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宮田十三一
鯉名の銀平 雪の渡り鳥 こいなのぎんぺいゆきのわたりどり
監督 宮田十三一
公開年 1931年
評点[A]
感想  今日は、阪東妻三郎主演の『鯉名の銀平 雪の渡り鳥』を観た。監督は宮田十三一で、昭和六年(1931)の作品。

 伊豆は下田の貸元の子分だった鯉名の銀平(阪東妻三郎)は、恋しい茶屋娘お市(望月礼子)が兄弟分の爪木の卯之吉(岡田喜久也)と好きあっているのを知り、わらじをはいて旅に出る。4年後に帰ってくると、自分の親分と対立していた帆立の丑松(堀川浪之助)が下田を支配していて……。

 原作は長谷川伸(脚本:きよし・ささを)。お決まりの股旅物だが、前半で情けないくらい煩悩に苦しむ主人公の姿と、ふっきれた後半での姿との対比が効果的。お市と卯之吉はまぁまぁという感じだが、お市の父親の五兵衛(児島三郎)が、役柄・演技ともに良かった。
 サイレント作品だが、タイトル画面(台詞画面)が全く無い。弁士中心で“声色・鳴物入り”で見せる作品だったのだと思うが、最初からタイトル画面が無いのか上映時にカットしてしまったのかどうかはわからない。
 映像は繋ぎ方などオーソドックス。殺陣はコマ落としで古さを感じさせるが、多数対多数の出入り(喧嘩)の場面ではシルエット処理していて面白かった(撮影:永井政次)。

 長谷川伸作品の中でもキャラクター/ストーリーともに上質の作品ではないだろうか。こういうタイプのストーリーが好きではない人には面白くないだろうが。幾度もリメイクされているので、トーキー作品も観てみたい。(2004/08/19)

宮田十三一
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