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小沢茂弘
俺が地獄の手品師だ おれがじごくのてじなしだ
監督 小沢茂弘
公開年 1961年
評点[B]
感想  今日は、片岡千恵蔵主演の『俺が地獄の手品師だ』を観た。監督は小沢茂弘で、昭和三十六年(1961)の作品。

 アメリカで十三回も脱獄したバッファロウ・ゲン(片岡千恵蔵)が北海刑務所の特別房に送り込まれてきた。そこでもすぐさま脱走し、一緒に逃げた“桁外れの馬吉”(進藤英太郎)と“ファンキー小僧”(中村賀津雄、のち嘉葎雄)はゲンを兄貴と仰ぐ。ゲンは馬吉の一人息子(水木襄)が無実の罪を着せられたという話を聞くと、馬吉のため一肌脱ぐ。

 千恵蔵主演の『地獄』シリーズの一本(脚本:松浦健郎)。このシリーズにはシリアスなギャングもの路線と、千恵蔵が多羅尾伴内のような正体不明の人物を演ずるコミカル路線があるが、この作品は後者。
 題名が示すように、千恵蔵が手品の得意な脱獄常習犯という設定で、奇妙な手品を見せまくる(といってもトリック撮影によるものだが)。伊藤雄之助が謎の中国人手品師を演じていて、存在感がある。いつもどおり鶴田浩二と高倉健も登場するが、純然たる脇役という感じ。大物俳優の柳永二郎や山村総までもがヤクザのボス役で登場して、これがしょうもない小物なのが、かえって面白い。
 コミカル路線ではあるが、翌年の『裏切者は地獄だぜ』ほどの弾けっぷりはないので、もうちょっと徹底しても良かったのでは、という感も残る。しかし、意表を突かれる脈絡のない展開や笑えるシーンも所々あるので、こういう作品が好きな人は楽しめると思う。(2005/08/12)

ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども ひまらやむしゅくしんぞうやぶりのやろうども
監督 小沢茂弘
公開年 1961年
評点[B]
感想  今日は、片岡千恵蔵主演の『ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども』を観た。監督は小沢茂弘で、昭和三十六年(1961)の作品。

 土門健吉博士(片岡千恵蔵)率いる日本のヒマラヤ探検隊が雪男を捕らえたというニュースが世界を震撼させた。帰国した土門を実妹の道子(佐久間良子)を始めとするマスコミが追いまわす。そして雪男を公開する学会の日が近づく中、やくざ風の大門(山形勲)や土門と同じく探検家のチャン博士(三島雅夫)といった男たちはなぜか雪男を抹殺しようと狙っていた。

 片岡千恵蔵主演の“無宿”シリーズ第二弾(原作・脚本:松浦健郎)。といっても全2作らしいが。千恵蔵主演といっても“多羅尾伴内”“地獄”の両シリーズと同じアクションコメディ(?)路線の作品。
 学者のはずの土門健吉は雪男を利用して「悪人どもと戦うんだ」とか言ったり豪華な屋敷に住んでたりして、正体は何なのか実はこの人が一番怪しいと思ったが、“正義の味方”がお仕事だと考えれば筋は通る?
 片岡千恵蔵は、コメディは真面目にやるほど面白くなることを知っているような、いつもの重々しい演技で通していて、実はこういう路線が好きなのだろうか。その他の俳優も大真面目に演じて御苦労様って感じなので、もう少し展開のテンポが良ければもっと面白くなったかな……と思う。笑わせどころは多く作ってあるのだけれども、今の目で観ると少々くどいところもある。
 多くの俳優がシリアス演技の中、進藤英太郎だけはコミカルな役で大活躍。それも空回りしていないのは、この人の持ち味のおかげだろう。
 これに先立つ『アマゾン無宿 世紀の大魔王』は珍品映画として有名なので、そちらも機会があったら観てみたい。(2005/06/21)

地獄の裁きは俺がする じごくのさばきはおれがする
監督 小沢茂弘
公開年 1962年
評点[B]
感想  それと、今日は片岡千恵蔵主演の『地獄の裁きは俺がする』を観た。監督は小沢茂弘で、昭和三十七年(1962)の作品。

 大組織を率いる大門(片岡千恵蔵)は、何度逮捕されても大弁護団と政治力を駆使してで生き残ってきた。そんな彼も、偶然からリカ(本間千代子)という少女が自分の娘らしいことを知り、自分の生き方に疑問をもつようになるが……。

 『地獄』シリーズの一作。これもシリアス路線の話。同年に公開された『裏切者は地獄だぜ』同様、メインキャストの一人が鶴田浩二。リカの恋人役として松方弘樹が出演。
 この作品は、アクションというよりも親子の関係を中心とした人情噺的な色が濃い。ただし、あまり湿っぽくはない。これも展開の予想は結構ついてしまうが、演出のテンポのよさで観られる。(2003/02/07)

裏切者は地獄だぜ うらぎりものはじごくだぜ
監督 小沢茂弘
公開年 1962年
評点[A’]
感想  今日は、片岡千恵蔵主演の『裏切者は地獄だぜ』を観た。監督は小沢茂弘で、昭和三十七年(1962)の作品。

 ヤクザの上前をはねて回る、本名も経歴も不祥の謎の男・海山千吉(片岡千恵蔵)。腕っ節自慢の寅次(新藤英太郎)や、その弟分の青野(高倉健)と小崎(江原真二郎)を子分にすると、暴力団の麻薬取引の場から金を奪おうとする。だが、その町のボスの失踪事件に巻きこまれて……。

 『多羅尾伴内』シリーズ同様、片岡千恵蔵主演の現代劇のシリーズものらしい。しかし、こちらは冒頭からコミカルなアクション・コメディとでも言うべき作品。冒頭から、新藤英太郎のボクシングコントが始まるので驚かされた。その後も何かというと新藤英太郎や高倉健が主題歌を歌いまくったり、新藤英太郎が助平親父っぷりを発揮する。さすがに千恵蔵はギャグはかまさないし一見大真面目だが、実はこの映画の性格がわかっているような演技に見えた。
 チンピラ風の高倉健やチョイ役の梅宮辰夫と丹波哲郎など、若き日の彼らの姿を見られるという意味でも貴重かもしれない。東映は時代劇のネタが尽きかけると、こんな珍妙な作品を作っていたのか……もっと早く観れば良かった。(2003/02/05)

地獄命令 じごくめいれい
監督 小沢茂弘
公開年 1964年
評点[B]
感想  片岡千恵蔵主演の『地獄命令』を観た。監督は小沢茂弘で、昭和三十九年(1964)の作品。

 大松会の会長・大松正道(片岡千恵蔵)は組織を守るため、手段を選ばず金を稼いできた。ニュータウン建設の際にも娘婿である根津(南原宏治)の縄張りを侵食し、大松の敵である中丸(安部徹)は二人の間に隙を生じさせようとする。

 『地獄』シリーズの一つ。『裏切者は地獄だぜ』と違ってシリアス……というか、むしろ『裏切者』がシリーズ中で毛色が違うのかな?
 千恵蔵が演じているのは、いつもソフト帽をかぶっているようなクラシカルな“ギャングのボス”で、その辺で時代を感じさせはするし、ロクに狙わずに拳銃を撃っても相手に百発百中でアクションのリアリティはない。
 ただし、千恵蔵の貫禄や弟分を演じる進藤英太郎など、見どころはあるし、展開のテンポは良いので退屈はしない。演出の腕だろうか。千恵蔵の娘として佐久間良子、息子として千葉真一が出演。(2002/02/06)

激突!殺人拳 げきとつさつじんけん
監督 小沢茂弘
公開年 1974年
評点[C]
感想  今日は、千葉ちゃん主演の『激突!殺人拳』を観た。昭和四十九年(1974)の作品で、監督は小沢茂弘。

 日本の空手と中国拳法を合わせた独自の拳法の達人である剣琢磨(千葉真一)は裏の世界に生きていて、依頼された仕事のギャラが支払われないと、依頼人の妹(志穂美悦子)を売り飛ばしてしまうほど非情な人間だった。中東の石油王が急死し、その娘のサライ(中島ゆたか)が日本にいることから、剣は遺産相続の陰謀に巻き込まれていく。

 1973年の『燃えよドラゴン』日本公開に影響されて作られた“カラテ映画”の一本。単なるコピーではなく色々工夫を加えてはあるのだが…。千葉ちゃん扮する主人公が正義の味方ではなくワルとして描かれているけど、濃すぎて爽快さが無いので、悪役の魅力というものが感じられない。アクションは本物だけれども。
 ストーリーもプロットが多く、かえってテンポを悪くしている(脚本:高田宏治・鳥居元宏)。座頭市のパロディの盲狼公 (天津敏)や『燃えドラ』のハンの偽物のようなキャラを出すなら、コミカルに徹した方が良かったのでは。このあとに作られた『地獄拳』シリーズのように。ラストシーンは香港映画っぽい(唐突だということ)。
 ちなみに、志穂美の悦っちゃんは徹底して酷い目に遭ってます。(2001/01/14)

殺人拳2 さつじんけんつう
監督 小沢茂弘
公開年 1974年
評点[C]
感想  今日は、千葉真一主演の『殺人拳2』を観た。監督は小沢茂弘。昭和四十九年(1974)。

 自己流の拳法で裏社会を渡り歩き、金を稼ぐ剣琢磨(千葉真一)。武術センターを作ると称して全アジアから金を集めていた太田黒(田中浩)の依頼を受けていたが、その汚いやり口に反発して、正武館の政岡憲治(鈴木正文)と共に戦いを挑む。

 同年に作られた『激突!殺人拳』の続編。千葉チャンが最後まで悪役的だった第一作とは異なり、主人公のキャラが変わった感じ。前作ではちょい役だった正武館の館長も、メインキャラの一人となっている。
 マジで作っているのかウケ狙いなのかよくわからないが、様々な工夫が空回りしている感じ。シリアスな作りなのに、何かがずれているような気がする。『地獄拳』シリーズではないのだから、千葉チャンが倒した相手からピンポン玉の眼球が飛び出してはダメでしょう(笑)。前作のような後味の悪さは無いけれども…。(2001/05/03)

小沢茂弘
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