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佐藤武
若き日の歓び(若き日の歡び) わかきひのよろこび
監督 佐藤武
公開年 1943年
評点[B]
感想  今日は、佐藤武監督の『若き日の歓び』を観た。昭和十八年(1943)の作品。

 映画女優・梅原きよ子(轟夕起子)の後輩である高村裕子(高峰秀子)は、女子大を辞めて梅原の紹介で映画雑誌の編集部に就職した。裕子は仕事の厳しさに戸惑いながらも先輩の穂積泰子(原節子)や梅原きよ子の弟であるカメラマンの克雄(沼崎勲)に励まされながら成長していく。

 戦時中の作品で、所々にそれを感じさせる部分がある。ただし、直截的な戦意高揚スローガンを叫ぶようなところはまだなく、男手が不足している折から女性も社会に出て自立し“銃後の守り”を固めよう、というのがテーマであるようだ。
 しかし、女性も社会に出るべしという戦時の価値観と女性は家庭を守るのが最も重要な仕事だという戦前の価値観との対立・矛盾が解決されずに描かれているようで、中途半端な感がある。
 東宝の当時の三大女優の主演だが、原節子が持ち味に合った役で好演。華やかで美しい。高峰秀子はちょっと幼い感じがするが、役柄に合わせているのかもしれない。原節子が想いを寄せる画家を藤田進が演じている。
 生活の様子や服装などはほとんど戦時色がなく、空襲が始まるまでは戦前の暮らしとさほど変わらなかったという山本夏彦の説を思い出した。(2003/06/17)

佐藤武
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