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昭和四十六年(1971)
新座頭市 破れ!唐人拳 しんざとういちやぶれとうじんけん
監督 安田公義
公開年 1971年
評点[A’]
感想
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新座頭市 破れ! 唐人剣
新座頭市
破れ! 唐人剣

 今日は、勝新主演の『新座頭市 破れ!唐人拳』を観た。監督は安田公義で、昭和四十六年(1971)の作品。

 今日も旅を続ける座頭市(勝新太郎)は、南部藩の献上物の行列を乱して追われる唐人の子・小栄(香川雅人)と片腕の武芸者・王剛(王羽ワン・ユー)を助けた。三人は一緒に逃げたが、言葉が通じないため、王剛は座頭市が裏切ったと思ってしまう。

 ブルース・リー以前のアジアのカンフー(クンフー)映画界(当時の用語では“カラテ映画”)のスターだった台湾出身の王羽(あるいはジミー・ウォング)がゲスト出演した珍しい作品。
 邦画ファンにはあまり知られていないようだが『座頭市』シリーズはアジア一帯で大人気だったそうで、王羽が多くの作品(『片腕ドラゴン』など)で演じた片腕の武芸者も座頭市の盲目にヒントを得て作られたキャラクターだそうだ。
 いつもの、子供連れの人情話と座頭市の盲目につけこもうとする敵との戦いに加えて、王羽の中国風拳法・剣術との戦いもあり、バラエティーに富んだ内容になっていて娯楽性が高い。観る前はまとまりのない作品になっていると思っていたが、巧みな脚本だ(脚本:山田隆之・安田公義)。“てんぷくトリオ”(三波伸介・伊東四朗・戸塚睦夫)まで出演させたのは悪ノリ気味だが。
 正直なところ他の作品ではあまりアクションに切れがない王羽も強そうに見えるし、もしかすると彼の出演作の中ではベストかも? 王羽の日本人の友人を演じた南原宏治も迫力ある。

 この作品、アジア各国では王羽勝利バージョンが作られて公開されたという。香港映画(とくにクンフー映画)ファンなら知っていることだが、王羽はスターであると同時に黒社会の大物であることが関係している……のカナ?(笑)(2004/07/29)

真剣勝負 しんけんしょうぶ
監督 内田吐夢
公開年 1971年
評点[C]
感想  今日は、内田吐夢監督の『真剣勝負』を観た。昭和四十六年(1971)の作品。

 京の吉岡一門との戦いに勝利した宮本武蔵(中村錦之助、のち萬屋錦之介)は、鎖鎌で名高い宍戸梅軒(三国連太郎)のもとを訪れ、鎖鎌の技を見せてもらおうとする。対して梅軒は、武蔵が妻お槇(沖山秀子)にとっては仇にあたることを知って討とうとする。

 内田吐夢監督の『宮本武蔵』全5作では描かれなかった吉川英治の原作中のエピソードの映画化で(脚本:伊藤大輔)、監督の遺作になった。
 1時間16分ほどの小品だが、対宍戸梅軒戦一つのエピソードだけで間を持たせるのは少々きついように感じられた。それで、中盤以降は宍戸梅軒の幼い息子を中心に据えたのかもしれないが、観ている方としては困惑してしまう。登場人物の感情を表す表現やモノローグ部分の効果、妻お槇が「乳が張る」と叫んだあとの行動など「やりすぎ」の部分も多い。特に、お槇のあの行為は、あそこまで見せる必然性があったのだろーか。
 内田監督が元気なうちに作ってもらいたかった作品。(2003/04/12)

どうぶつ宝島 どうぶつたからじま
監督 池田宏
公開年 1971年
評点[A’]
感想
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どうぶつ宝島
どうぶつ宝島

 今日は、アニメ映画の『どうぶつ宝島』を観た。監督(演出)は池田宏で、昭和四十六年(1971)の作品。

 港町に住む少年ジム(声:松島みのり)のところに怪しげな片足の船乗りがやってきて、小箱を預けた。中には伝説的な海賊フリント船長の遺した宝島の地図が隠されていて、それをめぐってジムと海賊シルバー船長(声:小池朝雄)とフリントの孫娘キャシー(声:天地総子 )の三つ巴の奪い合いが始まる。

 スチーブンソンの冒険小説の古典『宝島』を、ジムとキャシー以外を動物に置き換えて翻案した作品。脚本は飯島敬と池田宏だが、“アイデア構成”として宮崎駿が名を連ねている(原画スタッフとしても参加)。
 かなり大胆に翻案されていて、設定を借りた創作と言ってもいいかもしれない。ジムと創作キャラのキャシーは『ラピュタ』のパズーとシータを彷彿とさせるが、キャシーはかなり強気で活発な性格の設定で、魅力的になっている。全ての登場人物がよく動き嫌味の無いキャラになっていて、教訓臭は無く、子供にもわかりやすい海洋冒険譚のエンターテインメントに徹している。『長靴をはいた猫』と『ホルスの大冒険』に比べるとあまり語られていないようが、これもまた傑作の一つだと思う。
 現在のリアル志向のアニメとは異なる切り絵調の背景が目になじむ。海面を緑にしている設定は、ちょっと驚いた。船上でのキャシーの歓迎会とラストの追いかけっこは音楽(山本直純)と動きがマッチして楽しい。(2003/03/15)

沈黙 SILENCE ちんもくさいれんす
監督 篠田正浩
公開年 1971年
評点[B]
感想  今日は、篠田正浩監督の『沈黙 SILENCE』を観た。昭和四十六年(1971)の作品。原作は遠藤周作の『沈黙』で、脚本も彼と篠田監督の共同。

 既にキリシタン禁令下にある日本に宣教師ロドリゴ(ディヴィッド・ランプソン)とガルペ(ダン・ケニー)が潜入してくる。やがてキチジロー(マコ岩松)に密告されて捕らえられたロドリゴが見たものは…。
 九州の自然が非常に美しく撮られている。百姓の貧しい暮らしとの対比が効果的。撮影は、あの宮川一夫。
 私は原作をまだ読んだことが無いのだが、遠藤周作の不信の告白のように見えた。こういう解釈で良いのかな?原作を表現し切れていないのだろうか。昨日観た小栗康平監督の『死の棘』と同様、評価の高い原作の映画化は難しいのだろう。
 丹波哲郎が出ていて、コントみたいと評していた人もいたけれども、個人的には結構いいと思った。私はタンバ先生、割と好きだし(笑)。(2000/10/26)

昭和四十六年(1971)
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