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重宗務
若旦那三国一(若旦那三國一) わかだんなさんごくいち
監督 重宗務
公開年 1937年
評点[A’]
感想  今日は、藤井貢主演の『若旦那三国一』を観た。監督は重宗務で、昭和十二年(1937)の作品。

 商家の若旦那・藤村百助(藤井貢)はK大のボート部キャプテン。突然退部を申し出た部員の木下英介(中野英治)に理由を訊くと、日本舞踊の師匠である姉(藤間喜与恵)の弟子が減って生活が苦しくなり学校も辞めるという。百助は友人たちや妹(逢初夢子)の婿の庄吉(山口勇)まで弟子に引っ張りこむ。

 松竹にいた藤井貢が東京発声映画(のち東宝に合併)に移って作った若旦那シリーズらしいが、松竹でも近藤敏明が跡を継いで若旦那シリーズを作っていたのに別の会社で競作することができたのだろうか。なんだか面白い。清水宏監督の『大学の若旦那』では醤油問屋のせがれでラグビー部だったが、この作品では鰹節問屋とボート部になっている。舞台の大学のモデルは慶応で変わらない。
 この作品では、若旦那の善意に振り回される側の英介や庄吉もかなり描き込まれていて、面白い脚本になっている(原作・脚本:八田尚之)。サイレント時代の大学出身スターだった中野英治がちょっと弱々しいキャラクターを演じて藤井貢の脇役に回っているのは、新旧スターの交替の感もあるだろうか。題材が日本舞踏なので、藤井貢たちが踊って笑わせてくれる場面もある。発表会のシーンは、ある意味ちょっと凄い。
 保存状態が良く映像も美しい(撮影:吉田勝亮)。ただし、ボートを漕ぐシーンでアップになると背景の雲が全然流れていないので、ボートを陸上に置いて空漕ぎしているのがバレバレ。もう少し工夫してほしかった(笑)。(2004/11/13)

重宗務
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