le bgcolor="#66cccc" border="0" align="right">Amazon<
丹下左膳
丹下左膳

 今日は、阪東妻三郎主演の『丹下左膳』を観た。監督は松田定次で、昭和二十七年(1939)
の作品。

 将軍(夏川大二郎)に日光東照宮改築工事を命ぜられた柳生家は、あわてて百万両のありかを隠しているという家宝“こけ猿の壺”を探したが、既に藩主の弟・源三郎(高田浩吉)に婿入りの引き出物として持たせたあとだった。江戸では、将軍の側近・愚楽老人(菅井一郎)の手下と源三郎が婿入りする道場を乗っ取ろうとする峰丹波(大友柳太朗)一味、そして長屋に住む丹下左膳(阪東妻三郎)たちが三つ巴の争奪戦を始める。

 おなじみ丹下左膳の話だが、珍しく阪東妻三郎が演じた作品(脚本:菊島隆三・成沢昌茂)。冒頭の字幕スーパーと音楽によって、この作品が山中貞雄監督の『百万両の壺』流のコメディ路線であることがわかる。
 最初は展開のテンポが今ひとつで音楽もちょっとわざとらしすぎるように聞こえたが(音楽:深井史郎)、そのうち噛み合ってきてリズムが出てくる。櫛巻お藤は淡島千景で色っぽい和服姿がはまり役。ちょび安は、かつら五郎という子役だが、歌が実に上手く演技もまずまず。阪東妻三郎の丹下左膳には大河内伝次郎とは異なり全く“化物”的雰囲気はないが、この作品には合っているかもしれない。
 壺の争奪戦はテンポが良く、菅井一郎が意外な笑いをとる場面もあり、敵役の大友柳太朗さえ大真面目さが笑いを誘ってしまうような雰囲気があり、時代劇ファンはかなり楽しめる意外な佳作。あの『百万両の壺』は別格になるが。
 阪東妻三郎が最晩年のためか左手一本の殺陣は不慣れなためか、立ち回りに全く精彩を欠いていたのが残念。(2004/06/27)
復讐の七仮面 ふくしゅうのななかめん
監督 松田定次
公開年 1955年
評点[B]
感想  今日は、片岡千恵蔵主演の『復讐の七仮面』を観た。昭和三十年(1950)の作品で、監督は松田定次。

 ある夜、タクシー運転手に姿を変えていた私立探偵・多羅尾伴内(片岡千恵蔵)は、不審な男を乗せる。彼は、実は白龍会という犯罪組織の一員だった。しばらくして、その不審な男は消され、相互金融組合の副頭取の自宅が襲われ、五千万円の強盗殺人事件が発生し、元伯爵である金融組合の理事長(山村聡)は私財を提供すると声明したが、彼の邸宅は既に抵当に入れられていた。

 戦後、時代劇が作りづらくなっていた時期に始まった、千恵蔵主演の“多羅尾伴内”シリーズの第八作。片岡千恵蔵が私立探偵を演じて、様々な変装をするのが売り。主演俳優も監督も元々時代劇の専門家のためか、中盤まではテンポがゆっくりで時間が長く感ずる。さすがに、終盤はそれなりに盛り上がるが。
 千恵蔵の変装は顔の大きさと声でバレバレだというのは、突っ込んではいけないところなのだろう(笑)。しかし、さすがに彼独特の迫力があり、特に“気違いの元軍人”(原文ママ)は、テレビ放映は不可能かもしれないほど。珍妙な味があるので、機会があったら多羅尾伴内シリーズの他の作品も観てみたい。(2002/03/29)

赤穂浪士 あこうろうし
監督 松田定次
公開年 1956年
評点[B]
感想
Amazon
赤穂浪士 天の巻・地の巻
赤穂浪士
天の巻・地の巻

 今日は、松田定次監督の『赤穂浪士』を観た。昭和三十一年(1956)の作品。

 元禄十四年、勅旨接待役に任ぜられた浅野内匠頭(東千代之助)は指南役の吉良上野介(月形龍之介)に刃傷に及び、即日切腹を言い渡される。その報を受けた大石内蔵助(市川右太衛門)は、主君の仇を打つため、密かに同志たちと準備を始める。それを予測した上杉家家老の千坂兵部(小杉勇)は、世をすねた浪人の堀田隼人(大友柳太郎)・大泥棒の蜘蛛の陣十郎(進藤英太郎)・元上杉家の家臣の娘さち(田代百合子)を密偵として大石のもとへ放った。

 原作は大佛次郎の小説(脚色:新藤兼人)。何度目かの映画化らしい。オリジナルキャラを加えて赤穂義士と呼ばれていた四十七士を“浪士”とした原作だが、この映画全体の演出や俳優の演技は旧来の忠臣蔵ものに似た雰囲気。それはそれで良いのだが。
 大友柳太郎の堀田隼人は、外見や殺陣は実にいい感じ。ただ、彼の冷めた考え方があまり表現されていなくて、あまり虚無的な雰囲気が出ていなかったと思う。映画では台詞やモノローグが大幅に削られざるを得ないから、登場人物の思想を表現するのは難しいのだとは思うが。大盗賊を演じた新藤英太郎は、善人と悪役の中間のようなキャラを上手く演じていた。月形龍之介の吉良は実にハマリ役。
 この作品では赤穂浪人の脱落者の中から小山田庄左衛門にスポットが当てられ、中村錦之助(のちの萬屋錦之介)が演じている。内蔵助が東下りの際に名を騙る立花左近役に、片岡千恵蔵。(2002/12/08)

剣豪二刀流 けんごうにとうりゅう
監督 松田定次
公開年 1956年
評点[B]
感想  今日は、片岡千恵蔵主演の『剣豪二刀流』を観た。監督は松田定次で、昭和三十一年(1956)の作品。

 宮本武蔵(片岡千恵蔵)は巌流島で佐々木小次郎(東千代之介)と対決、一撃の元に倒す。細川家の重臣・長岡佐渡(薄田研二)の仕官の勧めを断って再び修行の旅に出た武蔵を、小次郎の許婚だったおりん(千原しのぶ)は仇として追い、武蔵の幼なじみのお孝(長谷川裕見子)は慕って追う。そして、高名になった武蔵を様々な敵が狙う。

 小山勝清『それからの武蔵』の映画化で(脚本:中山文夫)、巌流島後の武蔵を描いた数少ない映画作品。
 多彩な登場人物が入り乱れてテンポ良く進む。武蔵に対する敵と味方が同時に描かれているのも巧み。ただし、テンポが良すぎて、登場する意味が不明になってしまっているキャラも何人かいる。登場人物の心情描写が足りないような。いい感じのキャラが何人もいるのに惜しい。1時間半ちょっとの上映時間では短すぎたようなので、2時間は欲しいような。
 おりんの供として武蔵を狙う用人・鴨甚内役に加東大介、剣豪の一人・木村又蔵に月形龍之介。(2003/04/02)

髑髏銭 どくろせん
監督 松田定次
公開年 1956年
評点[B]
感想
Amazon
髑髏銭
髑髏銭

 今日は、市川右太衛門主演の『髑髏銭』を観た。監督は松田定次で、昭和三十一年(1956)の作品。

 時は五代将軍綱吉の頃、江戸の町では銭酸漿(月形龍之介)なる怪人が“髑髏銭”という謎の古銭を手に入れようとする人々を皆殺しにしていた。たまたま髑髏銭に関わって殺されそうになったお小夜(長谷川裕美子)を助けた浪人・神奈三四郎(市川右太衛門)は、将軍の寵臣・柳沢保明(宇佐美諄)や豪商・銅座瀧ヱ門(進藤英太郎)も髑髏銭をめぐって暗闘しているのを知る。

 娯楽時代劇でお約束の、お宝アイテムの争奪戦だが、白黒画面を活かした不気味さが強調された絵作りが面白い。銭酸漿のコスチュームも現代人の目で冷静に見ると笑っちゃうデザインだが、月形龍之介のおかげで怖い悪役になっている。得がたい俳優だ。
 三四郎の正体は途中で見当がついてしまうが、オチは意外というかなんというか、ちょっと「え?」という感じがした。今観てもまずまず楽しめる作品で、戦前に嵐寛寿郎主演、この右太衛門版のあとにも里見浩太郎主演で映画化されているらしい(原作:角田喜久雄)。(20002/09/30)

[1] [2]

松田定次
掲示板 Return to監督別邦画備忘録Top pageHOME PAGE