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松林宗恵(松林宗惠)
東京のえくぼ とうきょうのえくぼ
監督 松林宗恵
公開年 1952年
評点[A’]
感想  今日は、松林宗恵監督の『東京のえくぼ』を観た。昭和二十七年(1952)の作品。

 豆腐屋の娘の河上伸子(丹阿弥谷津子)はバスでスリの被害を訴え、警察が容疑者を逮捕したが、それは自分が就職した会社の社長・紀之国屋文太郎(上原謙)だった。社長秘書になった伸子は、文太郎が飾り物の社長の座にうんざりしていることを知ると、彼を外に連れ出す。

 娯楽映画を大量に作った松林監督の第一回作品(脚本:小国英雄)。ただし、この前に青柳信雄との共同監督作品が一本あったらしい。
 初作品ではあるが、技巧的な演出を存分に使っていて、さすがのちの娯楽映画の巨匠の片鱗を覗かせていると思う。松林監督はこの作品でフランク・キャプラなどのアメリカ映画を意識したと何かに書いてあったのをチラッと読んだことがあるが、確かに日本的人情噺というよりヒューマン・コメディという雰囲気が強い。
 しかし、上手いし良い話なのだけれども、バタ臭さが目につく感もあり、“ちょっといい話”が続いて食傷するところもある。伸子とその両親(柳家金語楼・清川虹子)や専務を演じた古川ロッパなどの演技もいささかくどいところがあるので、さすがに初作品で監督が力みすぎたのかな、という気がする。それでも、邦画にはちょっと珍しい雰囲気のウェルメイドな一作と言えるとは思う。
 “特別出演”で高峰秀子が冒頭と末尾に登場する(相方は小林桂樹)。(2005/06/10)

婚約指輪 えんげえじりんぐ
監督 松林宗恵
公開年 1956年
評点[C]
感想  今日は、石原慎太郎原作・主演の『婚約指輪(エンゲージリング)』を観た。監督は松林宗恵で、昭和三十一年(1956)の作品。

 裕福な家庭の息子の河口都喜夫(石原慎太郎)は、幼なじみで父の取引先の経営者の子でもある藤井育子(青山京子)との結婚を勧められ、なんとなく承知して婚約指輪を買いに行く。しかし、宝石店の次に寄ったデパートに置き忘れてしまったことがきっかけで、デパート店員の松宮節子(藤井育子)と知り合って……。

 現都知事の石原慎太郎の原作で(脚本:石原慎太郎・若尾徳平)、主演2作目だという。主演作に先立って、弟の裕次郎主演の作品の何作かにチョイ役で出演していたこともあるらしい。
 若い頃はこの作品のキャラクター設定通りの坊っちゃん面だったんだな。今でも童顔というか年齢よりは若く見えるが。演技は上手いというほどではないがド下手でもない。さすがに本格的な映画ではなく、52分ほどのSP作品だが。
 演技は別として、作品自体は邦画離れした“ウェルメイド”なコメディを目指したらしいが、今の目で観てしまうと、なんだか石坂洋次郎作品のようなストーリー展開は予想がついてしまうし、気が利いているつもりであろう台詞(会話)も平凡。当時の新進気鋭作家の作品にしては凡庸だと思う。また演出も、キャラクターの感情をすぐに顔に出させてそれをアップで撮ったりして説明的過ぎるように感じた。
 都喜夫の悪友に宝田明、父親に中村伸郎、母親に村瀬幸子、祖母として三好栄子が出演している。(2005/07/02)

松林宗恵(松林宗惠)
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