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昭和三十六年(1961)

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妻は告白する つまはこくはくする
監督 増村保造
公開年 1961年
評点[B]
感想
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妻は告白する
妻は告白する

 今日は、増村保造監督の『妻は告白する』を観た。昭和三十六年(1961)の作品。

 登山の最中、滑落して宙吊りになった自分と夫(小沢栄太郎)を支える幸田修(川口浩)を助けるため、夫のザイルを切断した彩子(若尾文子)。はたして彼女に殺意はあったのか。

 女の情念を描いた作品で、その激しさは若尾文子が演じきり、充分に描かれていた。ただ、ヒロインが単にエキセントリックな女に見えてしまう感も無いではないので、女の悲しさ・切なさがもっと表現されていると良かったかもしれない。もうすこし、彩子の深い描写が欲しかった。
 コントラストの強い白黒画面は作品の内容に合っていて美しい。(2002/10/21)

京化粧 きょうげしょう
監督 大庭秀雄
公開年 1961年
評点[B]
感想  山本富士子主演の『京化粧』を観た。監督は大庭秀雄で、昭和三十六年(1961)の作品。

 東京に住む翻訳家の山岡(佐田啓二)は、たまたま訪れた京都で知りあった芸者おその(山本富士子)に強く惹かれ、いつか一緒になりたいと手紙や金をしばしば送るようになる。しかし、二人の距離はあまりにも遠かった。

 大映専属だった山本富士子が松竹に招かれて撮った作品。お得意の芸者もの。絵に描いたような顔立ち――悪く言うと「作りもののような」顔ということになるが――の山本富士子は、演技に傑出したものがあるわけではないものの、芸者がハマリ役。佐田啓二は堅物の男という雰囲気は出ていたけれども、演技の方も硬いというか一本調子というか……。山本富士子の妹分の若い芸者・小菊として岩下志麻が出演していて、これが意外に良かった。彼女は“美人女優”のイメージがあったが、この作品では“可愛らしい”という印象。
 内容の方は、芸者を社会の犠牲者として描く王道パターンで古さを感じた。女性キャラが常に被害者ということになっていて、溝口監督作品の女性のような生命感が感じられない。ただ、おそのと小菊が二人でおそのの故郷を訪れ、河原で語り合ったり学校で遊ぶところは二人の女性の哀しさが表現されていて良かったと思う。また、京都の女は関東の男の手におえるものではない、ということも教えられた(笑)。
 映像は、松竹作品としては保存状態がかなり良く美しい。(2003/05/15)

花影 かえい
監督 川島雄三
公開年 1961年
評点[B]
感想  今日は、川島雄三監督の『花影』を観た。昭和三十六年(1961)の作品。

 ホステス足立葉子(池内淳子)は、内心自分には合わないと思いながらも、それ以外で生きていく術(すべ)がなく、銀座で十数年暮らしてきた。彼女と高島(佐野周二)・松崎(池部良)・清水(高島忠夫)・畑(有島一郎)・野方(三橋達也)といった多くの男たちとの関係を描く。

 大岡昇平の原作を基とした(脚本:菊島隆三)文芸路線作品。こういうのもそれなりにこなすのを見ると、川島監督は奇才だのなんだの言う以前に“上手い”映画監督だったのだな、と思う。少なくない登場人物を各々巧みに描く手腕は見事。
 このヒロインは、報われないのに男に尽くす女という感じで、いささか古い女性像だが、周囲の男たちが描きこまれているので、それなりに観られる作品になっている。特に佐野周二は若い頃の二枚目路線の頃よりも演技・台詞回しなど格段に向上しているのにはちょっと驚いた。(2002/12/27)

続悪名 ぞくあくみょう
監督 田中徳三
公開年 1961年
評点[A]
感想
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続・悪名
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悪名 DVD-BOX・第一巻
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第一巻
悪名
続・悪名
新・悪名
続・新悪名
第三の悪名

 今日は、勝新&田宮二郎主演の『続悪名』を観た。昭和三十六年(1961)の作品で、監督は田中徳三。

 モートルの貞(田宮二郎)と兄弟分になって無頼の世界に入った朝吉(勝新太郎)は縄張りを任される親分となり、極道の世界の深みにはまっていく。

 『悪名』の続編であるが、作中時間が前作と連続していて、正編と合わせて前後編のようだ。
 朝吉と貞の双方ともに活躍するシーンが増え、前作よりも娯楽性が高まっているような感じ。特に貞が生き生きしている。非情な大親分役の中村雁治郎も上手い。また、前作では朝吉の敵で、この作品では子分になる役を演じた須賀不二男が最後にいいところをさらっていった。
 女優陣では、相変わらず中村玉緒が可愛いが、前作以来、朝吉と因縁の深い遊女の琴糸を演じた水谷良重(二代目水谷八重子)の薄幸そうな雰囲気が良い。
 現実とは裏腹に心の底からヤクザになりきれない朝吉の心情を描いた脚本(依田義賢)も見事。これもまた前作以来の宮川一夫の撮影が美しい。特に、因島で遠ざかっていく琴糸たちを松の幹の間からとらえたショットが素晴らしい。(2001/05/26)

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