地獄拳』シリーズの1作目…といっても、全2作だけだけど。

 麻薬捜査の失敗で多くの犠牲者を出して辞職した元警視総監・嵐山(池部良)と元麻薬課の刑事・隼猛(佐藤允)は、甲賀忍者の子孫の甲賀竜一(千葉真一)と死刑囚として服役中の桜一郎(郷^治)を仲間に引きずり込んで、マフィアの麻薬取引を阻止しようとする。
 始めから終わりまでアクションとギャグが間断なく繰り出される。2作目より、わずかにギャグが少なくアクションが多いような気がするが、それでも笑える部分は多い。元世界フェザー級チャンピオンの西城正三と当時の国際的カラテスターの倉田保昭がアッサリやられてしまうのが笑える。特に、倉田保昭の最期の台詞は聞きもの。
 マフィアのボスの邸宅として伊豆か熱海あたりの別荘を撮して「ニューヨーク」と字幕を入れているのも人を食っている。マフィアの日本総支配人役は津川雅彦。実は、この作品は数年前に観たことがあるのだが、あらためて観るとほとんど忘れていた。ま、そんなもんだ(笑)。(2000/09/30)

直撃地獄拳 大逆転 ちょくげきじごくけんだいぎゃくてん
監督 石井輝男
公開年 1974年
評点[B]
感想  今日は、石井輝男監督の『直撃地獄拳 大逆転』を観た。昭和四十九年(1974)の作品。一部のマニアには有名な『直撃!地獄拳』シリーズ第2弾。

 元警視総監・嵐山(池部良)の指令を受けた甲賀竜一(千葉真一)・桜一郎(郷^治)・隼猛(佐藤允)の3人組が、宝石を盗まれたと狂言を打ったシカゴ・マフィアから、宝石や金を盗むために大暴れ。ボケ役の桜一郎が、甲賀のイタズラでテーブルに接着剤で手をくっつけられると次のシーンでは手の平型の厚板を手につけたまま登場したり、文字通り背中に火がつくと甲賀が小便で消したり、バカギャグのオンパレード。
 これは確信犯的バカ映画だからノリで観るものだが、石井輝男は職人監督だけあって、一応、作品の形は成している。前作が好評だったのかゲスト出演者が多い。真っ白塗りの山城新伍や丹波哲郎や志穂美悦子が登場。丹波先生、ラストシーンでは『キイハンター』の衣装になって登場(笑)。(2000/09/20)

石井輝男
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