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木村荘十二(木村莊十二)
ほろよひ人生(音楽喜劇 ほろよひ人生) ほろよいじんせい
監督 木村荘十二
公開年 1933年
評点[C]
感想  今日は、木村荘十二監督の『ほろよひ人生』を観た。昭和八年(1933)の作品。

 “ようよう駅”でアイスクリームを売るトク吉(藤原釜足)は、ヱビスビールを売っているエミ子(千葉早智子)にぞっこん。だが、エミ子の方は毎日ビールを買いに来る音楽学校の学生アサオ(大川平八郎)が好きで、二人は既に付き合っている。アサオの作品が初めてレコード化された歌謡曲『恋は魔術師』が大ヒットしたことで、三人の運命は大きく変わり……。

 東映の前身であるP.C.L.の第一回作品。トーキーを売りにしていたので、歌と音楽がたっぷりのミュージカル的作品。副題に“音楽喜劇”とある。
 副題どおりストーリーは、おとぎ話調。トーキー初期で、しかもP.C.L.の初作品であるためか、演技・演出・編集など今ひとつ、こなれていないように見えた。ヒロインのエミ子の演技は気になった……。
 内容は明るいので楽しむことはできる。当時の最先端の流行が描かれているのも興味深い。(2002/06/24)

新選組 しんせんぐみ
監督 木村荘十二
公開年 1937年
評点[A]
感想  今日は、木村荘十二監督の『新選組』を観た。昭和十二年(1937)の作品。

 鳥羽伏見の戦いで敗れた新選組は船で江戸に戻ったが、時勢は日増しに幕府に不利となった。将軍慶喜は朝廷に対して恭順を表明し、勝海舟(中村鶴蔵)の策により新選組は“甲陽鎮撫隊”として甲府城に向かわされた。いまだ意気軒昂な近藤勇(河原崎長十郎)と、どこか不安げな土方歳三(中村翫右衛門)。

 まず、いきなり新選組の敗走から描き始めるのが珍しい。かといって新選組を悲劇のヒーローとして描くのではなく、“朝敵”の悪役としてでもない。我々は歴史の結果を知っているので、彼らは自分たちが時勢の流れに翻弄されていることに気づかない、愚かな、またそれゆえに憐れむべき人間として見える。こういうとらえ方ができる作品は珍しいのではないだろうか。
 河原崎長十郎の近藤勇は、一見単純な性格のように描かれていて史実の近藤勇ファンにとっては物足りないかもしれないが、歴史に名を残したものの歴史の流れを変えるには至らなかった近藤勇の限界が表現されていたような気がした。沖田総司(嵐芳三郎)とその姉(山岸しづ江)や恋人(山懸直代)のエピソードも、良いアクセントになっている。
 この作品は、戦前映画としては登場人物の台詞回しが早口なのにちょっと驚いた。木村監督の演出なのだろうか。登場人物の行動や会話が終わってすぐ次のカットへ行く早いテンポも独特。それらの演出によって追い詰められた新選組の緊迫感を表現しようとしたのだろうか。(2004/01/26)

うなぎとり うなぎとり
監督 木村荘十二
公開年 1957年
評点[C]
感想  今日は、  木村荘十二監督の『うなぎとり』を観た。昭和三十二年(1957)の作品。

 夏の間、山間の村に田の草取りの出稼ぎをする母親(望月優子)と一緒に来た太郎(真藤隆行)は、村の子供たちと仲良くなり、うなぎの獲り方を教えてもらったり一緒に海水浴に行ったりする。

 まさしく、以上の粗筋が全ての作品。50分ほどの短編だが、もう少し何か欲しいと思った。それに、農村や子供の世界をかなり理想化して描いているように感じた。終盤の海水浴のシーンで子供たちが本当に楽しそうだったのは印象に残った。(2002/10/10)

木村荘十二(木村莊十二)
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