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河野寿一
新選組鬼隊長 しんせんぐみおにたいちょう
監督 河野寿一
公開年 1954年
評点[C]
感想
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新選組鬼隊長
新選組鬼隊長

 今日は、片岡千恵蔵主演の『新選組鬼隊長』を観た。監督は河野寿一で、昭和二十九年(1954)の作品。

 元治元年、池田屋事件で近藤勇(片岡千恵蔵)以下の新選組は多くの勤皇の浪士を斬殺。天下に名をとどろかせた。その頃から戊辰戦争に至るまでの、近藤と同志の土方歳三(原健策)・沖田総司(中村錦之助、のち萬屋錦之介)らの運命を描く。

 有名な子母沢寛の『新選組始末記』が原作ということになっている。しかしそれは一つのストーリーがある本ではないので原案という程度で、オリジナル脚本に近い(脚本:高岩肇・結束信二)。
 新選組物語を軸に近藤勇と沖田総司の恋物語を組み合わせているものの、粗筋は全ておなじみのものなので、池田屋事件から始めるのではなく、新選組が斜陽の時期を迎えた時点から描いた方がテーマを絞れたのではないか、と思った。終盤の、近藤と沖田の別れや近藤が新選組隊士たちと決別するシーンは哀切の極みなので。(2004/01/11)

紅顔の若武者 織田信長 こうがんのわかむしゃおだのぶなが
監督 河野寿一
公開年 1955年
評点[B]
感想  中村錦之助主演の『紅顔の若武者 織田信長』を観た。監督は河野寿一で、昭和三十年(1955)の作品。

 戦国時代、尾張の国の実力者である織田信秀(柳永二郎)の嫡子・信長(中村錦之助、のち萬屋錦之介)は奇行を繰り返し、織田の親族や家臣たちは信秀に廃嫡を強く勧めていた。そんな中、美濃の国の斎藤道三(進藤英太郎)は尾張の国を狙って娘(高千穂ひづる)を信長に嫁がせ、さらに信長との会見を求める。

 山岡荘八の作品の映画化(脚本:結束信二)。題名通り、本当に若き日の信長を描いている。
 錦之助が演じているが、メイクがちょっと過剰に見えた。汚しすぎのような。また、力んで演技している感じで、台詞回しが怒鳴りすぎのようにも思えた。彼はどうしても気品が残るので、“うつけ者”を演ずるために頑張りすぎたのかもしれない。
 粗筋や描いている範囲は戦前の片岡千恵蔵主演の『風雲児信長』と似ているが、ダイナミックさが印象に残る千恵蔵版に比べると、錦之介版は信長と濃姫の関係などが細かく描写されている。斎藤道三の描写も多く、進藤英太郎の憎めない悪役像が良い。(2004/04/21)

朱鞘罷り通る しゅざやまかりとおる
監督 河野寿一
公開年 1956年
評点[B]
感想  今日は、市川右太衛門主演の『朱鞘罷り通る』を観た。監督は河野寿一で、昭和三十一年(1956)の作品。

 無頼の旗本・此村大吉(市川右太衛門)は、大人気の水芸の太夫・花沢小えん(花柳小菊)を情婦にしていたが、小えんに執心だった大身の旗本・松平帯刀(新藤英太郎)に一杯食わされる。一方、女性問題で人気が落ちている歌舞伎役者の中村仲蔵(大川橋蔵)は、『仮名手本忠臣蔵』で損な役の斧定九郎役を回されて困惑していた。

 あの山中貞雄の原作を、多くの山中作品でシナリオを担当した三村伸太郎が脚本化。
 入り組んだプロットと、主人公が旗本でありながら武士の世界ではなく江戸の街が舞台であるのは山中貞雄らしさを感じさせた。中村仲蔵が『忠臣蔵』の定九郎を工夫して演じた実話を題材の一つにしているのもユニーク。ただし、右太衛門はいかにも殿様芝居だし(実際旗本だが)、女性キャラの演技も女臭すぎる感じがするし、山中貞雄が監督した作品とはかなり印象が異なる。ちょっと大味な印象。
 しかし、此村が仲蔵に見せる心意気は爽やかで、ラスト近くの活躍は右太衛門ならではの豪快さ。観賞後の後味は悪くない。(2004/05/16)

風雲児 織田信長 ふううんじおだのぶなが
監督 河野寿一
公開年 1959年
評点[B]
感想  今日は、中村錦之助主演の『風雲児 織田信長』を観た。監督は河野寿一で、昭和三十四年(1959)
の作品。

 尾張の国の実力者・織田信秀が没して葬式がおこなわれているが、新当主の信長(中村錦之助、のち萬屋錦之介)が姿をあらわさないので家老・平手政秀(月形龍之介)らはやきもきしていた。その後、平手の諌死、斎藤道三(進藤英太郎)との会見、桶狭間の合戦などを信長は濃姫(香川京子)と共に乗り越える。

 『紅顔の若武者〜』の続編でもあり、描いている時代が重なる部分もあるのでカラーでのリメイク的作品でもある。
 『紅顔の〜』と続けて観ると、錦之助の俳優としての成長が一目瞭然。前作よりかなり良い。合戦シーンもあって、ダイナミック。また、濃姫も香川京子に交代して、さらに濃姫と信長の関係の描写が濃くなっている。お姫様姿の香川京子はとても可憐で、表情の演技が良い。(2003/04/22)

尾張の暴れ獅子 おわりのあばれじし
監督 河野寿一
公開年 1961年
評点[B]
感想  今日は、大友柳太朗主演の『尾張の暴れ獅子』を観た。昭和三十六年(1961)の作品で、監督は河野寿一。

 紀州徳川家出身の八代将軍吉宗(若山富三郎)は、将軍の座を争った尾張徳川家の継友(黒川弥太郎)と何かにつけて対立し、将軍側近の加納遠江守(月形龍之介)と薮田助八(原健策)は尾張家を落としいれようと画策していた。継友の弟で豪傑の名が高い万五郎宗春(大友柳太朗)は、その策謀を阻止しようとする。

 原作は『銭形平次』の野村胡堂(脚本:柳田吾郎)。“風流大名”として人気の高い尾張の宗春が主人公だが、尾張家の跡を継ぐ前の若様時代の物語。
 この作品では、吉宗側が悪として描かれ、月形龍之介と原健策はまさに時代劇の悪人そのもので、様式美を感じさせるほど(笑)。筋自体は、時代劇映画で定番の秘宝の奪い合いで新味は無い。大友柳太朗の“豪快”な演技は、ちょっとぎこちなさを感じさせて、かえって面白かったりする。はっきりしゃべろうとすると、かえって滑舌が怪しくなったりして。しかし、片手斬りを多用する殺陣はリアルではないかもしれないが、スピーディーで見事。
 宗春を狙う若者役として若き日の山城新吾が出演。(2002/01/06)

河野寿一
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