Return to監督別邦画備忘録Top pageHOME PAGE
野村芳亭
島の娘 しまのむすめ
監督 野村芳亭
公開年 1933年
評点[A’]
感想  今日は、野村芳亭監督の『島の娘』を観た。昭和八年(1933)の作品。

 伊豆大島の旅館「寺川屋」の娘お絹(吉川満子)は、家業が傾き東京に売られることになっていた。お絹と将来を誓いあっていた船員・月山一郎(江川宇礼雄)は彼女のためになんとかしてやろうとするが果たせず、心を残しながら航海に出る。そんな折、寺川屋に泊まった学生・大河(竹内良一)が絹子の境遇に興味を示す。

 松竹映画創生期からの巨匠で松竹蒲田撮影所所長だった野村芳亭監督作品(原作:長田幹彦/脚本:柳井隆雄)。小唄勝太郎という人が唄った当時のヒット曲『島の娘』を基にして作られた“小唄映画”らしい。数社で競作になったようだ。
 本当に大島にロケもしたのか(撮影:長井信一)、観光地でありながらどこかうらぶれた物悲しいような風情がある。吉川満子は小津作品などでは人妻や母親役が定番であるが、さすがにこの頃は若く娘役が合っている。大河に声をかける酌婦おしまを演じた若水絹子という女優も雰囲気が良い。
 流行歌を基にした商業映画であるが、ラストシークエンスも味わい深く心に残る。野村芳太郎監督の父でもある野村芳亭の作品は、何本くらい残されているのだろうか。(2005/02/07)

野村芳亭
掲示板 Return to監督別邦画備忘録Top pageHOME PAGE