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舛田利雄
女を忘れろ おんなをわすれろ
監督 舛田利雄
公開年 1959年
評点[A]
感想
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女を忘れろ
女を忘れろ

 今日は、小林旭主演の『女を忘れろ』を観た。監督は舛田利雄で、昭和三十四年(1959)の作品。

 試合で相手を失明させた田所修(小林旭)はボクシングを辞め、ホステスをしている年上の女・雪枝(南田洋子)と同棲しながらキャバレーのバンドでドラムを叩いて対戦相手の治療費を稼いでいた。そんな彼が、通勤バスの中で偶然出会った女学生の尚子(浅丘ルリ子)に惹かれてしまう。

 現在ではあまり語られないものの映画化作品の多い(『ある殺し屋』など)藤原審爾による原作の映画化(脚本:舛田利雄・山崎巌)
 小林旭が『渡り鳥』シリーズでブレイクする直前で、まだイメージが固まる前のためか、主人公の性格に陰影のある脚本になっており、小林旭もそれによく応えた演技をしている。雪枝や尚子そして悪役的なキャラクターも単純ではない。
 まだどことなく少年っぽさも時々匂う若き日の小林旭と可憐な浅丘ルリ子、大人の女の哀しさを見せる南田洋子などのキャラクターたちと巧みに練られた脚本が、青春の悔恨と愛するものとの別離とを存分に描き出す。公開当時の入りはそれほどでもなかったそうだが、現在観ると青春映画の傑作の一本といえると思う。
 舛田監督の映像のさばき方も巧みで、美しいモノクロ画面(撮影:姫田真佐久)や音楽の使い方も良い(音楽 :真鍋理一郎)。(2005/01/02)

零戦黒雲一家 ぜろせんくろくもいっか
監督 舛田利雄
公開年 1962年
評点[B]
感想  今日は、裕ちゃん主演の『零戦黒雲一家』を観た。昭和三十七年(1962)の作品。監督は舛田利雄。

 昭和十八年、最前線の孤島に谷岡中尉(石原裕次郎)が赴任してくる。親分格の黒崎(二谷英明)を筆頭とする落ちこぼれの集まりの“黒雲一家”は、若い隊長に最初反発するが、次第にうち解けていく。設営隊の老隊長に大坂志郎、予科練出身の少年飛行兵に浜田光夫。
 戦争映画に分類されるかもしれないけれども、日活製の裕次郎映画と言った方が良いかもしれない。日本の軍隊でこんなことがあったはずもないが、それを言ってはヤボでしょうね…『兵隊やくざ』や『独立愚連隊』も成立しなくなるから。
 零戦は本物に見えず(たぶんアメリカ製の練習機?)、特撮も時代を感じさせるが当時としては頑張った方では。なぜか対潜哨戒機のP−2Jが色々大活躍していて、海上自衛隊が撮影に協力したようだ。
 どこで撮ったか知らないが、自然が美しく、特に夕暮れ時の情景が効果的だった。

 ちなみに、この作品は『機動警察パトレイバー』の第一期ビデオシリーズの初回で、篠原遊馬が埋め立て地の第二小隊を見て、最初に口にした「俺、映画でこういうの観たことある…『ラバウルなんとか』とか『零戦なんとか一家』とか、女の子が1人もいなくて整備兵はみんなヤクザで酒飲んでバクチやって、飯盒炊爨(はんごうすいさん)やって殴り合いで友情しちゃう恥ずかしいやつ」という台詞の元ネタ。「恥ずかしい」とまでは行かないと思うけど(笑)。(2000/11/02)

花と竜 はなとりゅう
監督 舛田利雄
公開年 1962年
評点[B]
感想  今日は、石原裕次郎主演の『花と竜』を観た。監督は舛田利雄、昭和三十七年(1949)の作品。

 日露戦争前夜の門司港に流れてきた玉井金五郎(石原裕次郎)は、港湾労働者として働きながら次第に頭角をあらわしていく。若松に移って自らの玉井組を旗揚げした彼は、同業者組合を作ろうとして、反対勢力と一人対決する。

 何度も映画化されている火野葦平の原作(脚本:井手雅人)による作品。
 最初の方、石原裕次郎はどう見ても沖仲仕というガラではないので違和感がある。しかし、それなりの魅力があるし、展開のテンポが良いので次第に話に引き込まれていく。主人公が衆を頼まず、なんでも一人でやろうとするのが良い。原作が優れているのだろう。
 主人公の妻マン役に浅丘ルリ子。老親分役に大坂志郎。幇間役に桂小金治。(2002/02/10)

影狩り かげがり
監督 舛田利雄
公開年 1972年
評点[B]
感想
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影狩り
影狩り

 今日は、石原裕次郎主演の『影狩り』を観た。監督は舛田利雄で、昭和四十七年(1972)の作品。

 江戸時代の末期近く、財政が苦しい幕府は藩を取り潰したりして財政の穴埋めをしようとしていた。ある時、幕府の老中(丹波哲郎)は金山を掘り当てた出石藩を狙い、俗に“影”と言われる公儀隠密の一団を派遣する。一方、出石藩側でも“影狩り”と呼ばれる対隠密の用心棒の室戸十兵衛(石原裕次郎)・日光(内田良平)・月光(成田三樹夫)を雇って対抗しようとする。

 さいとうたかをの劇画の映画化(脚本:池上金男)。それだけに、公儀隠密は完全な忍者の格好で、影狩りの側もいかにも浪人という風体で、劇画的な印象。そういうファッションや鎖鎌を振り回す刺客など、劇画では良くても実写になってしまうとちょっとリアリティに欠けるかも……。ストーリーの展開のテンポは良い。
 影狩りの三人は各々過去がある割りに、悲壮さあるいは陰りのようなものが感じられないのが少々気になった。あと、音楽が時代劇には合ってないような。(2002/10/12)

影狩り ほえろ大砲 かげがりほろたいほう
監督 舛田利雄
公開年 1972年
評点[B]
感想  今日は、石原裕次郎主演の『影狩り ほえろ大砲』を観た。監督は舛田利雄で、昭和四十七年(1972)の作品。

 “影”と呼ばれる公儀隠密と戦う“影狩り”の室戸十兵衛(石原裕次郎)・日光(内田良平)・月光(成田三樹夫)の三人は、公儀から大砲改めを申し付けられた豊後佐伯藩に呼ばれる。実は、既に佐伯藩の大砲は鋳潰されてしまっていたので、新たな大砲が完成し城に運び込まれるまでの警護を依頼されたのだ。

 さいとう・たかをの劇画を映画化した『影狩り』シリーズ第二作(脚本:池上金男)。前作同様、実写のマンガという雰囲気だが、山を越えて重い大砲を運ぶ過程が、紆余曲折や工夫があって面白い。
 この作品では、女子供で泣かせようとしているのがちょっと気になった。女の方は良いとして、ガキが馬鹿すぎるので共感できない(笑)。(2002/11/18)

舛田利雄
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