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矢倉茂雄
ドレミハ大学生 どれみはだいがくせい
監督 矢倉茂雄
公開年 1938年
評点[A’]
感想  今日は、藤原釜足主演の『ドレミハ大学生』を観た。監督は矢倉茂雄で、昭和十三年(1938)の作品。

 学生の山野(藤原釜足)と海野(岸井明)は大の親友。海野は食堂の娘・純子(神田千鶴子)が好きで食堂に通いつめるが、純子は山野が好き。でも、その山野は資産家の娘・秋元冴子(江戸川蘭子)が好き。そんな時、音楽好きの冴子が婿を取るという噂が広まって、学園中ににわか音楽ブームが発生する。

 題名どおり歌の多いカレッジもので、尺がちょうど50分ほどの短編(脚本:伊馬鵜平・阪田英一)。
 古典的な学生もの映画なので大きな事件が起こるわけではないが、戦前映画ならではののんびりした雰囲気に満たされている。日中戦争二年目の作品だけれども、途中に「こんな御時世で」という台詞が一つあるだけで“時局”の影響は皆無(軍事教練帰りの学生の一団が出てきたが、学校に軍事教練があったのは日本だけではない)。戦前映画なので登場人物が好いた惚れたとはっきり言うわけではないが、それぞれの恋愛模様に味わいがある。
 途中、岸井明と江戸川蘭子が合唱のようになる場面で面白い工夫があって、おやっと思った。どことなくフランス映画のような洒落た感じがしたが、元ネタがあるのだろうか。
 どう見ても学生にしては老けている藤原釜足が学生服を着せられているのが珍しいけれども、藤原釜足も岸井明も演技が上手いので違和感は少ない。また、芸者役の多い清川玉枝が珍しくスーツ姿で登場するが、これが意外と似合っていて可愛らしくさえあるのでちょっと驚いた。(2005/12/02)

矢倉茂雄
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