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昭和三十五年(1960)

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秋日和 あきびより
監督 小津安二郎
公開年 1960年
評点[A’]
感想
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秋日和
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小津安二郎 DVD-BOX 第一集
小津安二郎
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第一集

 今日は、小津安二郎監督の『秋日和』を観た。昭和三十五年(1960)の作品。

 母娘2人暮らしの三輪秋子(原節子)とアヤ子(司葉子)。娘が年頃だというので三輪の亡夫の旧友、間宮(佐分利信)・平山(北竜二)・田口(中村伸郎)の三人組が世話を焼こうとするが、アヤ子は母を残して嫁に行けないと乗り気でない。そこで、三人は秋子の方から話を進めようとして…。
 これは『晩春』のリメイク的な作品。かつては娘役だった原節子が母親になっている。さすがに四十になっていたのでオバサンっぽくなってはいるが美しいので、妙に美人の母娘というのも不自然にも見える(笑)。
 『晩春』よりは登場人物が増え、筋立ても多少複雑にはなっている。旧友三人組が面白い。やもめになっていた平山が秋子と結婚してはどうか、という話になって彼が有頂天になってしまう所など。それと、三人の間で交わされる猥談めいた話も。脚本を書いた野田高梧も小津も明治生まれの教養人だから上品な下ネタを書けたのかもしれない。戦後生まれの漫画家などが、エロマンガでないストーリーマンガの中で面白いと思って下ネタを使ったりしても悲惨なことになる。
 しかし、やはり“オリジナル”ほどの深みはないかなぁ。小津本人も自らあまり高い評価をしていなかったようだし…。それに、これで128分というのは長い。15分かそこらは切れそうだ。(2000/09/28)

孤剣は折れず 月影一刀流 こけんはおれずつきかげいっとうりゅう
監督 佐々木康
公開年 1960年
評点[C]
感想  鶴田浩二主演の『孤剣は折れず 月影一刀流』を観た。監督は佐々木康で、昭和三十五年(1960)の作品。

 兵法者(武芸者)の神子上源四郎(鶴田浩二)は、恩師が暗殺されたのを知って仇を討とうとしていた。師は柳生流の者に討たれたという話を聞いた源四郎は、柳生但馬守宗矩(月形龍之介)と対決しようとする。一方、偶然出会った糸弥(藤田圭子)・美音(桜町弘子)姉妹の親の仇が春日局(毛利菊子)であることを知り、松平伊豆守(黒川弥太郎)の依頼を受けた源四郎は、春日局も敵に回す。

 原作は柴田練三郎の時代小説(脚本: 成沢昌茂)。鶴田浩二の東映時代劇初主演作だという。鶴田浩二は二枚目だが、柴田練三郎作品の登場人物らしいニヒルさはあまり感じられず、糸弥・美音の姉妹に加えて将軍の妹・加寿姫(美空ひばり)にも好かれるという、モテモテ王国っぷりが妙に目についた。まだ、殺陣も慣れない感じのような。
 美空ひばりが将軍の妹だというのにも正直、違和感がある。月形龍之介の貫禄はさすが。あと、音楽が威勢がいいというか、おおげさというか、印象に残った。(2002/12/10)

俺の故郷は大西部 おれのこきょうはだいせいぶ
監督 西河克己
公開年 1960年
評点[B]
感想  今日は、 西河克己監督の『俺の故郷は大西部』を観た。昭和三十五年(1960)の作品。

 西武開拓時代の名保安官ワイアット・アープの子孫で日本人を母にもつジョージ(和田浩治)は、父の恩人を探して十万ドルを渡すため来日した。恩人はなかなか見つからず、金目当ての暴力団や、なぜか彼を仇と狙うアメリカ人(E・H・エリック)につけまわされる。

 日活の“無国籍アクション”といわれる作品の一つ。富士の裾野で『OK牧場の決斗』の決闘シーンのコピーが展開される西部劇(笑)。音楽のウエスタンのステージが長々と映し出されたり、コントみたいなシーンも多かったり、大作の多い西河監督がジョークとして作ったような1時間強の小品。そういう作品だと思って観れば、楽しい一作。和田浩治はまだ滑舌が今ひとつだが、若者らしさは出ていた。(2003/06/30)

旗本愚連隊 はたもとぐれんたい
監督 福田晴一
公開年 1960年
評点[C]
感想  福田晴一監督の『旗本愚連隊』を観た。昭和三十五年(1960)の作品。

 三代将軍家光の時代、無聊をかこつ今村左門(田村高廣)・長坂千槍三郎(津川雅彦)ら旗本の次男三男坊たちは旗本奴“山犬組”を率いて暴れまわっていた。そんな彼らが将軍とその実弟の駿河大納言との争いに巻き込まれてしまう。

 村上元三の小説『大久保彦左衛門』の映画化(脚本:伊藤大輔・山根優一郎)。田村高廣や津川雅彦の珍しい時代劇主演作。田村正和も顔を出していて彼の映画デビュー作となったそうだが、よくわからなかった。
 原作は未読だが、大久保彦左衛門が主人公の小説を映画では田村高廣を主人公にするようにしたのか、徳川家のお家騒動と今村左門の母親との人情噺と大久保彦左の活躍の話という三つの要素があまり上手く融合しておらず、展開がガチャガチャしているように見えた。
 若き日の田村高廣は美男子だが、ちょっと力み気味かも? カラー撮影で、旗本奴たちのキンキラの服が豪華で美しい。時代考証的には怪しいかもしれないが。考証といえば、この時代に町火消しは無いと思うが……。(2003/02/09)

若き日の次郎長 東海の顔役 わかきひのじろちょうとうかいのかおやく
監督 マキノ雅弘
公開年 1960年
評点[A’]
感想  今日は、中村錦之助主演の『若き日の次郎長 東海の顔役』を観た。監督はマキノ雅弘で、昭和三十五年(1960)の作品。

 時は天保八年。清水は米不足で、地元に戸籍の無い無宿の流民には米を売ることが許されず、米屋の養子・長五郎(中村錦之助、のち萬屋錦之介)は米屋が嫌になっていた。ついにそのいざこざで死人が出たのを機に長五郎は米が余っているという尾張に乗り込み、ヤクザがからむ米不足のからくりを暴く。

 錦之助の次郎長シリーズ第一弾。清水の次郎長がお得意のマキノ監督だが、若い錦之助に合わせて、この作品では次郎長が一家を構えるまでの若き日の姿を追っている。
 錦之助の次郎長は非常に生きのいいお兄さん、という感じ。昭和二十八〜二十九年のシリーズの小堀明男とは異なり、訛の無い言葉で流暢な台詞を喋る。マキノ演出が冴えてテンポ良く、コミカルな部分とシリアスな場面とのメリハリも良い。また、昭和二十八〜二十九年のシリーズと同様に次郎長一家の絆の強さも見せてくれる。
 法印の大五郎だけが旧シリーズと同じ田中春夫で、他は新メンバー。まだ大政や石松は登場しない。桶屋の鬼吉は加賀邦男、豚松は中村錦司、増川の仙右衛門は流民の中から次郎長の子分になったという設定で、平幹二朗。旧シリーズでは石松の相棒だった追分の三五郎は、この作品では二枚目の旅人で、東千代之助。そして、次郎長の実父・三右衛門に月形龍之介、大前田英五郎に大河内傳次郎と、大物が脇を固めていい味を出している。(2003/04/20)

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