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昭和四十年(1965)

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黒い賭博師 くろいとばくし
監督 中平康
公開年 1965年
評点[A’]
感想
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黒い賭博師
黒い賭博師

 今日は、中平康監督の『黒い賭博師』を観た。昭和四十年(1965)の作品。

 ギャンブラーの氷室浩次(小林旭)は同業者の犬丸(小池朝雄)に大勝し、彼の愛人である玲子(富士真奈美)に付きまとわれるようになる。氷室はその後、怪しげな中国人・楊(高橋昌也)のイカサマを見破れず大敗。しかし、楊の裏に国際賭博団が存在することを知る。

 中平監督の“ギャンブラー”シリーズの一作。この作品の人気が特に高いようだ。小林旭に鋭さがあって、そのためにキザったらしさがギャグにならずに踏みとどまっているように感じた。中平監督一流のキザな雰囲気やおふざけも、あまりやりすぎず、ほどほどなので観やすい。小池朝雄の、悪役とも言い切れぬ小者っぽい雰囲気が良い。
 私はギャンブル嫌いで作中に登場するゲームのルールは一つもわからないのだが、それでもテンポよい展開と洒落た雰囲気を楽しめる佳作。氷室の愛人(横山道代)の演技が過剰に戯画化されていて、作中で浮いていたのが気になった。(2003/10/29)

宮本武蔵 巌流島の決闘 みやもとむさしがんりゅうじまのけっとう
監督 内田吐夢
公開年 1965年
評点[A]
感想
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宮本武蔵 厳流島の決斗
宮本武蔵
厳流島の決斗
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宮本武蔵 愛蔵BOX
宮本武蔵
愛蔵BOX

 今日は、内田吐夢監督の『宮本武蔵 巌流島の決闘』を観た。昭和四十年(1965)の作品。

 吉岡一門との決闘を切り抜けた宮本武蔵(中村錦之助、のち萬屋錦之介)は、しばらく俗世間から離れ、父を亡くして天涯孤独となった少年・伊織(金子吉延)と共に荒地の開墾にいそしむ。その後、将軍家指南役への推挙の話などがあったあと、細川家の剣術指南役となっていた佐々木小次郎(高倉健)と巌流島で立ち合うことが決まる。

 吉川英治原作(脚本:鈴木尚也・内田吐夢)の映画化第5作。ついにシリーズ完結を迎えた。
 結末まで、粗筋は原作に沿った展開だが、武蔵が迷いを見せることが多いことや、剣に対する求道を全肯定はしていないのが内田吐夢監督らしいだろうか。これは映画オリジナルだと思うが、吉岡道場の高弟の一人であった林吉次郎(河原崎長一郎)の末路の姿が胸を衝く。
 安定した映像は相変わらず良い(撮影:吉田貞次)。ただし、武蔵が巌流島に赴く前の晩に泊まった
宿の窓から見えた景色が、いかにも作り物っぽいのが残念だった。
 錦之助の、剣の道を進むことを決意しながらも時にそれに疑問を覚えてしまう武蔵像が素晴らしい。高倉健の小次郎は、なんだか剣豪というよりも不良少年っぽいような感もある。(2003/01/26)

新鞍馬天狗 しんくらまてんぐ
監督 安田公義
公開年 1965年
評点[B]
感想  今日は、市川雷蔵主演の『新鞍馬天狗』を観た。監督は安田公義で、昭和四十年(1965年)の作品。

 幕末の京都は、新選組による勤皇の志士狩りの嵐が吹きすさんでいた。そんな中、鞍馬天狗と名乗る謎の黒覆面の男(市川雷蔵)が勤皇方を助けて評判となっていた。彼は、表向きは倉田典膳と称して、杉作少年(二宮秀樹)や吉兵衛(本郷秀雄)を味方として、近藤勇(中村竹弥)たちと対決する。

 大仏次郎の小説を原作として、戦前戦中に嵐寛寿郎主演で大人気となった『鞍馬天狗』シリーズの新作。
 素の時は平凡な好青年風だったという市川雷蔵だけあって、手習いの師匠の倉田典膳と剣の達人の鞍馬天狗との二面性は出せていたと思う。演出は割りとリアルで殺陣の撮影にハンディカメラが用いられるなど、この頃になると映像も現代的になってくる。大映作品なので保存状態も良く画像は美しい。
 ただ、リアルな部分と杉作少年や鞍馬天狗が斬ってしまった新選組隊士の姉おとよ(中村玉緒)が登場する部分との違和感が少しあるような気がする。また、ヒーローものの爽快感も、あまりないような。(2002/05/14)

昭和残侠伝 しょうわざんきょうでん
監督 佐伯清
公開年 1965年
評点[B]
感想
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昭和残侠伝
昭和残侠伝

 高倉健主演の『昭和残侠伝』を観た。昭和四十年(1960)の作品。監督は佐伯清。

 時は終戦直後の昭和二十一年。浅草で代々続いてきたテキ屋の神津組は、新興の愚連隊に押されていた。神津組の親分が暗殺された直後、寺島清次(高倉健)が戦地から復員し、跡目を継ぐ。その後も嫌がらせは止まず、ついに寺島は…。客人の風間重吉(池部良)が、主人公に共感して加勢する。

 任侠映画のハシリで、長く続くシリーズ物となる。今まで任侠ものは敬遠していたのだが、この作品には映像美があると思った。キチッとフレームにはめこまれた古典的な絵作りだけれども、安定している。ストーリーも、今から観るとお約束の世界。でも、様式美だと考えれば良いだろうか。
 役者の演技も型を感じさせるけれども、それなりの美しさがある。高倉健と池部良は、さすがに魅力的。二人のカラミのシーンなど、男の色気がある(笑)。松方弘樹と梅宮辰男が神津組の若い衆役で出演していて…両人とも若い!主人公と恋仲だったが戦時中に他の男と結婚してしまっていたヒロイン役に三田佳子。
 余談ながら、既に80代半ばを過ぎている佐伯監督は、先日(2000/11/26)、NHKの『日本人を描き続けた男〜映画作家 伊丹万作〜』という番組にゲストとして元気な姿を見せていた。(2000/12/08)

刺青一代 いれずみいちだい
監督 鈴木清順
公開年 1965年
評点[B]
感想  今日は、鈴木清順監督の『刺青一代』を観た。昭和四十年(1965)の作品。

 口封じのため同じ組の人間に狙われる村上鉄太郎(高橋英樹)は、刺客を返り討ちにして弟の健次(花ノ本寿)と共に逃れる。土木作業員として潜りこんだ飯場で、健次は社長(山内明)の妻(伊藤弘子)にかなわぬ思いを寄せ、鉄太郎は社長の妹(和泉雅子)に惚れられる。そんな二人に忍び寄る暗雲。

 オープニングタイトルは彫り物を背中一面に背負ったお兄さんたちの映像で驚かされるが、冒頭から中盤までは仁侠映画+恋愛映画という感じで進む。二組の男女の恋愛話は、意図的に戯画化されているように見え、なんだか照れというか茶化しているような雰囲気を感じた。和泉雅子は元気があって可愛いが。高橋英樹はヤクザにしては爽やかすぎ? 花ノ本寿は当時新人だったらしいが演技が今ひとつ。兄弟を騙す大陸浪人を演じた小松方正と工事現場の人足頭を演じた高品格はハマってた。
 終盤近くまではダラダラというか淡々と進むが終盤に入って雰囲気一変、天変地異が起こる(笑)。有名な殴りこみのシークエンスは夢の中のような世界が展開する。監督はここだけを撮りたかったのだろうなぁ。(2003/03/06)

新・鞍馬天狗 五條坂の決闘 しんくらまてんぐごじょうざかのけっとう
監督 黒田義之
公開年 1965年
評点[B]
感想  今日は、市川雷蔵主演の『新・鞍馬天狗 五條坂の決闘』を観た。昭和四十年(1965)の作品で、監督は黒田義之。

 鞍馬天狗(市川雷蔵)は将軍家茂の上洛を期に、大政奉還するよう将軍に直に訴えようとしていた。それを知った幕府方は鞍馬天狗を倒そうとするが、もはや新選組でも手におえない。しかし、京都所司代らは不気味な力を持つ“山嶽党”を名乗る一味を利用して鞍馬天狗を倒そうとする。

 市川雷蔵版『鞍馬天狗』の第2作。シリアス目な作りだった前作とはうって変わって、怪しげな白髪の老人が率いる謎の組織や、その秘密会議はメンバーが髑髏の模様をついた服を着ているのを見たときには、どうなることかと思ったが、娯楽作として意外とまとまっている作品。
 ストーリーの先は読めるけれども、ヒーローもののパターンを踏襲してテンポが良く、それなりに楽しめる佳作。鞍馬天狗が、何の説明も無く敵の洞窟に忍び込んだり、いつの間にか脱出して馬に乗って走っているのが愉快(笑)。

 前作が真面目すぎたので、続編は昔の路線を踏襲したのだろうか。でも、2作目でシリーズ打ち切りになってしまったのは、昭和四十年ころには既に子供向け娯楽ドラマはテレビで観る時代になっていたのだろうか……。(2002/05/23)

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昭和四十年(1965)
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