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神山征二郎
郡上一揆 ぐじょういっき
監督 神山征二郎
公開年 2000年
評点[B]
感想
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郡上一揆
郡上一揆

 今日は、神山征二郎監督の『郡上一揆』を観た。平成十二年(2000)の作品。

 美濃国郡上藩の領主・金森頼錦(河原崎建三)は実収を増やすため、一定の量の年貢を取り立てる定免法〔じょうめんほう〕から収穫高に応じて年貢の高を決める検見取り〔けみどり〕に改めようとした。負担が増えることを知った百姓たちは猛然と反発。前谷村の助左衛門(加藤剛)のせがれ定次郎(緒方直人)や切立村の喜四郎(古田新太)らは百姓を代表して、繰り返し弾圧を加える藩と戦っていく。

 宝暦四年(1754年)に勃発して数年に渡って郡上藩と幕府を揺るがした“郡上一揆”を描いた作品(原作:こばやしひろし/脚本:加藤伸代・神山征二郎)。
 神山監督が長年温めていた企画だそうで、実に生真面目な正攻法の作風。定次郎や助左衛門・喜四郎ら“立百姓”(一揆に加担した百姓。藩に屈服した者は“寝百姓”)が完全無欠の英雄、まさに神の如き人物として描かれ、彼らを中心とした行動を追っている。
 しかし、歴史ドキュメンタリー番組の再現ドラマという感じで、領主・金森が検見取りに改めようとした経緯や、何よりも百姓の暮らしがあまり描かれていないため、彼らがああまで反対するのが今ひとつ腑に落ちず、観客に迫ってこないものがあると思う。定次郎と新妻(岩崎ひろみ)のエピソードで泣かせようとしたりするよりも、百姓の苦しい暮らしを克明に描いた方が訴える力は強いのでは。展開も演出もやや単調に感じられた。
 ただ、時代考証はしっかりしていて、駕篭訴や箱訴(目安箱への投書)の場面はリアルで迫力がある。また、終盤のリアリズムで貫かれた厳しい描写には、そこまでやるかと驚かされるので、最後まで観る価値はある作品かもしれない。(2005/07/10)

神山征二郎
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