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マキノ雅弘(マキノ正博/マキノ雅広/マキノ雅裕)

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次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路 じろちょうさんごくしだいごぶなぐりこみこうしゅうじ
監督 マキノ雅弘
公開年 1953年
評点[A’]
感想  今日は、マキノ雅弘監督の『次郎長三国志 殴込み甲州路』を観た。昭和二十八年(1953)の作品。

 清水港は祭の季節で、みんな楽しく踊ったり酒を飲んでいる。一方、兄貴分にあたる大熊(沢村国太郎)と、甲州の黒駒の勝蔵や猿屋の勘助との対立が激しくなり、次郎長(小堀明男)も巻き込まれざるを得ない雰囲気になってくる。そんな中、一人で甲州へ偵察に赴いた投げ節お仲(久慈あさみ)は勘助一味に捕まってしまう。

 村上元三原作の『次郎長三国志』第五弾(構成:小国英雄/脚本:松浦健郎)。冒頭シーンのお祭りのシーンや、ラストの出入り(喧嘩)のシーンまで、モブシーンの迫力が凄い。また、みんな演技が上手すぎるくらい上手い。酒を飲んで語り合うシーンは最高。このエピソードは誰が主役というわけではなく(お仲が一番目立つが)、次郎長一家を演ずる俳優たちの息がピッタリあっていて、彼ら全体を楽しむ作品なのだろう。(2002/11/06)

次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家 じろちょうさんごくしだいろくぶたびがらすじろちょういっか
監督 マキノ雅弘
公開年 1953年
評点[A’]
感想  今日は、マキノ雅弘監督の『次郎長三国志 旅がらす次郎長一家』を観た。昭和二十八年(1953)の作品。

 甲州で猿屋の勘助(小堀誠)を斬り、お上に追われる身となった次郎長一家は凶状旅を続ける。どこへ行っても厄介者扱いされ、旅なれぬお蝶(若山セツ子)が病んで進退に窮する。そこで、かつて次郎長が相撲興行をしてやった元力士の保下田の久六(千葉信男)のところに世話になるが、彼は次郎長たちを売る。

 村上元三原作の『次郎長三国志』シリーズ第六弾(構成:小国英雄/脚本:松浦健郎)。今作は、冒頭からかなりシリアスな雰囲気で展開する。前作までより一転して暗く、登場人物が泣きすぎるような感もあるが、逆境の中でますます固く結びつく次郎長一家の絆が素晴らしい。
 越路吹雪の演ずるお園と、長門裕之の演ずる島の喜代蔵が新登場。(2002/11/10)

次郎長三国志 第七部 初祝い清水港 じろちょうさんごくしだいしちぶはついわいしみずみなと
監督 マキノ雅弘
公開年 1954年
評点[B]
感想  今日は、マキノ雅弘監督の『次郎長三国志 初祝い清水港』を観た。昭和二十九年(1954)の作品。

 凶状旅から帰った次郎長一家は、刀を外して丸腰で博打もやらず、世間の人々に馬鹿にされながらお蝶の喪に服す。そんな中、島の喜代蔵(長門裕之)はお仲(久慈あさみ)に親分と一緒になって自分の母親代わりになってくれと頼み、困ったお仲は保下田の久六(千葉信男)を探すという名目で旅に出る。一方、百か日の喪が明けた次郎長一家はフグで一杯やって大騒ぎするが……。

 村上元三原作の『次郎長三国志』シリーズ第七弾(構成:小国英雄/脚本:松浦健郎)。シリアスムードだった前作よりは明るい雰囲気だが、第五部以前よりは湿り気は多いかも。しかし、陽気なシーンもあるので楽しめる。ただ、喜代蔵とお仲の愁嘆場は長くて、ちとキツかった。
 オチに至るまでの展開は予想はつくが、勢いがあるので割りと良い。この辺は佐太郎(堺左千夫)やお園(越路吹雪)など過去キャラが再登場して顔ぶれが豪華。(2002/11/16)

次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊 じろちょうさんごくしだいはちぶかいどういちのあばれんぼう
監督 マキノ雅弘
公開年 1954年
評点[A’]
感想  今日は、マキノ雅弘監督の『次郎長三国志 海道一の暴れん坊』を観た。昭和二十九年(1954)の作品。

 保下田の久六を斬った凶状も解け、晴れて亡きお蝶と豚松の法要を済ませた次郎長一家。そんな中、次郎長(小堀明男)は石松(森繁久彌)に四国の金毘羅様の代参を頼む。石松は旅先で遊女の夕顔(川合玉江)に惚れ、身受山の鎌太郎(志村喬)の忠告によって彼女を身請けしようと決心したが、石松の命を狙うものがいた。

 村上元三原作のシリーズ第8弾。といっても、この作品の脚本はオリジナルらしい(脚本:小川信昭・沖原俊哉)。最も人気の高かった石松が主人公の作品。
 森繁と志村喬の熱演、石松と次郎長一家の友情や石松と小政との出会い、女性を花に例える表現と盆踊りのシーンの映像表現など見どころが多い。特に、花と面をかぶっての盆踊りの映像は美しい。ただ、森繁の石松は、熱演が過ぎてくどいように感じられるところもあるかな、と思った。(2002/11/23)

次郎長三国志 第九部 荒神山・前編 じろちょうさんごくしだいきゅうぶこうじんやまぜんぺん
監督 マキノ雅弘
公開年 1954年
評点[C]
感想  今日は、マキノ雅弘監督の『次郎長三国志 荒神山・前編』を観た。昭和二十九年(1954)の作品。

 石松の敵を討とうとして失敗し、あまつさえ付け火の濡れ衣を着せられて山の中を逃げ回る、大政(河津清三郎)以下の次郎長の子分たち。一方、次郎長は子分たちが放火の疑いをかけられているので、吉良の仁吉(若原雅夫)の婚礼に表立って顔を出すことはできず、陰ながら祝いを言いに来ていた。そこへ子分たちが現れるが……。

 村上元三原作のシリーズ最終作(脚本:橋本忍)。マキノ監督は本当は前作の『海道一の暴れん坊』で終わりにする予定だったが、前作の大ヒットによってこの第9作目が作られ、後編は作られなかったという。
 そのためもあってか、半分以上が次郎長一家が山にこもってゴタゴタやっているシーンで、終わり方も非常に中途半端。これまでの作品に比べると、楽しめる部分が少なかったような気がする。次郎長一家を演じている俳優たちは皆うまいのだが……。(2002/11/30)

朝やけ血戦場(朝やけ血戰場) あさやけけっせんじょう
監督 マキノ雅弘
公開年 1956年
評点[C]
感想  今日は、マキノ雅弘監督の『朝やけ血戦場』を観た。昭和三十一年(1956)の作品。

 明治維新の頃。官軍に抗している長岡藩の藩士・魚住孫次郎(大坂志郎)は身重の妻お次(北原三枝)と共に会津へ落ちのびる途中に休もうとして、隊長(河津清三郎)以下十数人の官軍の偵察隊が潜む廃屋へ入り込んでしまう。

 村上元三の原作の映画化(脚本:関喜誉仁・内田一作)。
 見ず知らずの人間たち一堂に会する、しかもそのうち一人が身重の女という設定の話はどこかで見たことがあるような気がするが、何が元ネタなのだろう。この作品(原作)なのかな……? 公開当時では新鮮なネタだったのかもしれないが、現在の目で観ると予想通りの展開で新鮮さがない。屈折したキャラクターが一人いたりするのも定石というか。 また、戦の最中の武士にしては全員が全員センチメンタルすぎてリアリティがない。反戦のメッセージ性が強すぎると思う。それに、上映時間が1時間16分の中篇だが、舞台がほぼ廃屋の中に限られるので変化がなくちょっと退屈。
 デビュー2年目の宍戸錠が出演しているそうだが全然わからなかった。(2005/09/21)

浪人街 ろうにんがい
監督 マキノ雅弘
公開年 1957年
評点[A’]
感想  マキノ雅弘監督の『浪人街』を観た。昭和三十二年(1957)の作品。

 寺の門前町にフラリとやって来た荒牧源内(近衛十四郎)。そこは母衣権兵衛(藤田進)を頭とする浪人たちが仕切っていた。お調子者の赤牛弥五右衛門(河津清三郎)や、美しい妹と2人暮らしで昔の主家への帰参を願っている土井孫八郎(北上弥太郎)らとの交流。そして、旗本の兄弟(石黒達也・龍崎一郎)との諍(いさか)いから、旗本と素浪人たちは、全面対決へ…。
 これは昭和三〜四年(1928-1929)に作られたサイレント版『浪人街』(断片のみ現存)のリメイク。マキノ雅弘作品を観るのは初めてだが、刀をブン回すようなダイナミックな殺陣には驚いた。夜の斬り合いで刀と刀がうち合わされると火花が出ちゃうし(笑)。宝刀探しのエピソードで少しダレるが、全体としてよくまとまった娯楽作品。荒牧のなじみの湯女の小芳を演じた高峰三枝子が色っぽい。(2000/09/15)

おしどり駕篭 おしどりかご
監督 マキノ雅弘
公開年 1958年
評点[C]
感想  今日は、中村錦之助&美空ひばり主演の『おしどり駕篭』を観た。監督はマキノ雅弘で、昭和三十三年(1958)の作品。

 江戸の左官職人・源太(中村錦之助、のち萬屋錦之介)は矢場の女主人・小蝶(美空ひばり)と顔を合わせればケンカばかりしているが、互いに惚れ合っている仲。実は、源太は某大名の跡継ぎで、父が亡くなって藩内が紛糾しているのを知り、一時帰郷することにした。それを追う小蝶。

 錦之助&ひばりのスーパースター映画。個人的に、美空ひばりの相手役は大川橋蔵というイメージが強かったが、錦之助と組んだ映画もあるんだ。
 さすがのマキノ監督も、ひばりと錦之助双方の顔を立てるのに気を使ったのか、全てを無難に収めたという感じで展開が観客の予想にたがわず進むため、ちょっと退屈した。二人が痴話喧嘩する場面も長すぎるような。二人の熱狂的なファンにとっては、そこが見せ場なのかもしれないが。ただし、オペレッタ的に歌と踊りが繰り広げられるシーンではマキノ監督らしさが出る。
 錦之助の弟分役に中村賀津雄(現・中村嘉葎雄)、錦之助の実弟役に伏見扇太郎。(2003/07/10)

天保六花撰 地獄の花道 てんぽうろっかせんじごくのはなみち
監督 マキノ雅弘
公開年 1960年
評点[A’]
感想  今日は、市川右太衛門主演の『天保六花撰 地獄の花道』を観た。監督はマキノ雅弘で、昭和三十五年(1955)の作品。

 江戸城のお数寄屋坊主の河内山宗俊(市川右太衛門)は、ゆすりたかりで悪名が高いが、友人の森田屋(近衛十四郎)の実妹(丘さとみ)を吉原から救い出すため手を貸したり、松江藩士の金子市之丞(東千代之介)の仇討ちを助けたりする。

 原作は子母沢寛の『すっ飛び駕』(脚本:鈴木兵吾)。歌舞伎ネタの河内山宗俊と直侍だが、この作品では河内山宗俊を単なる悪役でもなく、かつまた過度に英雄化もせず、屈折のある面白い人物像に作りあげている。原作が良いのか(未読)、脚本が良いのか、あるいは演出のためか。市川右太衛門も、旗本退屈男シリーズとは違った好演。
 宗俊の弟分である小悪党の直次郎(中村賀津雄、のち中村嘉葎雄)も、実にセコくカッコ悪いキャラになっていて、ここまで徹底しているのは珍しいかも。ラストシークエンスはちょっと凄い。
 仇討ちや恋愛話や森田屋のエピソードなど、時代劇にしてはプロットが錯綜して複雑だが、割りと上手くさばけていると思う。ただ、河内山宗俊の話を粗筋だけでも知っていた方がわかりやすいが……。

 それにしても、『地獄の花道』という題名は、どうにかならなかったのかしらん(笑)。(2003/05/12)

若き日の次郎長 東海の顔役 わかきひのじろちょうとうかいのかおやく
監督 マキノ雅弘
公開年 1960年
評点[A’]
感想  今日は、中村錦之助主演の『若き日の次郎長 東海の顔役』を観た。監督はマキノ雅弘で、昭和三十五年(1960)の作品。

 時は天保八年。清水は米不足で、地元に戸籍の無い無宿の流民には米を売ることが許されず、米屋の養子・長五郎(中村錦之助、のち萬屋錦之介)は米屋が嫌になっていた。ついにそのいざこざで死人が出たのを機に長五郎は米が余っているという尾張に乗り込み、ヤクザがからむ米不足のからくりを暴く。

 錦之助の次郎長シリーズ第一弾。清水の次郎長がお得意のマキノ監督だが、若い錦之助に合わせて、この作品では次郎長が一家を構えるまでの若き日の姿を追っている。
 錦之助の次郎長は非常に生きのいいお兄さん、という感じ。昭和二十八〜二十九年のシリーズの小堀明男とは異なり、訛の無い言葉で流暢な台詞を喋る。マキノ演出が冴えてテンポ良く、コミカルな部分とシリアスな場面とのメリハリも良い。また、昭和二十八〜二十九年のシリーズと同様に次郎長一家の絆の強さも見せてくれる。
 法印の大五郎だけが旧シリーズと同じ田中春夫で、他は新メンバー。まだ大政や石松は登場しない。桶屋の鬼吉は加賀邦男、豚松は中村錦司、増川の仙右衛門は流民の中から次郎長の子分になったという設定で、平幹二朗。旧シリーズでは石松の相棒だった追分の三五郎は、この作品では二枚目の旅人で、東千代之助。そして、次郎長の実父・三右衛門に月形龍之介、大前田英五郎に大河内傳次郎と、大物が脇を固めていい味を出している。(2003/04/20)

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