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黒澤明(黒沢明)

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椿三十郎 つばきさんじゅうろう
監督 黒澤明
公開年 1962年
評点[A’]
感想
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椿三十郎
椿三十郎
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黒澤明
黒澤明 :
DVD BOXSET 2

 今日は、黒澤明監督の『椿三十郎』を観た。昭和三十七年(1962)の作品。

 某藩の城代家老・睦田(伊藤雄之助)の甥である井坂伊織(加山雄三)を筆頭とする9人の若者たちは、次席家老の黒藤(志村喬)以下の奸物を除こうと談合していた。偶然その場に居合わせた浪人(三船敏郎)は椿三十郎と自称して、彼らを助けることになる。

 『用心棒』の続編で、同じく思いつきの姓を名乗る風来坊の浪人が大活躍する。前作の乾いたニヒルな雰囲気は薄れた感じで、ユーモラスなシーンが増えている。前作同様、奸物の一人の懐刀である室戸半兵衛を演じた仲代達也と三船敏郎との対決が見物(みもの)。
 9人の若侍の一人に田中KUNIE、もとい、邦衛がいる。睦田夫人に入江たか子、睦田の娘に団令子。(2001/05/12)

天国と地獄 てんごくとじごく
監督 黒澤明
公開年 1963年
評点[A]
感想
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天国と地獄
天国と地獄
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黒澤明
黒澤明 :
DVD BOXSET 3

 今日は、黒澤明監督の『天国と地獄』を観た。昭和三十八年(1963)の作品。

 大手靴メーカーの重役・権藤(三船敏郎)の息子を誘拐したという脅迫電話がかかってきた。犯人(山崎努)は誤って権藤のお抱え運転手の息子を誘拐したことが間もなく判明したが、それでも身代金3000万円を払わねば殺すと脅してくる。戸倉警部(仲代達矢)以下の刑事たちが極秘裏に捜査を進める中、会社内での自らの立場を強めるため無理な金策をしていた権藤は苦悩する。

 原作はエド・マクベインという人の『キングの身代金』だそうだが、黒澤明・小国英雄・菊島隆三・久板栄二郎らによって大幅に脚色されオリジナル色が強いようだ。
 全てのシーンが後に繋がって無駄な場面がなく、各登場人物のキャラクターも立っている。有名な“特急こだま”の場面も実際観てみると聞いていた以上に面白い。矛盾や不自然な点もほとんど見当たらず、各々脚本家として一家を成した人々が四人も集まって意見の交換も上手くいったのか、複数の脚本家による脚本の成功例のような作品になっていると思う。ジャンルは全然異なるが、誰か一人がはっきりした主人公ではなくリーダーの指示によって複数のプロフェッショナルが働くという点で『七人の侍』をちょっと思い出した。
 展開がよどみなく143分強の長尺を飽きさせないのは黒澤監督の演出の手腕か。また、“じらし”が上手い。職人あがりである権藤以外の資本家(金持ち)がステロタイプ的な悪である点や最後のシークエンス、そしてちょっとやりすぎというかわかりやすすぎる場面(昭和三十年代の横浜黄金町にあんなところあったのか? 今もいかがわしい匂いのあるところだが)は、黒澤らしいといえば、らしいだろうか。しかし、娯楽性の強い作品はこれが最後で、黒澤監督の一つのピークという感じ。
 今から観ると豪華キャストを贅沢に使っている中でも(藤田進に台詞なし?)、コミック・リリーフ的な木村功の使い方が印象的だった。気合の入りすぎた変装とかカーネーションを見ての一言とか。(2005/05/07)

赤ひげ あかひげ
監督 黒澤明
公開年 1965年
評点[A]
感想
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赤ひげ
赤ひげ
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黒澤明
黒澤明 :
DVD BOXSET 1

 今日は、黒澤明監督の『赤ひげ』を観た。昭和四十年(1965)年の作品。原作は、山本周五郎の『赤ひげ診療譚』。

 時は幕末近く、幕府の御典医への道を歩むべく長崎への遊学から帰った保本登(加山雄三)はなぜか、貧民への施療をおこなっている小石川養生所に配属される。彼は、そこの主“赤ひげ”こと新出去定(三船敏郎)に反発するが、赤ひげの人柄と養生所を訪れる人々に触れることによって成長していく。

 映画が斜陽になった時代、危機感を抱いた黒澤監督の意気込み充分に作られた作品。撮影に1年をかけ、完成まで足かけ2年を費やした大作。
 権威主義的だとかヒューマニズムを振り回しすぎだとかいう批判があったそうで、確かに黒澤的な説教臭さや台詞の多さはあるが、この作品では、さほど鼻につくほどではないと思う。かなり以前、原作を読んだことがあるけれども、その目で観ても、山本周五郎の描くシリアスなエピソードをパワフルな演出で、ほぼ完全に映像化することに成功している。各挿話ごとに感動の波に襲われる傑作。若い医学生を演じた加山雄三が好演。
 ちなみに、批判の対象となった「こんな乱暴はよくない。医師ともあるものがこういうことをしてはいけない」という台詞は、映画オリジナルではなく原作にもある。(2001/04/01)

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黒澤明(黒沢明)
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